東日本大震災、霧吹きスプレー意外な大活躍
保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一
昨年の夏は記録的な猛暑でした。今年は梅雨明けも早く、昨年を上回る記録更新が心配されています。昨年から、私は講話の中で、真夏の避難所の極暑対策としてスプレーを利用してミストシャワーを作りましょうと提言してきました。ミストシャワーの効果は夏のマラソンでは今や欠かせないツールになっています。
熱中症については昨年の9月と11月コラムで触れました。熱中症へのスプレー効果はこれからの夏に発揮されると思いますが、この4カ月の間に別の効果について被災地の方々や現地に赴いたボラの皆さんから次のような報告を受けましたので参考にしてください。
先ず、手と顔の洗浄です。泥掻きボランティアで手を洗いたいと思っても貴重な水をいただくことはできないと感じたので、2回目からスプレーを持参して手洗い・洗顔をしています。ゴム長やビニール合羽の洗浄にも使え避難所を訪れた時はぬかるみで汚れた靴を洗浄したところ、その配慮を称賛されました。
次に、赤ちゃんのオシメ交換時にウエットティッシュが無くて赤ちゃんのお尻の清浄ができないことを悩むお母さんたちに、スプレーとティッシュを使って清拭を展示したところ大好評でした。
それを見ていた高齢者の皆さんが、私たちもとボランティアの方たちに霧吹きの購入を依頼していました。
入浴できない地域では、体の清拭の仕上げにスプレーを使うことは現地の女子高生のアイデアです。また別の女性は香水を爪楊枝の先(極、微量)に浸してスプレー水に溶かしたら即席のオーデコロンになりました。
霧は、冷却や洗浄など様々な効果が有ります。水が少量で済むのも大きな特徴ですのでもっともっといろいろなアイデアが出てきそうですね。
用具もアイロンかけ用、ペットボトル用スプレーヘッドが手軽で入手しやすいものですが、最近は、使いやすくデザインもよい専用品も出回っています。私が使用しているのは硬質プラスティック製で水量は200mlですが握れるくらいの太さなので邪魔になりません。10回ほどポンピングして後は押しボタンを押すと霧が出ます。ハンドストラップとネックストラップが付いており携行性は抜群です。価格は500円程度でドラッグストアやDIYで販売しております。
単純な思い付きが実災害で有効性が検証され、更に発展していくのを見ることは楽しいことですね。ボランティア活動ってこのようなことなのか、つまり、小さいことが連携しあい大きな効果が生まれていくのだろうなと・・・。