1月の地域紹介

「ほどがや希望の家」防災訓練

取材:災ボラ 佐々木 安恵委員

平成23年1月10日(月)障害者地域活動ホーム「ほどがや希望の家」で防災訓練が実施されました。今年で4回目を迎えたこの訓練の大きな特徴は、「企画・運営が利用者によるもの」「地域の参加者との合同実施」という点です。
利用者の星野さん、小林さんが防災係りとして、防災に関する話し合い、訓練の企画を練りました。地域から参加の天王町防災リーダー、テンダーよかボラほかの皆さんと協力、さらに、保土ケ谷区役所の河原さん、保土ケ谷消防署予防課、訓練中内容を随時説明・解説にあたるアドバイザー「我門塾」長の佐藤榮一さんらが講師・協力者として参加しました。
訓練中は、利用者の皆さん、協力者の皆さんが声をだして指示しあう様子は見られませんでした。自分のするべきことをそれぞれが心得て、淡々と、自主的にすすんだ防災訓練。回を重ねる毎に訓練に参加する人数が増えていると聞きました。地域が施設に手を貸すのではなく、ともに助け合うことが当然という様を目のあたりにして、今後の地域防災、人と人との関わり方の方向性を垣間見たように感じました。

炊飯袋に米と水をいれてボイルの準備
炊飯袋に米と水をいれてボイルの準備
沸騰した大鍋に炊飯袋をいれて20分
沸騰した大鍋に炊飯袋をいれて20分

「炊きだし訓練」
◆炊飯袋に米と水を入れる。なぜ、炊飯袋(ハイゼックス)が必要なのか
・災害時には飲料として使える水は限られています。炊飯袋には米一合に対する水の必要量がラインで示してあるので、その水に飲料水を使用し、輪ゴムでしっかり口を閉じれば、茹でるための水は消毒のしていない水を使用します。災害時、米は各自が持ち寄ることになります。
・従来の備蓄庫保管の炊飯器は、一度使用すると後片付けに大量の水を要しますが、炊飯袋を使い茹で上げれば、洗うための水が不要となります。

毛布で簡易担架をつくり一人で搬送
毛布で簡易担架をつくり一人で搬送
発電機から電動車椅子への充電の操作訓練
発電機から電動車椅子への
充電の操作訓練

「搬送訓練と発電機訓練」ご飯が炊き上がるまで交代で実施

◆搬送訓練では物資や人手によって色々な簡易担架の作り方と搬送方法を学びました。
(1) 毛布1枚と物干し竿2本を使って簡易担架をつくり4人で搬送。
(2) 毛布で簡易担架を作り2人で搬送。
(3) 毛布で一人で搬送するための簡易担架をつくり搬送。

◆患者を搬送する時の注意点
・担架を運ぶ人の中でリーダーを決めること、リーダーは随時声をだす
・患者の頭の方からゆっくり持ち上げ、患者の足元を進行方向に向けて搬送します。
・搬送者が二人の場合、前者と後者が逆の足をだすと担架のゆれが緩和されます。
・搬送者が一人の場合は斜めに置いた毛布に包んで、足先を40センチほど包み、毛布を患者の頭の方向にすすみます。

◆発電機
・発電機のガソリンエンジンは保守が大変です。ひと月に一回程度動かしてオイルの点検をしないと、いざという時にオイルがこびりついて、動かないことがあるそうです。
・この施設の利用者は電動車椅子の充電に、週一度8時間かけているそうです。「災害時に発電機でのフル充電は難しいのではないか」との講師の意見がありました。

炊飯袋にカレールーをいれて試食
炊飯袋にカレールーをいれて試食
「試食・反省会」
・「今年は皿、スプーンを使いましたが、災害時には、炊飯袋にカレーを入れて、手で袋を持って食べるのが効率よいでしょう」アドバイザーの佐藤さんの意見が印象に残りました。