12月
保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤栄一
「要らない!!」と、『とんでもボラ』を紹介したところ、ボランティア活動の気づかぬことを掘り下げてほしいとご要望が寄せられました。
ボランティア活動に関するセオリー的な事柄は既にご承知のはずなので私は視点を少し斜めに移してコラムを構成してみようと思います。
「災害活動者は、まず自分の健康を維持しよう。」
助ける人が助けられることにならぬよう、ボランティア活動を行う人は先ず健康でなければならないと思います。能登半島地震ではボランティアの中に不調を訴える人たちが発生し、診察を受け『脚気(かっけ)』と診断されました。現在では電子辞書の家庭の医学の病名にも載ってない『脚気』とは『ビタミンB1欠乏症』のことです。たれ下げた足の膝頭をゴム製の槌で叩くと足先がピョコンと反射的に跳ね上がる(膝蓋腱反射)ことで簡単に診断できる病気ですが我が国では病名が削除されるほど忘れられた病気です。
米を主食とするアジア、東南アジア地域に多い病気とされ、太平洋戦争の戦地では多くの兵隊が罹患し、食糧事情が悪かった終戦後は高齢者や女性(特に母親)の病気でした。
ボランティア活動では、昼夜を問わない激しい活動と不十分な給食状況により、急性では3日後くらい(私の体験)から発生します。全身倦怠感、無気力感、下肢の重感、息切れ、胸部圧迫感、手足のしびれなどを感じたら要注意です。災害現場では難しいのですが、栄養バランスの良い食事を摂る、適度な休養を取る、ストレス(過度の目的意識・責任感)を貯めないなどが予防策です。私はビタミン総合剤系のサプリメントを携行服用し、気をつけています。
次回、夜盲症(鳥目)について