首都圏直下地震に真摯に立ち向かおう その1

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一

 首都圏直下地震の想定が改訂されました。内容は政府や自治体が現実的・具体的な取り組むべきことをようやく自覚し始めたかという感じです。
これを絵に描いた餅、机上の空論としないためには、やはり私たち一人ひとりが有効適切な行動をとらなければならないと感じます。
大切なことのはじめとして火事を発生させない、出火したらすばやく初期消火をする。このことは関東大震災の遺訓として留意しなければならないでしょう。政策は、消火や救助活動を阻害しないように沿道沿いの建築物には倒壊防止の施策のための条例制定が目論まれたり、避難時に通電火災防止のために電気ブレイカー遮断などの技術開発に取り組む考えなど具体的に示しています。

 避難についても、避難所の役割を究極の被害を受けた人たちに優先して使用させ、被害の少ない人たちには、できるだけ在宅でがんばる努力をするように求めています。災害備蓄は個人にも団体にも一週間分が必要であると表明されました。つまり、首都機能や行政・経済能力を喪失した場合のことを考えに入れたと思われます。

 自分たちのことと考えても、復旧・復興力が衰えることを想定しなければならないと思います。まず、自助部分のエネルギーが削がれるでしょう。自分自身、自分の家族そして自宅の安全確保に時間や労力がとられることでしょう。その状態は共助力の減衰に繋がります。共助やボラ参加人口の減少は、結局、災害時要援護者の救出・救援の遅延や生命・身体被害の増加に繋がります。

 私の懸念としては、街区火災(大火)の中、災害弱者を伴い逃げ惑うイメージが付きまとってやみません。今日まで多くの人たちが実施してきた形式的避難訓練や炊飯給食訓練では解決できないでしょう。40年くらい前に実施していた関東大震災対策を原点として、『立ち向かう災害対策』を見直してみてはいかがでしょうか。
大規模地震時の行動提言【街区火災(大火)の防止】

               

(1) その場にあった身体安全確保
(2) 出火防止、 ・揺れを感じたら近くの火気を消す
         ・揺れが収まったら火気を消す
(3) 初期消火 小さいうちに火を消す(消火器消火・水消火・窒息消火・除却消火)
(4) 避難・外出時の出火防止 (ブレイカーによる電源遮断・ガスの元栓閉鎖)

【町の(自主)防災組織】の有効活動が必要になりますが、揺れが収まったら一分以内に、向う3軒両隣の要消火・要救助の状況を確認することが必要です。
火事が発生しなければ落ち着いてその後の活動ができます。  《次回に続く》

次回、家族の安否確認、避難行動について


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