6月12日(第3日目)

トレドとラマンチャ地方

今日は、古都トレド、そしてラ・マンチャ地方のコンスエグラ、アルマグロを訪れ、コルドバへ向う。
トレド(古都トレドは『世界遺産』に登録されている。)は東・南・西の三方をタホ川に囲まれた古い町で、中世の面影が今も残る街である。バスは先ずトレドの街をタホ川で隔てる南の高台へ向い、そこから街の全景を眺めた。そこから見た景色はとても美しく圧巻であった。
 
トレド市街遠望
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その後、川向こうまで戻ってバスを降り、昔ながらの狭い路地のような道を街の中心部まで歩いた。トレドの街は建物が密集し、急勾配の路地が迷路のように入り組んでいる。 我々が辿った道筋には、つい先日行われた聖体行列コルプス・クリスティの時の飾りつけの花が残っており、カソリック教徒の国スペイン人の強い信仰心を思い起こされた。

街中のあちことの狭い路地からはカテドラルの尖塔を望み見ることができる。

トレド、カテドラルの尖塔
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トレドの見所は、カテドラル、アルカサール、サント・トメ教会などがあるが、我々が入場観光したのは「サント・トメ教会」。ここには、エル・グレコの傑作『オルガス伯爵の埋葬』という壁画のように大きな絵が展示されている。キリスト教の信心厚いオルガス伯の埋葬に、 地上に聖アウグスティヌスと聖ステファヌスが、雲上にはキリストと聖母マリアが立ち会う姿描かれている。薄明るい照明のなかで見るこの絵はとても心に迫るものがあった。

サント・トメ教会を出て、街の中心部まで細い道を辿ると広場に出た。そこには、カテドラルの大伽藍が聳え、反対には市庁舎がある、典型的なヨーロッパのセントラル広場である。そこには、観光ガイド・ブックを売るおじさんがいて、我々に日本語の本を売り込みにやってきた。
そこから再び歩いてバスが待つタホ川の向こうまでサン・マルティン橋を渡って戻る。サン・マルティン橋は13世紀に造られたゴシック様式の橋だそうで、なかなか風格のある橋である。橋の上からトレドの町を見返ると、建物が崖の上から我々を見下ろしていた。


コンスエグラの風車(ラマンチャ地方)
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トレド観光を終えて次の目的地、ラ・マンチャ地方のコンスエグラへ向う。高速道路の左右には赤土の農地が広がり、ブドウ畑が続く。丘の上には所々に砦のような城が見られる。
やがてバスはコンスエグラの町に入り、街中を通り過ぎて11基の風車がならぶ丘の上まで登った。丘の上からは南側の足元の麓にはコンスエグラのこじんまりとした街並みが見え、北側は荒涼とした感じの赤土の平野が遠くまで広がっている。

コンスエグラを後にして、バスは今日の昼食場所であるアルマグロのパラドールへと向った。パラドールというのは国営のホテルで、スペイン全土に88ヶ所あり、そのほぼ半数が中世の城や貴族の館、修道院などの歴史的な建物を利用している由。
パラドールの近くでバスを下車して少し歩いたが、アルマグロは小さな町らしく昼下がりの時刻だったこともあり、通りには人っ子一人見かけない。広い通りから門をくぐりパラドールに入る。

アルマグロのパラドール

パラドールでの昼食

スカート姿の十字架上のキリスト
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アルマグロのパラドールは、昔は修道院だったそうで、スペイン建築の特徴のパティオ(中庭)がある2階建ての建物であった。入り口の上の屋根には小さな鐘があり、修道院らしい面影を残している。我々が食事をした部屋は天井が高く、入り口の上の壁にはスカートを着けた十字架上のキリストの絵が掛けられていたのが面白い。


背後から見たメスキータの外観
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ゆっくりとした昼食を済ませ、本日の宿泊地のコルドバへと向った。ホテルに着く前にグアダルキビル川を挟んでの向こうにマスキータが見えた。そして川に架かるローマ橋と橋を守るカラオーラの塔。明日訪れるメスキータの威容を背後から眺め、期待を高まらせられた。


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