10月

保土ヶ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤栄一

前回『まず自分の健康を維持しよう。』と脚気について書きました。脚気、 「かっけ」と読みます。早速、「思い出した」「懐かしい」「忘れていた」な ど、私の年代の声が多くありました。

今回は、「仲間の健康に配慮してあげよう」ということで『鳥目(とりめ) 』をとりあげます。これも脚気同様、最近では聞かない病名です。自分ではな く仲間の健康としたのは自分では気付きにくく周囲から指摘されてわかること が多いからです。特に災害現場では同僚仲間から笑い話になるくらい面白い (失礼)のです。

私は、消防在職時代に大火災が鎮火したときに先輩が「火が消えて真っ暗だ、 歩きにくい」といいながら手探りで歩くのを見て不審に思いました。手探りで 歩くほどではなかったからです。気づかないほど軽症の鳥目は照明を切ったと き、明るい場所から暗い場所に急に移動した時に目がなれる時間が長いことが 主な症状だそうですが長時間かかった彼の鳥目はやや重症でした。本人は環境 だと思い込んでいるので気付きにくく、周囲がおかしいなと気づくようなので ボランティアの安全管理として留意したいものです。鳥目は、病名は『夜盲症』 ですが、私の電子辞書の家庭の医学には病名の記載はありません。脚気同様、 やはり忘れ去られた病名のようです。

発症の要因は様々ありますが、彼の場合は、『ビタミンA欠乏症』でした。 彼は肉類と魚類を絶対食べない人でした。脚気と同じく米穀物主食の地域に多い ようです。私の子供時代、肝油ドロップを服用させられたことを思い出します。  栄養が行き届いている現代ですが災害時は食習慣や環境が変わり短時日のうち に栄養失調症にかかるおそれはボランティアが抱える問題として気をつけるべき でしょう。

○ 次回も健康に関して、便秘と下痢について