7月の地域紹介

「女性と子どものための安全セミナー」

取材:災ボラ 佐々木 安恵委員

7月10日、「かるがも」3Fにて、「災害や日々の危険から自分や子どもたちを守る方法」というテーマの講演会が開催されました。講師は防災・生活安全アドバイザー・我聞塾主宰の佐藤栄一さんです。

講師の佐藤栄一さん
講師の佐藤栄一さん

「目から鱗」のお話のなかから5点をQ&Aで紹介します。

Q:今、なぜ、「女性と子どもの安全」なのですか?
佐藤:今、というわけではありません。私の子どもが幼いころからなので、40年近くになりますね。子どもには30数年間、「地震対策と災害時の女性の安全について」の「躾け」を行ってきました。そして「ホイッスル」と「ペンライト」の携帯を習慣化し、月に一度は電池交換し予め話してきた安全について思い起こすようしつけてきました。

Q:子どもが被害者となる事件について、どのようなことを感じていますか?
佐藤:「この子の安心」ということを折に触れ感じていました。子どもが被害者となった事件報道を知るにつけ、親を含めた周りの大人の意識が違っていたら、未然に防げたのではないかと思うことが度々ありました。

Q:講演のほかになさっていることがありますか?
佐藤:地元では「元石川小学校おやじの会」のメンバーとともに地域の防犯パトロールをしています。現代社会では、いわゆる「悪い印象の人相」が犯罪者となるのではありません。「どこにでもいそうな普通の人が、実は犯罪を犯しいた」ということが多くあります。子どもが犯罪や事故に巻き込まれないために、「子どものヒューマンスケール」を意識した大人の視線で見守ることが大切だとも思っています。

Q:「ヒューマンスケール」とは?
佐藤:人の身体を基準にした感覚的数量をいいます。「体の小さな子どもと大きな大人では距離、面積、容積などの感じ方が違う」ということです。例えば、自転車の荷台に座らされた子どもの気持ちを考えたことがありますか。大人が自分の背の高さくらいの荷台に座らされているのと同じ感覚ですよ。怖いでしょうね。「そのまま待っていて」といわれても、じっと待っていることはできない。ここに思わぬ事故の要素があるのですね。

Q:災害時など、子どものために心がけることがあったら教えてください。
佐藤:阪神淡路大震災の体験からいくつかあります。備蓄品ですと、おしめや、その子にあったミルクなどは必需品(水、湯沸し用具は当然)です。学齢期の子どもは被災地でも、教科書、学用品、参考書などを望みます。この機会に、あなたのお子さんにとって必要な物は何か親の責任として考えてみましょう。

2時簡に及ぶ講演の内容は、参加者のアイスブレイキング(自己紹介)から始まり、打ち解けた雰囲気の中にも、シリアスな社会現象や問題提起があり、それぞれの思いを語る質疑応答では、時間が足りないほどでした。

参加者の自己紹介
参加者の自己紹介

今回の講演の主催団体の「かながわ女性防災」。代表 戸川優子さんは、地元のくぬぎ台団地ではもちろんのこと、「保土ケ谷区災害ボランティアネットワーク」の運営委員としても活躍している頼もしい防災リーダーです。

講演の主催団体「かながわ女性防災」
講演の主催団体「かながわ女性防災」
「かながわ女性防災」代表 戸川優子さん(左側)
「かながわ女性防災」代表 戸川優子さん(左側)