5月の解説

地域の力で災害対応活動を行いましょう

 発災後自らの安全を確認した後、町の防災組織や地域防災拠点運営委員会を中心に地域で災害対応活動を行います。

(1) 情報収集

 死傷者の人数や建物の破壊状況、火災発生の有無などの情報を収集し、初期消火や救助・救出などを行います。

 なお、収集した情報は地域防災拠点に設置してあるデジタル移動無線などを活用して保土ケ谷区役所に設置する保土ケ谷区災害対策本部(以下、この章で「区本部」といいます。)に連絡します。

 デジタル移動無線の使い方は43ページを参照してください。

(2) 初期消火

 地震による被害を大きくする要因が火災の延焼拡大です。
 火災が発生した場合は、初期のうちに消し止めましょう。

【初期消火活動の要点】

@ 火災を発見したら大声で近隣の人に知らせる。

A 各住宅に備えてある消火器を持ち寄り初期消火を行う。

B 延焼拡大した場合は、無理をせず避難する。

C 消防署や消防団が到着したらその指示に従う

(3) 災害時要援護者の避難と援護対策

 高齢者、障害者等の被災状況を迅速かつ的確に把握し、避難誘導、救出救護等を実施します。

【地域等の役割の要点】

@ 地域防災拠点運営委員会及び町の防災組織等の自主防災組織は、地域の助け合いを基本として、地域ぐるみで震災から災害時要援護者を守るため、自治会・町内会、民生委員・児童委員、保健活動推進員等地域関係者及び地域住民と連携して安否確認、避難支援等その他必要な援護を行う。

A 地域の連帯という観点から主体的に災害時要援護者の支援に取り組む。

B 行政、関係団体等と相互に連携協力して、災害時要援護者の援護を行う。

C 地域防災拠点管理運営委員会は、区で保管している在宅要援護者名簿を活用し、区本部拠点班、地域の自主防災組織等と連携しながら、在宅要援護者の安否確認、状況把握を行う。

(4) 救助・救出

 倒壊建物や倒れた家具にはさまれている人を救出します。長時間にわたって内臓を圧迫された場合、救出しても生存率が低くなるので、迅速な救出が必要です。

 救出には、地域防災拠点に備蓄されている救助資機材(レスキュージャッキ、エンジンカッター、バール等)や町の防災組織で備蓄している資機材を活用します。

【救助・救出活動の要点】

@ 自分の安全が確認できたら、家族や隣人の安否確認を行う。

A 大声で呼びかけ、救出が必要な人の場所を特定する。

B 居場所を確認したら、救出するための人を集める。

C 地域防災拠点などに備蓄してある資機材のほか、のこぎりやロープ、車のジャッキなどを活用し救出する。

D 近隣の人だけで救出が不可能な場合は消防署や区本部に通報する。

(5) 応急手当

 軽度の負傷者は三角巾などで応急手当をした後、診療可能な診療所や地域防災拠点へ搬送します。

 地域防災拠点では医師、看護職などによる医療救護隊によりトリアージや軽傷者に対する応急手当を行い、中等傷者や重傷者は災害時救急病院や災害拠点病院に搬送します。

 地域防災拠点には、応急手当用品(消毒液、包帯、絆創膏等)を配備します。

【応急手当の要点】

@ 負傷者を発見したら、負傷部分を三角巾などで応急手当する。

A 診療可能な診療所や地域防災拠点に搬送する。

B トリアージの結果、更に治療が必要な中等傷者や重傷者は、災害時救急病院や災害拠点病院に搬送する。

≪ミニ情報≫

【トリアージとは】

 人材・資源の制約の著しい災害医療において、最善の救命効果を得るために、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定することをいいます。語源はフランス語の「triage(選別)」から来ています。

(6) 遺体の取扱い

 遺体を発見した場合は、警察署か付近の警察官、又は区本部に通報し、遺体の安置所への搬送、遺体の身元確認や身元引受人の発見などに協力します。

 遺体安置所は、保土ケ谷スポーツセンターを予定しています。

保土ケ谷区の危機管理計画については以下のホームページでご覧いただけます。