災ボラは頑張るから。行政職員もがんばって(エールを送る)

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一

首都圏直下地震「震度7の地震に気をつけよう」とテーマにしてみましたが、何人 かの方々からそれは東京のことなので横浜が該当するような表現は適切ではないと のご指摘をいただきました。

はたしてそうでしょうか。首都圏各地の活断層の存在は不明確です。東京直下地震の地震の影響は少ないとしても横浜直下で起きることも考えられます。東京直下地震での想定死者数は相変わらず約1万数千人程度とされておりますが、そのようなことではすまないだろうと感じています。学者ではない私は根拠を持ち合わせてないのでいろいろご批判を受けていますが少なくとも行政機関の皆さんは職責のお立場から自分達の懸念を検証に注ぐべきと感じます。
火災による被害にも同じことが言えると思います。出火件数が想定通りだとしても消火を失敗したり消火活動が行われなかった場合の延焼被害は関東大震災の被害の再現が予想されます。当然死者の増加につながりますし、延焼区域内の様々な施設の類焼によるさらなる被害の拡大などが想定されなければならないと思います。
例えば、石油コンビナート、大規模集客商業施設、大規模輸送施設、各種教育施設、、さらに県内にはミニ原発や核燃料加工施設、放射線使用施設など従来体験したことのない被害も阪神淡路や東日本の大震災に起きた事象から想定できる被害はたくさんあります。

それらを『想定外』と片付けますか?私は消防職に就く前から『想定外想定をする』との職業的躾を受けてきました。そこではいつもリスクマネジメントを超えたカタストロフィー(大惨劇)マネジメントが行われており「君の『想定外想定』は何だ」と問いかけられてきました。想定外想定をわかりやすく言うと『マサカをモシカにと考えよ』また『悲観的に備え楽観的に対処せよ』ということになりましょう。
東海東南海プラス南海地震の津波による想定死者数が32万人と発表されたすぐ後に40万人との情報も流されました。行政のカタストロフィーマネジメント力が試される時が来たのです。しかし、旧態依然として大甘であることが目につき心配なことばかりで気になります。その一つに津波避難タワーが該当すると思います。
一基当り100人程度しか避難できない施設を作って行政も住民もこれで安心と満足気な発表をしています。また、帰宅難民問題も政府は従業員を帰さないことを確立すべきとの方針を打ち出しました。帰宅させるから混乱するので各事業所にはBCP(事業継続計画)を作成させ帰宅による交通の混乱やマヒを防ぐとのことです。
共働きの家庭で子供が待っている、在宅看護の高齢者が介護の手を待っていることなどの配慮は見られません。

今回のコラムで私は評論家になってしまいました。図らずも行政への苦言になってしまいましたが市民を守る強い意志を示していただきたくお願いしておかなければ私たちボランティアは大災害に際して空回りする心配から敢えて随想しました。
旧記にも記したとおり東日本大震災のボラと行政の齟齬はこのようなことが原因で生じたのではないかと感じております。