箱根山噴火警戒

 約50万年前に始まった箱根山(神奈川・静岡県坂井に位置)の火山活動。当時の粉砕流は箱根から45キロはなれた横浜市泉区の地層でみとめられています。その後、6万6千年ほど前に起きた箱根山最大の噴火は、横浜はもちろんのこと、関東一円で20センチほどの火山灰堆積層を残しています。

 今回、箱根山の水蒸気爆発の可能性が高まったとして、5月6日、気象庁は「噴火警戒レベル」を「1:平常」から「2:噴火警戒レベル」(下記*参照)に引き上げました。

 噴火と言えば、昨年9月27日、長野県と岐阜県の県境の御嶽山が噴火。63名の方が行方不明になり、戦後最大の噴火による被害を受けました。昨年と同等程度、またはそれを上回る噴火の可能性は低いとはいえ、今年の3月31日現在でも、御嶽山噴火警戒レベル3、入山規制が継続していました。

 そして、今回の箱根山の噴火警戒レベルが引き上げられたことで、地域住民はもちろんのこと、県内でも危機感を感じている人は多いと思います。

 箱根山は、4月26日から、大涌谷付近を振動とする火山性地震が増加しており、5月10日には一日のうちで、266回の火山性地震を計測し、震度2を計測するものもありました。大涌谷温泉施設では、水蒸気が勢いよく噴出しているため、火山活動がさらに高まっていると考えられます。風下側では、火山灰や小さな噴石が、風に流されて降る恐れがあるため、注意が必要とされています。5月14日には、0時から15時までの間に67回の火山性地震が計測されています。

 箱根山が噴火したら、その規模にもよりますが、小田原、横浜はもちろんのこと、過去の噴火の状況から、神奈川県全域、首都圏にまで被害が及ぶという意見があります。箱根はリゾート地のイメージですが、地理的には横浜から1時間半ほどの神奈川県内です。災害用の備蓄はもちろんのこと、警戒情報の内容によっては、洗濯物を室内に干すことも噴火にたいする備えになりますね。

*火口周辺規制の内容  火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生、あるいは発生すると予想される。火口周辺では生命に危険が及ぶ恐れがある。
地域住民は通常の生活ではあるが、火口周辺への立入規制等制限をうける。