熊本訪問報告

 2016年5月21日〜5月22日の2日間、熊本地震により被災された事業所等の訪問に行ってきました

 1日目は熊本県上益城群御船町の御舟町社会福祉協議会に訪問しました。この御船町社協では、御船町にて生活されている方で障害者手帳を持っている方の安否確認を行っていました。しかし、現地の社協職員は災害ボランティアの手配等に人手がさかれてしまい、実際に安否確認を取り仕切っているのは、他県のNPO法人の職員の方でした。安否確認では約700人の方へ個別訪問をされたそうです(この個別訪問はNPOの職員の方だけではなく、他の地域から応援に来てくれた障害関連事業所の職員の方も協力していました)。安否確認のお話しを聞いた後は、御船町の社協の近くにある福祉避難所に訪問してきました。この福祉避難所は横浜の特別避難場所のように事前に行政と協定を結んでいるのではなく、震災後、自宅で過ごせない高齢者の方がいるとわかり、普段は近くにある恐竜博物館に見学に来た小学生達の休憩所になっている施設を、急遽、福祉避難所として開設したそうです。この福祉避難所では町の保健師さんが中心となり支援されていて、ボランティアさんも数名いらっしゃいました。

 2日目は、大津町にある「障がい者支援施設三気(さんき)の里」に訪問してきました(「三気」の意味は「のん気」、「こん気」、「元気」の三つの気)。この施設では知的に障がいのある方が多く利用していますが、震災ではパニックになる方も少なく直後の避難も特に問題なかったとの事でした。また、震災直後は入所の方もグループホームの方も大部屋にて皆で寝ていたそうです。なお、現在、3箇所あるグループホームの内2箇所が被災してしまい利用ができなくなっていました。

 次に、益城町にある「そよかぜ福祉作業所」に訪問してきました。理事長は炊き出しボラティアグループ九州ラーメン党の運営もしています。この「そよかぜ福祉作業所」の利用者は普段から役所等でパンの販売をしていた事もあり、地域の皆さんと顔見知りだったため、震災後の避難所での生活は特に問題なく過ごせていたとの事でした。現在の課題はこの「そよかぜ福祉作業所」を移転しなくてはならなくなり、その資金集めと利用者の仕事作りだとおっしゃっていました。

 2日間という短い期間でしたが、直接お話を聞かせて頂き、さまざまな現実が分かりました。また、今回、「つながり」を持てた事業所の応援はもちろんの事、ここで学んだ事を横浜で生かさなくてはいけないと改めて思いました。最後に、「ネットワークはライフライン」という言葉で報告を終わります。


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