今月の表紙 "目黒巻って何?"
取材:災ボラ委員 佐々木 安恵
9月21日(土)保土ケ谷消防署主催の平成25年 家庭防災員地震風水害研修「目黒巻」の図上研修に参加しました。
皆さんは「目黒巻」という響きからどのようなものを想像しますか?なんとなく、海苔巻きのような何か、と思いませんか?実は、東京大学生産技術研究所の目黒教授が発案し、普及を進めているもので、目黒教授の名前から「目黒巻」と呼ばれています。
家庭防災員の訓練、地域防災拠点訓練、自治会の防災訓練、区災害ボランティアネットワークの防災訓練・研修などで、DIG、HUGといった集団で対応するための図上訓練は、今までも適宜実施されてきました。
「目黒巻」は一人ひとりが、災害に出会った自分を考え、 秒単位、分単位、あるいは1年先、3年先というように、発災前後からの災害状況と自分の行動をイメージし、細長い帯状の紙に、書き込みをするものです。
「目黒巻」帯状シートの一部
例えば・・・【発生直後から10分の間】
最初に自分は、何をするだろうかと考える。=> 身の安全の確保=テーブルの下にもぐる。
身の安全を守るにはどうしたらよいだろうと考える。=> 揺れのおさまるのを待って避難用の出入り口を確保する。
その時、自分はパジャマ姿。さてどうするかと考える。=> 着替えはしない。先に枕元にあるラジオで情報を確認する。など、時系列でイメージして、書き込んでいきます。つまり自分自身の想像力をたかめるための訓練なのです。
上記の例のように、時間を決めて書き込みをすすめていきます。その後、他の人の書きこみの内容を聞くと、参考になること、意外なことの発見があります。靴はどのタイミングで履くの?ヘルメットはどのタイミングで被るの?など、災害時の対応イメージは個々により異なることに気がつきます。
地震発生時、1分後、5分後、10分後、1時間後、24時間後、1年後、3年後というように、災害発生時の長期におよぶ自分自身のイメージを持つことが、自分自身を守ることにつながっていく。「目黒巻」はそういう訓練のできるものだと思います。