3月の解説

「総合的な震災対策の考え方について 〜市民生活対策」

今回は昨年5月に横浜市が定めた「総合的な震災対策の考え方」から「市民生活対策」についてご案内いたします。

23年度に取り組む主な施策

ア暑さ・電力不足に負けない生活の工夫
(1)夏の電力不足対策
・夏の電力不足に対処するため、市民・企業・行政が一丸となって、最大使用電力の削減(▲15%)に取り組みます。本市の施設においても最大使用電力削減目標を設定し、市庁舎、区庁舎等で節電に取り組むとともに、地区センターなど一部の市民利用施設において輪番休館(平日週1 日休館)を行うなど、全市的な対応策を実施します。
・電力が緊急に逼迫した場合、携帯電話のエリアメール等を活用して市民に節電を呼びかけ、大規模停電を回避するような行動につなげます。
・ごみの焼却工場において、電力消費のピークになる時間帯に焼却量を増加し、発電量を増やします。

(2)市民・企業一体となったキャンペーンの実施
・節電キャンペーンとして、広域的な連携により、ネオンや自動販売機の電力を落とすなど、企業・家庭での「節電チャレンジ」等を実施します。
・市から発送する通知書等に熱中症対策・節電等の啓発チラシを同封し、効果的に情報を発信します。
(3)突発的な停電対策や省電力化対策
・停電時においても、区役所の窓口サービスに必要な電源を確保するため、全区庁舎の非常用電源を整備します。
・熱中症対策のマニュアルを作成する等、停電や冷房が十分に使えない状況を想定した高齢者施設・障害者施設等の運営を進めます。
・消費電力削減に向けた照明のLED 化など、公共施設の省エネルギー対策を実施します。

イ震災がもたらした不安・課題を乗り越える取組
(1)市民の安全のための放射線対策
・環境監視センターにおける大気中の放射線量の測定に加え、衛生研究所及び中央卸売市場(本場、南部、食肉)への放射線測定機器整備により、「放射線検査体制」の強化及び検査情報を迅速に市民に伝える仕組みを構築するとともに、横浜で流通する食品の安全性をPR します。
(2)恐怖心が払しょくできず、精神的に追い込まれる子どもの心のケア ・学校・保育所・区役所等での職員・カウンセラー等による、心のケアの実施や、精神科医等の専門家による保育士・教職員へのサポートを実施します。
(3)子どもの防災意識の向上・安全教育(防災)の取組事例を各小中学校へ発信することで、児童生徒の防災意識の向上を図ります。
(4)情報弱者への情報提供体制の整備
・横浜市国際交流協会(YOKE)との連携による「外国人震災時情報センター」の設置など、情報がどなたにでも提供できるような体制整備を進めます。
(5)風評被害への対応や被災者をあたたかく迎える意識の醸成
・人権擁護の観点から、ホームページ、イベント等で啓発活動を実施します。
・被災により避難してきた子どもを受け入れるにあたっての配慮の徹底による、子どもたちの心のケアと二次被害の防止に取り組みます。

ウ中期的視点で取り組む施策
(1)省エネや温暖化対策を意識したライフスタイルへの転換
・リデュースの取組をはじめとした3R行動の推進など、環境に配慮したライフスタイルの啓発を行い、転換を図ります。
・省エネ性能の高い新築住宅に対する都市計画税の軽減を検討するほか、モデル住宅を活用して、住まい方も含めた省エネ対策について、市民への普及啓発を図ります。
(2)自力での避難が困難な方に対する支援の強化など、つながりの醸成に向けた取組
・地域防災拠点訓練の中で、要援護者支援のための実践的訓練を実施するなど、自力での避難が困難な方への支援を強化します。
・民生委員やボランティア、ケースワーカーなど様々な主体が連携し、高齢者や要援護者の見守り活動の充実を図ります。

以上で「総合的な震災対策についての考え方について」は終了となります。