保土ケ谷区防災出前講座実施に期待すること

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 委員 佐藤榮一

 保土ケ谷区は、平成26年度事業として防災・減災出前講座を全単位自治会町内会を対象に実施する計画を策定し希望自治会等には講師を派遣しています。
講座を実施するに当たり、講師陣として我ら保土ケ谷災ボラが務めることにし、協力体制を固めました。私は防災アドバイザーとして常々「無関心の人が無関心のゆえに最悪の被害をこうむる」それが災害被害です。と説いてきました。つまり、防災に興味を持って防災研修会に出席し、防災訓練に参加し、そして家族や知人に啓発を促す。そのことが自分の被害を軽減し地域の被害を最小限にすることができるのです。とも・・・。

 減災を一言で表すと『死なない』です。
私は、各地で講演をして年間で何人の人が聴講してくれるだろうかとカウントしていますがおおむね2千人〜3千人です。多くの人々に自助の大切さに気づいて欲しいことが私の望みです。この保土ケ谷区の事業で区民の多くが自助共助に気づいて自己安全確保ができ、減災効果として公助の目的を達成できると思うのです。

 昨年の災害被害は行政のエラーが招いた人災的被害であると伝えられております。またある被害地域の第三者委員会は自助共助意識の不足も指摘しています。そこから自治会未加入者の問題、自主防災組織再組織の形骸化など迅速に活動できなかったことが被害を拡大したとも伝えられています。ここで私たちの状況を振り返ってみましょう。町の防災組織名簿や防災拠点名簿は、自治会町内会名簿を流用していませんか?発災時、今そこに居ない人が問題なのです。生死不明、所在不明者を速やかに確認できる体制を構築しましょう。区政が与えてくれた折角の機会を積極的に活用して町内会未加入者を誘って聴講して自治会町内会の存在価値を示して欲しいと思っています。この出前講座の制度を新年度も続けてくれれば良いなと希望しております。加えて、私の知る限りでは18区初めて唯一であろうと思います。市全体でのスタートとして区長はじめ職員の皆さんに敬意を表しつつ拡大発展を期してエールを送ります。

 私事ですが、昨年3月に横浜ビジネスパークの勤務を終えてサラリーマン生活に終止符を打ちました。これからも『自称、"名誉"保土ケ谷区民』として災ボラ活動を継続してまいりたいと老骨に鞭打つ所存です。よろしくお願いします。というより『お許しください』というべきでしょうか。今後は辻説法的に減災啓発活動を続けてまいります。また新たに桐蔭横浜大学法学部において、2年生に2単位分のリスク管理学の講師を嘱託されたので2年目となる新年度も若者たちと共に学ぼうと思っています。


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