災害時のFM放送局の役割と有効性

 保土ケ谷災害ボランティアネットワーク副代表の川名です。私は、旧くぬぎ台小学校地域防災拠点で副会長をしています。13年前より拠点に係わり主に情報班で活動をしています。現在拠点訓練では7年前よりFM放送を運用しています。東日本大震災の2年前です。FM放送を思いついたのは、情報伝達方法を考えている時でした。地域住民、避難者、拠点委員、ボランティアなど関係者など避難所にいる人にどのように情報を正確に伝えるかでした。避難所では混乱が予想されます、なぜ混乱が発生するのか?正確な情報が伝わらない事が原因ではないかと思います。避難所で情報を伝えるには幾つかの方法があります。校内放送を使う、無線機を使う、掲示板を使用する、直接伝えるなど・・・
昼間なら校内放送で伝えられても夜間を考えると寝ている人もいます 無線機では多くの無線機が必要で持ってない人には伝わりません、掲示板ではみんながそこへ見に行かなければいけません。FM放送なら夜間でも起きている人だけに、容易に入手出来るFMラジオを持っていれば誰でも情報を得ることが出来ます。拠点本部側としてもリアルタイムに正確に情報を伝える事が出来ます。災害物資などが配給する際も混乱は避けられるのではないのでしょうか。

 では、実際に拠点でFM放送を運用するには、いろいろなハードルは有ります。
FM放送には電波法による無線局免許や無線技士が必要ですが、私が運用しているFM放送は、電波法に抵触しない微弱な電波での運用です。これには無線局免許や無線技士は必要ありません 最近では、車載用で売られているFMトランスミッターもこれと同じです。微弱電波を使うFM送信機には数千円の安価な物から十数万円するものまで存在します。私が使用しているものは2万円程度の物です。オーディオが好きな方なら配線はそう難しい物ではありませんし、アマチュア無線をやっている方なら簡単に出来る事でしょう。運用は校内放送を行うのと変らず難しくありません。

 実際、東日本大震災でも地域のコミュニティFM局を中心に24の臨時災害放送局が開設され地域の情報発信基地として貴重な役割を果たしました。

 既存のメイン放送局(TV、AM、FM)では大きな範囲での情報発信、コミュニティ放送局では市区単位での情報発信 今回書かせて戴いた拠点単位のFM放送ではもっと身近な情報発信が出来るアイテムであると思います。ハードルはまだまだ高いとは思いますが、地元発信FM局が数多く出来る良いなと思います。また、この様なFM局を安易に運用できる法整備をして貰いたいと思います。


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