12月の解説

「総合的な震災対策の考え方について 〜防災対策」

今回は5月に横浜市が定めた「総合的な震災対策の考え方」から「経済対策」の現状と課題についてご案内いたします。

ア 中小企業を中心とした市内経済への影響に対する取組
(1) 緊急調査や関係団体との意見交換による実態把握

・発災直後の混乱等が一定程度収まった時点の市内企業の経営への影響や課題などを把握します。
・中小製造業技術実態調査の追跡調査を実施し、今後の課題や行政への支援要望などを把握します。
・観光・MICE 分野、港湾分野における関係団体との意見交換を引き続き実施します。

(2) 震災により影響を受けた市内中小企業の経営支援

・「緊急特別相談窓口」を設置(3 月14 日)し、震災の影響による経営課題や資金繰りの相談に迅速に対応していきます。
・震災により直接・間接の被害を受け、売上の落ち込みが特に大きい市内中小企業を支援するため、「震災対策特別資金」を創設(4月1 日)することに加え、国の新たな保証制度に対応した資金を創設し、融資枠を拡大します。
・原料・部品等の調達が困難となっている市内中小企業に対し、代替品の調達先(連携先企業)等を紹介します。
  ・BCP(事業継続計画)立案を促進するためのセミナーや専門家による個別アドバイスを拡充します。
・民間建築物の耐震改修工事の促進へ向けた啓発・誘導や狭あい道路拡幅整備事業の推進、市内道路等補修や公共施設の耐震対策など、市内企業の受注量の安定に向けた取組を実施します。
・市内に避難している被災者の方を対象として、市内企業の求人とのマッチングを実施(4 月13 日から)します。

(3) 電力制限への対応

・震災後の電力使用抑制に伴う省エネ(CO2削減に資する)設備等の導入を図る中小製造業に対して、助成を実施(5 月10 日から)します。
・市内企業を対象とした省エネ対策セミナーの前倒し実施に加え、省エネルギーの専門家による派遣相談を実施します。

(4) 自粛ムードの広がりなど消費者マインドの低下への対応

・震災で落ち込んだ観光需要を喚起するため、観光客増加やプロモーションにつながる「観光需要喚起認定事業」を広く募集し、助成を行います。
・商店街でのイベントや「横浜“震災復興支援”150 円商店街」実施時に、被災地の産品の販売等を実施します。

(5)風評被害に対する「横浜の安全と元気」のアピール

・市内に進出した企業や今後進出する可能性のある企業のほか、修学旅行の目的地と考えている学校等、多くの方々に、横浜の安全性に関する正確な情報の提供等を行います。
・企業の進出先、観光・MICE の目的地、外航船の寄港地として、横浜を選んでいただけるよう、海外へ市長がトップセールスを行うとともに、あらゆる機会を通じ、「横浜の安全と元気」をアピールします。

次回は「総合的な震災対策についての考え方について〜経済対策の施策A」についてご案内いたします。