東日本大震災、某県災ボラネットA氏のメッセージ 1

東日本大震災の復旧作戦は5月末現在も依然として遅れ続けている。連休が終わり一段落した今、行政と住民の間に立つボランティアリーダーの中には両者の不満の捌け口に曝されて脱力感と不達成感にさいなまれている人たちも出始めていると聞いた。
広い範囲のホンの一部分かもしれないが、被災県災ボラネットの幹部のA氏がお話しくださった問題点を記し、来るべき巨大災害の教訓として受け止めたいと思う。

◎不慣れなせいでボランティアが有効に活動できてない。

○ボラコアが無い、したがって災ボラネットワークが無い。
・激甚被害地と行政機関所在地の距離がありすぎ、ボランティアセンターの設置場所が混乱した。したがってボラセン運営に熟達している団体も被害地域に入りネットワークを編成する支援より、グループ固有の支援活動に着手した団体も多かった。

○遠地ボラについてはボランティア個々の能力に期待し依存しているが、各々の特技、能力、希望を活かしきれてない。
・場当たり的なマッチングに我慢し、容認してくれた皆様に感謝してます。 (A)

○人・物・力のマッチングができてない。
・遠地のボラたちに、給食・寝所・交通手段・燃料で不自由をかけました。これも感謝。
・支援物品の数量も十分でない中、優先度、公平度の配慮ある態度に敬服しました。(A)

◎行政の枠にはまっていることが多い行政職員

○行政がボラコアの代わりをしている所も多い
・スピリッツが違うので奉仕感、緊迫感、スピード感に欠けました。(A)
・2ヶ月過ぎてようやく社会福祉協議会に任せてもらえるようになった感じです。 (A)

○権限に縛られボラ意識に到達してないのでボラとの共有意識無し、また上から目線の態度。

○手続き主義、公平主義、法令・命令至上主義。疑われる問題意識、当事者感覚
・ボラの帰りトラックで配送支援を申し出たが、出発地の市町村長の証明書を持ってくるように支援物資集積所担当職員から言われた。(神奈川県出発ボラ)

◎被災者リーダーって何だ

○単なる要求団体か。実情からして解らなくも無いが・・・。また、私に言われても・・・。
・おまえら、被災者を何だと思ってるんだ。(被災者は神様お客様)
・救援物品を持ってくるなら不公平にならぬよう人数分もってこい。

○地域リーダーは当て職、老いの一徹、老害も
・俺たちはまだ生きている、行政は来なくてよい。帰れよ。(行政の手が届かない避難所)
・この国難に生理用品など必要ない。(生理用品を運んだ女性ボラに)


◎であるが、殆どの地域や行政、何よりも被災者は、ボラに敬意と感謝の気持を持っている。

○昼食時、周りに居る子供たちの目。(被災児の作文より)
・ボラのおじちゃんたちも僕たちと同じ物を食べていました。
・消防隊員がカップめんを食べていました。腹の減る仕事をしているのに・・・。


◎まとめ:地元社会福祉協議会と行政機関は戦略思考を持って活動の中核を担うべきであり、これからの復興期を乗り切ること、また今後起きる可能性のある余震被害に対しても心新たにとり組むとともに首都圏はじめ全国のボランティアコアに教訓として伝えたい。との ことであった。もう1点は、コアの位置づけとその認識共有、普段からの運用トレーニングを積み、ネットも強化しておかなければ失敗しますよとのことでした。