霧島新燃岳、雲仙普賢岳火砕流事故の二の舞を踏むな

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一

霧島新燃岳の噴火は長期化する見通しになり、降灰、空振、噴石、溶岩溜まり等、被害拡大の懸念要素は増加する一方である。また大雨による土石流は現実的かつ具体的な恐怖となって住民に押し迫っている。2月8日の報道では、アマチュアカメラマンや見物を目的とする一般人などが立ち入り禁止区域に忍び込んでいる。強制力を持たない「禁止」は大きな問題であろう。

思い起こすと、雲仙普賢岳溶岩ドーム崩落による火砕流事故では、崩落直前マスコミが特ダネ目的で禁止区域に駆け込んだことによる大被害だった。この事故では、自らは危険を予測し、その不安を家族に漏らしながらマスコミに徴用されたタクシー運転手や、危険情報の伝達、避難行動支援に当たった消防団員たちなどが巻きぞえになり壮絶に殉職された。

今回、新燃岳周辺にアマチュアカメラマンや見物人などが立ち入り禁止区域に入り込んでいると聞くが心無い野次馬のために貴重な人命が損なわれてはならないと思う。また取材に駆けつけるマスコミ各位も普賢岳の過ちを繰り返さないことを亡くなられた方たちに誓ってほしいと思う。

私たちボラ活動を行う者たちも、時には自身が張り切りすぎたり他から強く懇願されたりして現地担当者や警察官の制止を振り切り、コントロールラインを超えそうになる時があるが他に与える迷惑などに配慮して行動したいものである。