首都圏直下地震に真摯に立ち向かおう その2
保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一
家族の安否確認、避難行動について
東日本大震災の検証が進んで,助かった人たちの助かった理由やその後の避難生活に影響を及ぼした様々なことが浮き彫りになってきました。
様々なエピソードが伝えられており、私たちはそこから学ぶべきと考えます。
先ず『減災』という言葉、考え方が生まれました。端的にいえば『死なない』ということです。発災の瞬間に生死の分かれ目があり、生きるための、命を確保するための対応訓練に主眼を置くべきなのですが、現行の訓練をみると避難場所への避難訓練、炊飯訓練など、生き延びた人が生き残るための訓練を中心に行っていて、減災の目的から大きくかけ離れていると感じます。その様子は訓練の時に行われている『点呼』に表れています。点呼の場にいる人は助かった人であり、おにぎりの数なのです。点呼の場にいない人が問題でして、死んでいるのか他に避難したのかを把握することが必要になりますが、現在行われている訓練では、いない人へのそこにいない理由が配慮されてないと思います。
ただし、自治会や事業所に責任があるのではなく個人一人ひとりがどうするのかということです。と、問題を提起したいのです。自分の命を『助けてくれる』のは他人ですが自分の命を『守る』のは自分自身です。
ほんとうの『自助』は共助の前に有って誰からも支援のない『孤立無援』の状態から考えなければならないと思うのです。自分の命は自分自身で守る、次にお互いに助け合う『共助』に移行することを認識しましょう。
自助の典型は、地名の『親不知子知(おやしらずこしらず)』ですし、最近注目されている『つなみてんでんこ』です。
安否を左右するのは災害発生時の瞬間の自己行動です。自分だけの極限の孤独状態です。誰からも助けがない状態での身構え、対処が求められます。
緊急地震速報は外れる、空振りという批判もありますが練習材料として活用しましょう。緊急地震速報は地震の予知ではありません。既に発生した大地震を警告するものです。そのときは、家族そろって正しく活用できるようになりましょう。
わずかな望みとして警報等の直前情報ですが、緊急地震速報や災害伝言ダイヤル117が各地で有効であったとの話がある中で、実は役に立たなかった失敗談も数多くあります。それは117の使い方を自分だけが知っていて家族が知らなかったために役立たなかった、一方通行状態だったというものです。
次回、NHK、『緊急地震警報』に気をつけよう。