異常気象と俄か豪雪と孤立事故を考えるく

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一

 昨年は近海の海面温度が高まり水蒸気が大量に発生した上、上空の寒気が深く入り込んでその結果、豪雨災害が多発しました。気圧の高低差も大きく関連の気象災害の発生も特異な状況になりました。冬になっても海水温と強い寒気の特異な状況は続き大雨が大雪にとって変わり、また、従来は降雪のない地域でもゲリラ的に北国並みの降雪により大混乱をもたらしています。四国の山間部の大雪や名阪高速道路の積雪立ち往生など雪害の経験のない人たちが困惑していました。特に四国では高齢者の生活が交通途絶・ライフラインの途絶により医療・福祉がマヒ状態になり関係者をあわてさせました。特徴的なこととして情報途絶が挙げられました。四国、特に徳島県では全戸がIP電話を利用している地域があり、停電によるダウンによって情報から隔絶されました。これからの新しい懸念事項になると思います。

 さて、道路交通については、昨年の大雪では沿線のコンビニが飲食の差し入れをしてくれましたが今回は奥深い山の中で人々は心細さを口にしていました。

 2011年のコラムで友人が震災ボラ活動の帰途、福島県の山中にガス欠車を置いてヒッチハイクで帰浜し、その後自分の車の置き場所が分からなくなり車を発見するまで1ヶ月近く要したことを書きました。彼が、そのとき今冬のような大雪であったなら命を落としたかもしれないと恐怖に震えておりました。

 冬の車両利用の心構えとして『日常』が『非日常』にドンデン返しになる最悪を考えて心積もりすることを提言します。気象条件次第で関東地方も例年にない雪国状態になることを想定しましょう。

 まず服装ですが、車内に準備する物は、防寒着、長靴、手袋、雨着、毛布、など、 耐寒策を、次に装備としては、スコップ、携帯電灯(予備電池も)、携帯トイレ、飲料水、携帯食料、懐炉などを常備品として積載しておきましょう。私は雪氷対策として古毛布を何枚か積んでいます。これは雪道での脱輪などからの脱出時に滑り止めとしてタイヤと地面の間にかませるものです。予備燃料もあると良いのですが必ず規格適合の金属缶を使用しなければなりません。雪に埋もれた場合排気ガスによる一酸化炭素中毒にも気をつけましょう。主要道路外の遭難は毛布(赤・橙・黄色が有効)を屋根に貼り付けてヘリ捜索に目立つようにしましょう。

 先年、北海道で室内の服装で子どもを迎えに行き雪に阻まれ車から避難しようとした親子のうち父親が子どもをかばいながら凍死した事故がありました。北海道人としてはありえない事故と思いましたが残念なことでした。「近くても暖かくても日中でも、冬は冬」と仕付けられた子どものころを思い出しました。


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