6月17日(第3日目)

ローテンブルクRohtenburug

朝食後、ホテルの近くを散歩した。周りは、瀟洒な住宅が立ち並び、何の変哲もない郊外の住宅街といったところだが、ワインハイムはゴミゴミした都会の真中とは違った落ち着いた風情がある町である。

今日は、古城街道をネッカー川沿いに遡り、ハイルブロンから高速道に乗ってロマンチック街道の可愛らしい町ローテンブルクへ行く。古城街道はマンハイムからハイデルベルク、ハイルブロン、ローテンブルクを経てニュルンベルク、さらには国境を越えてチェコのプラハまで続く観光街道とのこと。

バスは、先ず昨夜来た道を再びハイデルベルクに戻って走る。朝のラッシュアワーにぶつかり、高速道路は所々渋滞している。やがてハイデルベルクに入り、ネッカー川を渡って左岸沿いに走り出す。ハイデルベルクからハイルブロンに至るネッカー渓谷には、美しい城が点在している。殆どの城は、バスの車中から遠望するだけであるが、写真撮影のため二箇所ほどバスを停めて下車した。

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その一つがネッカー川近くに建つヒルシュ・ホルン城であった。(写真左)たっぷりと水を湛えたネッカー川に沿って幾つかも古城をバスの中から眺めながら、やがて我々はローテンブルクに近付いた。
時はあたかも昼飯時。市内観光の前に先ずは腹ごしらえということで、旧市街からすぐ近くのレストランGasthof Lindeへ入った。ドイツへ来てこれまで飲み物はワインばかりであったが、今日はメチャクチャ暑くビールを飲みたくなった。というわけで、ここで初めてビールを飲むことに。お奨めの小麦を原料としたバイツェン・ビールWeizenbierと云うのを注文した。日本のビールとは味が少し違うがすこぶる美味い。
以後ことある毎にバイツェン・ビールを飲むこととなった。ここでのメニューは、野菜スープと主菜はポークのソティー。マッシュポテトをお団子の様に丸め中に挽き肉を詰めた物が付け合せられていた。

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昼食を済ませ愈々ローテンブルクの旧市街に向かう。レストランから200mほどで市街地を囲む城壁の入り口のガルゲン門Gargentorをくぐる。門の脇の階段を登り、城壁の上を巡る回廊を歩く。市内の民家の赤い瓦の屋根屋根が見える。殆どが2階建ての低層の建物で、庭には色とりどりの花を咲かせている。隣のレーダー門Roedertorまで城壁上を歩いて下へ降りた。そこから市の中心マルクト広場Marktplatzへと向かった。

広場を囲んで市庁舎と市議宴会館Ratstrinkstubeがあった。教会は広場を少し入ったところにある。市議宴会館の切妻の壁面には仕掛け時計があり、昔街を攻めたオーストリアの将軍と街を守った市長の人形が現れワインのジョッキを飲み干すと言う。
また、マルクト広場から西へ延びる通りHerrngasseにはクリスマス用品で有名な店があるのだが入り損ねて、帰国後ビデオを見て添乗員さんが説明しているので思い出した。それはKaehte Wohlfahrtという店で、年中クリスマス用品を販売しておりその量と種類の豊富さは大変なものらしい。この店の支店が日本にも東京・高輪と鎌倉にあり、家内は年内に高輪でちょとした買い物をして”江戸の敵を長崎で討った”ようだ。

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仕掛け時計の鳴る午後3時にマルクト広場に集合することにして、それまで自由行動となった。私は家内と別れて別行動。先ずガイドブックに載っているプレーンラインPloenleinという小さな広場(写真左)へ行ってみた。最もローテンブルクらしい風景として有名だとのこと。その次は聖ヤコプ教会の塔に上がり、上から市街地を見下ろすことにした。狭い階段を数十段も登り、最後に梯子を垂直に上って屋上に出る。梯子の所に料金徴収の若い女性が座っており、日本で開催中のW杯の模様をテレビで観戦していた。

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塔の上からの眺め(写真右)はまた格別で、赤い屋根の絨毯が敷き詰められているような感じがする。遥か彼方まで一望できる良い眺めであった。塔をおりて街中をぶらついていると、やがて3時が近付きマルクト広場に戻ると、沢山の旅行ツアーのグループが集まって来た。最近は、日本のあちこちに見事な仕掛け時計が沢山出来ており、それと比べるとここの仕掛けは単純すぎてもの足らない感じがした。

仕掛けショウが終わった後、再び昼食場所まで戻ってバスに乗った。今夜の泊まりはミュンヘン国際空港そばのAstron。ミュンヘンまで約210km、ロマンチック街道Romantishe Strasseを南下するバスの旅である。ロマンチック街道沿いには中世の面影を留めた町が3つある、と添乗員さんが説明してくれた。一つは我々が訪れたローテンブルク、残り二つはディンケルスビュールDinkelsbuehlとネルトリンゲンNoerdlingenで、ディンケルスビュールはバイパスを通過しただけ。
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ネルトリンゲン(写真左)は、ほぼ完全な形で残された城壁に囲まれた中世そのままのかわいらしい円形の町だ。ここでは、市内にバスは入らず城門から200〜300m離れたところにある駐車場で取った20分ほどのトイレ休憩の合間に町を外から遠望するに留まった。街の中心にはダニエルの塔と愛称される教会の高さ約90mの塔があり、そこへ登ると素晴らしい眺めが一望できたろうが、願い叶わず残念であった。

バスは南下を続け、アウグスブルクの近郊でアウトバーンに乗ってミュンヘン近郊をかすめ、国際空港の横を通ってホテルに着いた。今夜の食事はホテル内のレストランであった。食事時の飲み物は、例によりバイツェン・ビールと追加で白ワインをクラスで。メインディッシュは、ババリア(バイエルン)風・ミートローフ。なにやら分厚いハム・ステーキのようなものであった。


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