日記、6月30日、『自助』60数年の疑問、一瞬解決

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一

『天は自ら助くる者を助く』、私は、この警句の作者を60数年間探してきました。
小学校入学を前にして祖母が与えてくれたカルタの『て』がこの警句でした。
祖母は『自助』をモットーにしていた人でした。両親と離れて祖母と暮らしていた私は、その祖母から「人生は自助精神が必要」と教えられていました。祖母は、自分の子3人以外に甥二人と孤児、育児放棄、生活苦家庭の子など、約30人を育ててきた不思議な人物でした。その祖母が言う『自助』は説得力が有りました。いつしか私の座右の銘になっていましたが、この警句は誰が言った言葉なのだろうか、カルタの左下のイギリスだけが頭の隅にありました。

『防災、自助・共助・公助』が言われるようになって、講演会などで引用してきましたが根拠を広辞苑と誤魔化してきました。6月8日、ある私立小学校で児童に講演した時は、眼を輝かせている児童の前で、何となく歯切れが悪いなと感じながら講話をしていました。ところが、その後の青葉区民会議の基調講演で、自助についての部分で、「イギリスの古い言葉で・・・」と話し、古稀になっても作者をさがしていると言ったところ、会場からすぐ手が挙がりました。
私と同年代の男性が「イギリスのサミュエル・スマイルズの『自助論』に記された言葉である。」と、そしてその夜、メールに自助論に関して書き込みが複数ありました。スマイルズの自助論に関しての現代著作物も相当あるようです。日本のさまざまな現況に必要であるとの意見も頂きました。
さっそく読んでみようと思っています。

反省の念も湧きあがりました。このIT時代に、なぜPCを活用しなかったのであろうか。自分はPC人間と思っていましたが、私は、ワープロ・電卓の域から抜け出てない、メッキだったなとショックも受けました。

反面、得たこともありました。自助を探して共助を得たという感覚です。60数年間探してきたものを皆の前で『助けて』と表明したらすぐに反応が有ってつながりました。また、私がPC検索に気付かされたように、「広辞苑にそのようなことまで載っているんですね。」とのメッセージなどいただき、共感し合えた1日でした。
いろいろなことの『共助』が、このように助け合うことから生まれるのだと、実感を確信しました。人のつながりってすばらしいですね。

翌日、平清盛を見ながら『驕れるもの久しからず』かと、自分の今までの知識不足を反省しました。『天は自ら助くる者を助く』も真、『人は一人では生きられぬ』もまた真なり。 感謝。