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朝食を採った後、ドナウ川に面したテラスに出てみた。(写真右)朝日が川面に逆光でキラキラと輝いて美しい。川向こうの左手には国連都市のビル群が見える。川の岸辺近くには白鳥が数羽浮かんでおり、何とも長閑な風景である。
今日一日は自由行動。ツアーの参加者は、それぞれ自分の行きたいところに出かけて行く。昨日、添乗員さんがウィーン市内の公共交通機関が乗り放題という24時間全線フリーパスを手配してくれた。全線フリーパスは、初めて乗車した時に車内に設置されたパンチ機にキップを入れて刻印された時刻から24時間有効の地下鉄U-Bahn、市電、バスに何回でも乗り降りでき、24時間パスで5ユーロ(約550円)ととても格安で便利なものだ。それを手に早速出かけることにした。
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最初に行くところはウィーンの中心シュテファン寺院。ホテル近くの市電停留所まで歩き、市電に乗った。映画”第三の男”でにも出てきて有名なプラーター公園の大観覧車の傍を通り、市内を流れるドナウ運河(写真左)を渡ると地下鉄Schwedenplatz駅。そこで地下鉄に乗り換えて一駅でStephanplatzに着く。
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市電に乗り降りする時に、車掌にキップを見せることはなかったが、地下鉄駅の改札口?にも駅員は誰もいない。(写真右)但し、時たまやってくる検札に無賃乗車が見つかると数倍のペナルティを取られ、市民の良識に任せた仕組みである。
今日は土曜日朝9時過ぎ、シュテファン寺院の中に入るとミサが行われていた。中には柵があって、観光客はそこから先へは入れない。奥の祭壇では、信者が二人づつ前に進んで聖体拝領らしき儀式が行われていた。
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外に出て、南へ伸びるケルントナー通りKaerntner Strasseを歩く。ケルントナー通りは、さしずめウィーンの銀座通りといったところで、有名なショップが軒を連ねている。未だ10時前なので閉まっている店が多い。ケルントナー通りを南へ進むと、右手に国立オペラ座Staatoperがあった。(写真左)屋根の上や2階のテラスには彫刻が立ち並び壮麗な建物であるが、外壁は灰色に薄汚れた感じを免れない。ここでもオペラの扮装をした人達がチケットの勧誘をしていた。
オペラ座の前をリンクRingが走っている。リンクは旧市街をぐるりと取り囲んでおり、19世紀の中頃に城壁とその外側にあった緩衝地帯グラシーを取り壊して建造されたものだという。その折に、リンク沿いには様々な様式の建物が建てられたそうで、オペラ座もその一つであろう。
オペラ座前のリンクOpernringを時計周りに西へ進むと王宮庭園Burggartenがあった。庭園の入り口には、文豪ゲーテの像があった。そして中にはモーツアルトの記念碑もあり、とても美しい庭園である。庭園からは北西方向の隣に新王宮の建物が見える。
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モーツアルト記念像 |
(上)モーツアルト像頭部拡大図 (下)モーツアルト像前の花壇 |
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王宮庭園から再びリンクに出て、ブルクリンクBurgringを進むと右手にブルク門Burgtorがある。その反対の左手にはマリア・テレジアの像がこちらを向いている。ブルク門をくぐると広々とした英雄広場である。広場の右手には、先ほど王宮庭園から見えた新王宮があり、半円形のカーブを描いた壁面を見せている。
英雄広場を真っ直ぐ進むと王宮である。王宮の中庭を通り、ミヒャエル広場というところに出た。ここには観光客を乗せた2頭立ての馬車次々と集まってくる。この広場の近くにカフェ”デーメル”Demelがあったので、ここのテラスで休憩をとることにした。(写真右)
ウェイトレスにコーヒーとアイス・コーヒーを注文して、本場のウィンナー・コーヒーが出てくるのを楽しみに待つ。ところが出てきたのは、普通のクリームとコーヒー。どうやら、ウィンナー・コーヒーの注文の仕方が分からず失敗したらしい。
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(上)デーメルのメニュー (下)アイス・コーヒー |
デーメルのカフェテラス |
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デーメルで一休みした後、ミヒャエル広場から南へ伸びるアウグスティナー通Augustiner Str.を進むと再びオペラ座の近くへ戻って来た。そこには伊勢丹があり、入ってみると店員も客も日本人ばかり。ファッション用品などの他チョコレートなど土産品も売っていた。
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通りの向こう側の角にはカフェ・モーツアルトがあり、その隣はホテル・ザッハーの裏口である。オペラ座の周辺の歩道には、ハンス・クナッパーブッシュやヘルベルト・フォン・カラヤンなどの有名な指揮者の顔とサインが埋め込まれていた。オペラ座から南へ少し下った地下鉄カールスプラッツ駅の近くにセセッションという美術館がある。クリムトなど革新的な芸術を目指した分離派の作品の展示会場で、金色のキャベツのようなドーム(実は月桂樹の葉の透かし彫りの由)が特徴の建物である。
セセッションの辺りから南西に伸びる通りはナッシュマルクトと呼ばれる食料品の店や屋台が並ぶ生鮮食品市場である。その入り口の一角にあるノルト・ゼーNord See(北海)というカフェテリア・レストランで昼食を取ることにした。クレープのような生地で野菜や肉・魚を巻いたものと魚介サラダ、そしてジョッキのビール。今日もとても暑いので、もう1杯ジョッキをお代わりした。