保土ケ谷災害ボランティアネットワーク活動、原点に帰ろう。

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一

東日本大震災から1年になろうとしています。ようやく復興庁が発足して期待が膨らみます。
阪神淡路大震災の際には、当時の政府対応は比較的早く始まったし、米国のフィーマ(アメリカ連邦緊急事態管理庁)のような性格を持たせた組織を設立し、復興着手は目に見えるものであったと思います。
この一年の被災地の状況は、何をしてよいか道筋が見えてないというディレンマに陥っていて誠に気の毒な状態です。

私たちのボラ活動も思い通りに進められたか、現地のニーズに適切に応じてきたか、これからの進め方はどうあるべきかの見極めはできているか、を考察しなければならないと思います。
このコラムを始めたころに、『ボラ活動とは』とのテーマで寄稿しましたが今回の大震災では私の危惧が現実になってしまったような気がします。個々ボラはたくさん居たし、ニーズは限りなく存在したし、広く見ると十分満足していることが感じられます。ただ一年たってみるとボラ活動も美談化が進行し、生じた教訓が生かされない、埋もれてしまう、消滅するというようなことが起きることを懸念します。

そのことで大きなことは、『ボランティア活動とは』が行政機関に十分に認識されておらず、ボランティアは『勝手連』的活動との見方であろうと思えるような対応を体験しました。
二つ目は、個々ボラ、ボラネット、ボラコアの性格や任務の認識がなく一律に個々ボラ扱いをされていたようです。私は、発災当初、ボランティアコア立ち上げを支援しましょうかと申し出ましたが行政の分掌任務なので支援は不要と断られました。この部分は現地社協の皆さんも同様に行政機関から無視されたとのこと(すべてではありませんが)で憤慨しておりました。

私たちのボランティア活動をもう一度考える必要が有ろうかと思います。個々ボラ、ボラコア、ボラネット、何よりも被災地ボラ(住民)が重要でニーズの第一声を上げなければならないと思います。そのニーズを適切に配分するために災ボラネットワークが存在し、そのワーキングによりボランティアコアが構築され、有識者、専門家、行政機関、志篤き人々、等により 運用されていくわけです。行政には、「市民活動なので勝手にやってください。社協が窓口なので関係ありません。」などと言わないことをお願いしておきます。(因みに、保土ケ谷区はこのホームページでお分かりのように担当係長を中心に普段からよく関わっていただいております。)

ここで、多くの区民の皆さんが誤解されていると思われことについて触れましょう。
保土ケ谷災害ボランティアネットワークは、災害時ボランティアのコア(核)を構築し各組織、各機関、個々ボラのコラボ(協働活動)を円滑に推進する仲立ちが大きな役割です。
皆さんの誤解とは、ネットワークを個々ボラの単なる集団活動だと認識している人たちが多いのではないでしょうか。特定の防災拠点の防災訓練に連続参加していることについて、いかがなものかと検討テーマになりましたが私はアドバイザーとして、災ボラネットワーク訓練の場として、活発に手本となるような拠点訓練への参加は必要であると言い続けてきました。
行政機関はもちろん、福祉団体、他の拠点メンバー、他県・他市町村の関係者、何よりもボラネットメンバーの参加があり、有効なトレーニングになっていると思います。普段の学習会、大震災におけるメンバーたちの個々ボラ活動も盛んでホームページに紹介されているとおりです。

横浜が大災害の被災地になったとき、あなたの地域に激甚被害が生じたとき、遠方から駆けつけてくれるボランティアとの仲立ちをする『保土ケ谷災害ボランティアネットワークのコア活動』にご理解をお願いします。