NHK、特別警報に関するアンケート雑感 その2

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一

 特別警報に対する国民の意識と所管する行政の思惑とがかけ離れていることは先の号で記しました。NHKのアンケートでは76パーセントの人たちは 、いまだに、もっと具体的な指示が欲しいと述べています。差し迫った状態の中で個々に対応する具体状況を満足させる放送は不可能であり、ありえないことと思います。依存症候からの脱却が自分と家族の命を守るために必要だということを認識しましょう。

 特別警報は危険が差し迫ってしまった状況で発表されるもので、その前の気象等の予報、警報・注意報の段階で留意されることが危機管理の鉄則になります。
政府もNHKもその点に配慮した解説や発表時の注意点などを盛り込むとしていますので今後すっきりしそうです。が、いざとなると認識不足の人が被害に遭い、また蒸し返しになりそうなことを懸念します。

 災害(事故・事件も含め)避難は、行政にまかせるだけではだめで個人の自己判断・自己完結・自己責任が必要になってきます。行政は個人が考え判断できるよう正しい情報を提示しなければなりません。
またそのためには行政や伝達機関の役割と限界を明確に示すべきでしょう。特別警報が発表されなかったから自治体の長は避難指示を出せなかったとか、人命にかかわるような被害がすでに発生しているにもかかわらず避難指示(しなさい)ではなく避難勧告(したほうが良い)とか行政職員の不適切行為も目に付きます。さらに、命を守る目的の避難であるはずが避難後の食料や寝具が十分ではないので避難指示ができないと表明する自治体もありました。

 特別警報の意義を再確認すると同時にこの点も考えましょう。特別警報は、「これが、最後通告です。とるものもとりあえず避難せよ、以降はご自分で・・・。」と私は理解しています。
風水害等の際に発表される特別警報は『即応避難』が必要で、私はもう少し厳しく『手遅れ』と認識しています。避難指示は『いっとき避難』です。寝具が無くて寒くても、飲食物が無くてひもじくても命が助かればコレ幸いです。
早めの避難をして何もおきなければ『何も無くてよかった』『無事でよかった』の風土をはぐくもうではありませんか。

 近い将来には、竜巻や降雹(ひょう)、落雷、局地猛雨などに緊急気象速報(仮称)が出せそうだと専門家は述べています。特別警報や緊急地震速報そしてこの緊急気象速報などが生かされるかどうかは私たち自身、個人の気持ちの中にあることを認識しましょう。


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