『ゆい(結い)』と『災害ボランティア』について

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一

11月7日から11日まで沖縄県に行ってきました。今回は沖縄本島だけでした。
現地の多くの人たちは、大地震や大津波に対する深刻な感じは持っていないようでした。災害については、やはり台風に対する思いは強く、昨年と今年2年連続で大きな被害に遭い、産業の建て直しは大変なようでした。某所で行ったDIGでは私にとっても大きな気づきが有りました。もし沖縄に大災害が起こった時に、私たちボランティアはどのように活動するのか。現地への往復の足はどうするか、現地に行く前に壁が立ちはだかります。航空運賃は高額です。船便は時間がかかります。
自家用車やヒッチハイクには限界が有ります。また、何よりの問題は旅費、滞在費、活動費など自己負担も大型になります。ボランティア活動の特徴である人海戦術はとれないでしょう。多くのボラを必要とする大規模な災害発生を考慮しておかなけ ればならないと思います。今年の台風でも県外のボラ活動は目立たなかったようであり、地縁・血縁による『ユイ(結い)』の活動で乗り切ったと聞きました。

地震についてはここ数年以上の間、有感地震はないとの感覚でした。大津波についても「言い伝えられるようなものはない。」と口をそろえて言っていましたが想定外のことも起こりうると言うことでDIGを進めました。特に大津波については気づいてみたら深刻で、町全体が平地でしかも海抜は低いのです。高層建物はあるが津波避難ビルの認識は薄い。那覇市内の河川は汽水域では大潮の時に路面スレスレになるとのことでした。台風時の高潮また歴史的大津波では深刻な被害を想定しなければならないと思います。
そこで災害ボランティアに戻りますが、地元による『結い』は、農作業や地域整備などでは有効でしょうが災害後を処理するのは難しいと伝えました。結いに参加する人たちが被害者なのですから外部から労力を導入しなければならないことに気付いてもらいました。
しかし、前記の離島へのボランティア対策について、全国のボラネットは行政機関を含めて協働的に大災害活動を考えなければならないと思います。

『結い』とボランティアの関係のようなことは横浜市内にもあります。
区災害ボランティアネットワーク結成が遅れているところや、すでに結成されている区内の一部でもでも理由の一つとして、「地域団結が固く、よそ者が来てその団結を乱されたくない。」、「地域全員で支え合う体制が既にできている。」とのことですが、支える人たちが被害者になるのが大災害であるということをもう一度考えてボラネット活動を広めてほしいと思います。


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