2014年が終わり巨大地震が一年近づく

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一

 今年も災害は様々な顔を見せながら多くの命を奪っていきました。悔しいことですが原因は、危機管理や住民の安全を確保する行政の責任であったり、住民自身の安全意識の欠如であったりでしたが、今年の災害は、天災であるとか、想定外であるとか、未曾有とかの言葉を聴かなかったことが過去の被害とは異なる点として気になっているところです。

 今年の多くの災害では、行政機関の失策が指摘され、首長のお詫び会見が目立ちました。過去の大被害により関係法令が制定されていたり、ハザードマップが作成され、公開されるようになっていたり、防災計画が策定されていたり、自主防災組織再組織が90数パーセントの結成率であったりと、災害を相手に戦う制度はできているのになぜこんなことになってしまったのでしょうか。

 私は、天災ではなく人災であるとしたら、法的責任が生じるのではないかと思うのですがいかがでしょう。被害を受けた方たちの自己責任を論ずると私の周辺は炎上するのですが、あえて書かせていただくと危機回避は自衛本能に基づく行動であり、他からの影響は受けないものと考えます。避難指示などの情報を待つことはあっても、そのときが迫ったら自己判断による自己責任の行動力が必要になると思います。

 この自己防衛力が自助力だと信じております。そのとき、『瞬時判断』『状況即応』『臨機応変』のとっさの判断、とっさの行動が求められます。
「おきて欲しくないことは意に反しておきる【マーフィーの法則】」や「ひとつの大事故の陰に30の中事故があり、900のヒヤリ・ハッとが潜んでいる【ハインリッヒの法則】」など危機回避のための名言があります。

 行政の失策の責任を人災というのは簡単ですが、わびてもらっても被害が元に戻ることはないし、亡くなった人が帰ってくることも無し、只、同じ過ちを将来起こして欲しくない。このことは、東日本大震災で大切な家族を行政の失策でなくした人たちが心から願っていることです。普段信頼している者から自己防衛の判断を阻まれた結果の生命喪失の被害はさぞかし無念であったろうと心が痛みます。

 昨年から今年にかけての土砂災害では、降雨が強くなってからの避難情報はパニックや二次被害をもたらすとして、避難指示の出し遅れが目立ちました。以来、避難勧告や指示が早めに出されるようになりましたが避難所が施錠されたままとか避難所を指定しないなど、乱発や出しっぱなしもあったと聞きました。

 来年は防災上、どのような年になるのでしょうか。来るべき巨大地震に実質的な防災理論を構築し、そうして実践しましょう。

 「天は自ら助くるものを助く【サミュエル・スマイルズ】」


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