災害ボランティア活動を見直す(5)
足もとの、震度7の地震に気をつけよう(2)
保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一
前号は、突然でしたが『天は自ら助くる者を助く』の著作者を65年を経て知るこ とができたことを書きました。あれからすぐ書店に駆け込み新書版の『自助論』を 購入しました。内容は著名人の成功の秘訣や信条などを網羅したものですが、私の 生き方に影響を与えてくれたことが随所に見られ、改めて祖母に感謝をしました。
さて、前々号で書きかけた震度7の地震について具体的な表現を紹介すると、
「なぜ、俺の部屋にカラスが殺到 ※1 しているのだろう(藤本義一氏)」
「テレビが落下するのではなく、上の段に飛び上がっていた。(神戸市ポートアイランド居住者)
「グランドピアノ2台が5往復していた。(ポートアイランド音楽教師)」
「駐車場の車が、スリップ痕もなく80p横飛びしていた。(東灘区居住者)」
「オカグラ建築 ※2 の2階建ては、100パーセント崩壊した。(神戸市まちづくり協議会、河合節二理事長)」など、
色々な凄さの表現で震度7の揺れの怖さが語られています。このように、発災直後 の不安は尋常なものではないことがうかがわれます。
私たちのボラ活動も事故処理に時間がかかって、立ち上がりも遅れることになると
思います。想定では、木造家屋の倒壊率が50パーセント近くになるということな
ので、まず自分の周囲の被害を軽減させることを速やかに行っておかなければなり
ませんね。
私についていえば、猿も木から落ちる、河童の川流れ、紺屋の白袴などなど、いや
なことが予感となって冷汗がにじんでくる今日この頃です。
それにしても自治会はじめいろんな市民組織が以前にも増して真剣に取り組み始め
たことを強く感じます。さらに、市民防災活動は、ネットワーク化してコラボレー
ションしなければ効果は薄いということにも気付き始められたようで、心強い事例
も見聞きしており、いくつかは私も関与させていただいております。
震度7の都市被害のイメージは、やはり神戸市の被害だと思います。『温故知新』、 もう一度阪神淡路大震災の資料を再確認して見ましょうよ。
※1 書斎兼寝室で、書棚から書籍が落下するのではなく、横に飛んだことによる暗闇の中の感覚だそうです。
※2 オカグラ建築:平屋建てから2階建てに改築する際、柱を『通し柱』にすることなく継ぎ足して改築する手法。 現在は、認められていません。
地震動により、建物が腰折れ状態になり、階下の人が押しつぶされる被害が発生する。