18 web写真展「岩泉線 山峡の細き道」 19 20

「錦秋のみち」

押角

10月下旬、全山広葉樹に覆われた押角の山々が、頂から一斉に色づき始める。眼下に見える見渡す限りの山肌は、朝日を背に受けて赤や黄色に輝き、そのスケールの大きさに思わず息を呑む。

しかし惜しいかな、この絶好の俯瞰ポイントでは、紅葉真っ盛りのこの時期、下りの(つまり手前方向へ向かって走る)始発列車683Dが通過する時間には、まだ線路のある谷底に日が射していない。次の下り列車は山の端に太陽が隠れた午後4時近くなので、論外。紅葉と岩泉線をからめて撮るというのは、実は至難の業なのだ。