災害ボランティア活動を見直す(2)
被災地での自己安全確保(災害情報)
保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一
この1年間、被災地活動をしてきて気づいたことがあります。それは災害発生予報を知ることが困難であるということです。皆さんも痛切に感じているのではないでしょうか。特に津波被害地での活動は大きな余震があるたびに『津波?』と身構えてしまいました。当然ラジオを携行していましたが周囲のボラたちを見ますとラジオを聴きながら活動している人は多くありません。特に津波被害地域では危険情報を知ることは当然ですが、「この地震による津波の心配はありません」という安心情報も大切だということを感じました。
私は、?消防科学総合センターの調査員として現地入りした時は安全管理の一つとしてラジオを携行し各々の活動中は必ずラジオ情報に気を配るよう指示されました。調査員活動やボラ活動中に災害情報に関して気づいたことは他にもあります。
当初、多くの被災地では、
携帯電話のアンテナが立たないということも経験しました。グループ員が分散活動をしていて相互に連絡を取り合おうとして気づきましたが、このことも緊急性のある事態に遭遇した時には、と考えさせられました。
さらに、防災行政無線が津波で破壊されていて役に立たない状態でしたのでこれも期待できない自治体が多かったですね。
ラジオを常にON状態で活動しましたが地方局は出力が低いのか、私のラジオの性能が低いのか、指向性により音量が変わるので鬱陶しいのが難点でしたが我慢をしております。人の少ない海岸地域で活動するときは心細いものでしたが避難所や行政組織の拠点などにたどり着いた時はホッとした経験は貴重なことでした。緊急性のある災害情報は人の集まる場所にサイレンや拡声装置などを設置してくれれば安心して活動できるのだがと現地行政職員やボラコアの人たちと話し合いました。
それにしても安全管理は自己管理が本来であると思うので、私は常に2台のラジオと予備電池を携行することにしています。
ラジオよりテレビなのだというエピソードを紹介し、ラジオは必需品だということを強調しておきます。
ボランティアの若者たちがスマホや携帯電話でTVやワンセグを見られるとか見られないとかバスの中で話し合っていましたが結局海岸地域の活動の中でダメと気づきました。また、3月11日には、ある高齢者デイケア施設の職員が散乱した物の中からラジオを探したがなかなか見つからなかった。あきらめて高齢者を送迎車に乗せてエンジンをかけたらラジオが鳴り出し津波警報が飛び込んできた。とのことでした。