ちょっと違うぞ その防災知識 [その2]

保土ケ谷区災害ボンティアネットワーク 委員 佐藤榮一 

 前回は、1月17日、3月11日の近辺ではテレビ・ラジオ・新聞は災害関連のニュースやアドバイス番組が目白押しで報道され、「ふろの水をためてはいけない。」と「小型ガス容器の爆発・火災」についての報道の在り方について懸念を示したが、さらにその後、「ペット避難についての取り組み」を紹介したラジオ番組ではペットを連れて避難できる避難所を運営する取り組みが紹介された。これも背景には多数決で決したようなニュアンスを感じた。番組の中で、ペットが避難所の居住スペースの中で同居できるのか、あるいは飼育エリアを別に設けるのかは明らかではなかったが、飼育エリアを校舎敷地内に別途設定するなら従来通りのことなので特集するほどのことではないだろうと思った。
私は、間違っていたり、あるいは誤解を与えるような報道はあってはならないと思っているが、安い小型ラジオで仕事中に聞き流しているラジオ放送だったので局名・番組名が不明で無責任発言のそしりを受けることは否めないが、これからはしっかりと出典根拠として記録しなければならないと肝に銘じたところである。

この番組ではないが、ある集会では、ペット犬は家族の一員だとしつつも、盲導犬が施設内に入ることを忌避したり、盲導犬が良いのならセラピー犬もよいだろうと主張する愛犬家など、災害避難の意識が高まるとともにペットの同行避難についても意見は炎上するだろうと懸念する記事は増えている。

テレビ、ラジオ、新聞に携わるジャーナリストは、冷静に的確に正しい災害危機回避の知識啓発を行ってほしいものだとお願いする。また市民の皆さんもなぜそうなのか考えながらアレルーギー症などの災害弱者を思いやろうではありませんか。

ペットの避難については理想的と感じている体験をしたので紹介する。

北海道の有珠岳の噴火災害時にボランティアがペット避難所を開設してペット所有者や避難者からも喜ばれペット達も普段より元気に幸福そうだったことを思い出した。質の良いケージが準備され、広いドッグランヤードも設けられていた。

二、三十頭の犬たちがコミュニティーを形成し仲良く暮らしており、夜間も落ち着いてケージに収まっていたのが印象的だった。

前回、今回、自分が行っている市民防災教育や大学教育などの啓発活動はどうなのかと顧みて、深い洞察と識見が大切だと認識を新たにした。