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今月の表紙 南海トラフ巨大地震に思う その2

保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク 副代表 飯島 一彦

区災ボラ活動記録写真
区災ボラ活動記録写真

真夏の線香花火みたいに5月29日の新聞報道以来、南海トラフ巨大地震についての報道が途絶えています。そのわけはともかく東日本大震災で体験した様々な事柄について、南海トラフ巨大地震対策の最終報告書には具体策が盛り込まれています。そのいくつかをみていきます。

(1)避難所が大幅に不足するため、利用者に優先順序をつける「避難所トリアージ」という対策を打ち出し、軽微な被災者は「在宅で」と呼びかけています。

(2)首都圏では、東日本大震災の際にも大混雑を招いた「帰宅困難者」への対策に各自治体が取り組みはじめ、都内の高校では「宿泊防災訓練」が実施され成果をあげています。

(3)事業継続への対策強化は「備え」として、NTTドコモは、震度7以上の揺れに備えた耐震ビルに災害時専用の基地局を全国104か所に設置し、自家発電装置も併設して被災時でも携帯電話による通信ができるようにします。「リスク分散」としては、ある電機製作所で部品を複数の取引先から調達している。工場から離れたメーカーとの取引にはコストがかかるが、緊急時の生産をどう維持するかを優先しているためだとしています。

それぞれの対策が実施され、日常的な防災訓練時に取り入れることによって「減災」への効果が期待されます。