人口2050年問題、災ボラ人材の枯渇を憂慮する

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一

 東日本大震災における私たち災ボラの活動は被災当初、国民総力を挙げての心強いものがありました。現地社協の役員や災ボラ事務局の人たちからは、有りがたいことではあるけれど来年再来年の冷えを心配している。と予測していました。本欄でも幾度かこのことを書きました。今やその心配が現実となっていて平日に市外県外からのボランティアの姿を見ることはできません。社協への申し出もほとんどなくなってしまったようです。それどころか批判勢力(意識的ではないかもしれませんが)被災地支援を直接的間接的に妨げているようなことも発生しています。
 被災地へ直接行くことができなくても被災地の産品を積極的に購入し消費することもボランタリーシップとの意識も有りましたが今は薄れつつあります。
一例ですが農産物や海産物などの食材が利用されない、それどころか明確に拒否されてしまうという現象は根強く続いています。東北3県のみならず、周辺県や関東地方までが影響を受けています。原発事故が理由とは言え被災県の復興に大きく悪影響を与えています。
 人口2050年代問題とは、このまま非婚や少子化が進めば人口や経済力が著しく減少するという推計ですが限界集落問題とともに我が国が直ちにとりかからなければならない課題だと思います。
 これからの大災害時のボランティアは人材の枯渇により『ボランティア』が死語的状態になってしまうのではないかと考えるのは杞憂でしょうか。オリンピック事業ではすでに人材不足が問題になっていますが大災害時ボラにも同じことが起きる可能性は今日的課題だと思います。東日本大震災時、自治体は担当市町村を調整し合って支援の重複や空白をなくすよう努力をしました。ボランティア活動にも全国規模の活動を調整する中枢機関が有ってもよいのではないかと思います。
 首都圏直下地震で心配しなければならないのはボランティア力が圧倒的に不足するのだろうと考えます。関東大震災の時も「東京全滅、東京を救え」との掛け声で救援隊やボランティアは横浜を横目に見て通り過ぎて行ったということです。有効なボランティア活動について考えなければならい時代になります。
 東日本大震災が4年目に入った今、現地に赴くボラはほとんどいなくなりました。と書きましたが、ニーズが無くなっているのも事実です。窓口も少なくなりました。しかし、震災孤児・高齢者福祉・メンタル被害者などへの支援はまだまだ継続が必要ですが専門性が高いので直接活動は難しいですね。私は、せめて気持ちの在り方や経済支援など精神的なボラができればと心がけています。


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