ちょっと違うぞ その防災知識 [その1]
保土ケ谷区災害ボンティアネットワーク 委員 佐藤榮一
1月17日、3月11日の近辺ではテレビ・ラジオ・新聞は災害関連のニュースやアドバイス番組が目白押しで報道される。
今年になって気づいたことがある。それは、ゲストコメンテーターが世代変わりして来たことである。顔なじみの諸氏には私と同様に高齢化の波が押し寄せてきたのかと感じる。若いエネルギーが注がれるのは大賛成であるが、ここ半年の災害評論やアドバイスには首をかしげるものが多くなってきたことを懸念する。
ニュースならばともかくとしてプロデューサーが介在した企画番組で、練り上げた番組に発生していることが気になるのである。
少し例を挙げると「災害に備えて風呂の水を溜めてはいけない。間違いです。」 「なぜならば、ウィルスが増加して飲むと感染症に侵され危険です。」というものです。私は、約50年、ふろの残り湯は消火用水あるいはトイレ用の生活用水として捨てないようにと啓発してきた。特に地震時の初期消火には消火器と同等の、あるいはそれ以上の効果を発揮するものとして強く奨励してきた。
飲料水として溜めるようにとは一度も言ってこなかった。今回、飲料として不適だといわれて「当たり前だ。」という思いと「何を言いたいのか」、一瞬、頭の中が混乱してしまう状態になった。案の定、翌日には問い合わせや、納得できない旨の通報や連絡をいただいた。民間のライセンス資格者がテレビの人気番組で言うと真実風になり多くの人が信じていくだろうことが怖いと感じた。
もう一つは、住居メンテナンス用のガスボンベを屋内で放出させ大爆発事故を起こしたことを報道バラエティーで取り上げた番組で、エキスパートの教授がいつもの辛口で的確な発言をしないなと感じていたら番組の最後に彼が「これだけは言わせろ。」と生活常識の欠如・大人の常識の欠落の旨を主張し始めた。MCは、「(カンペに)書いてある以外は言わないでください。」と制したが教授は「これを言わなければ今日の俺の責任は果たせん。(要旨)」と言って、逃げるカメラの先に行き、走りながら画面の中で主張していた。このような大物教授でもテレビ局に言わされることがあるのかと お寒い気持ちにさせられた。
誤ったことが続くとは思っていないが、心を引き締めて対処しなければ市民を守れないと感じているところである。