北海道地震 地震後現れた新たな被害
ブラックアウトと災害弱者
保土ケ谷区災害ボンティアネットワーク 委員 佐藤榮一
今回の北海道地震では北海道全域に及ぶ停電が注目されている。停電は地震被害なのか、単なる事故なのか、今回も各分野のご都合主義的な解釈が飛び交い始めた。今回もと言うのは福島第1原発が事故なのか災害なのか、いまだに明確にされてない。個人の被害に対しては『天災論』的解釈がなされ、人生の滅失は自己責任が課せられてきている。北海道の停電『ブラックアウト』も天災だからと、諦観で決着しようとしていることに違和感を覚える。
今回、地震動による被害の無い地域の行政機関は「被害無し」としたのであるが、停電を被害原因とする酪農・漁業・食品加工・流通業などは激しく反発している。当初から、私は、停電は被害の一端であると考えてきた。それは在宅療養児(者)の被害を懸念してきたからであるが、電動医療機器を使用している障害者にとって電気は絶対不可欠のライフラインである。NHKラジオによると、在宅療養児(者)の救急搬送は、171人、自家用車利用の病院駆け込みは、140人であったとのこと。そのうち一人は死亡し、一人は、6時間後にようやく入院することができ命拾いをしている。この約300件の救急事案はボラネットが生かされれば、と考えられる事案であった。災害時要援護者の要援護とは、その求められる活動が多岐にわたり、正にこのときがそうであったろうと思われる。しかし、北海道の厚真町の死者発生により、被災者の気持ちを慮り、ほぼ全域でボラ活動は遠慮されたいとの見解を表明していた。
時間との戦い、人手不足の焦燥感を強いられる災害時要援護者に対する支援ができる災ボラネットワークの構築が求められる。保土ヶ谷区災害ボランティアネットワークとしては、早坂委員がかかわっている『障害者自立支援活動』検討会の成果が期待される。