ここでは、私が見に行った芝居の感想を、書いていきたいと思います。
当然の事ながら、見方は偏っています。あしからず☆
楽しみにしていた、花組芝居「百鬼夜行抄」を見に行きました。とっても面白かったです。私の大好きな、今市子さんの怖い漫画「百鬼夜行抄」が原作ですが、「お化けがゲストで登場するサザエさん」というコンセプトで、ギャグ仕立てになっていました。そのあまりのギャップがまた楽しくて、笑えました。元々歌舞伎色の強い男性ばかりの劇団だけに、歌舞伎風の衣装や台詞回しが絶妙で、それもまた楽しめました。脚本は、わかぎゑふ。
《以下、ネタバレになりますので、近鉄小劇場でごらんになる方、テレビ放映(があるかどうかは知りませんが)を楽しみにしていらっしゃる方は、読まない方がいいかもです》
ストーリーといっても、かなりどたばたギャグ的な要素が多いので、キャラクターから感想を書いてみます。
開演前や休憩時間、終演後なども、役者の人がアナウンスで色々面白いことを言って笑わせてくれるのもいいですね。そして、カーテンコールでは、加納さんの誕生日ということで、客席と一緒に「ハッピー・バースデー」を歌いました。 |
《'02年5月の日記からの再録になります》
「花組芝居」というのは加納幸和の主催する男性ばかりの劇団で、歌舞伎などをベースに新しい演劇をやっているのですが、現在の「歌舞伎」が伝統重視の古典芸能になっている以上、本当の「かぶき」な芝居という意味では正統派かもしれませんね。
今回の「南北オペラ」は鶴屋南北の「金幣猿嶋郡(きんのざいさるしまだいり)」をベースにオペラというより賑やかなミュージカル仕立てになっています。衣装は60年代ヒッピー風をきんきらにした感じで自己紹介してくれないと誰が誰やら想像もつかない(笑)お客さんも常連のファンの人たちが多いようでのりがよかったし、なにより舞台の役者さんたちが一番楽しんでいる風でした。客席と舞台が半お知り合いという感じで、学芸会の乗り?こういうのは見ていて楽しいです。
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えっと、全体的に言うと、面白かったです。興味深かったし。でも、すごく感動した〜〜とか、良かった〜〜☆というのとは違ったかな…
玉三郎の美女、新之助の公子、秀太郎の女房、左團次の沖の僧都、弥十郎の博士、そうそうたるメンバーでした。
まず舞台には腰元達と、海坊主のような沖の僧都が出てきてやりとりがある。う〜ん左團次好きだからいいんだけど、もう少しあくの強い役作りでも良かったんでは?と思いました。
さて、公子の登場☆竜宮の跡取り息子で、乙姫様を姉に持つ、元気で無邪気な若者である、腕っ節だけはものすごく強い、鎧を着た姿を見ただけで、悪者が逃げ出してしまう位だから。その第一印象「わあ、ロットバルトだ〜〜」衣装がね、ポスターでは長いマントで隠れていたから、わからなかったんだけど、黒くて体のラインにぴったりで、金の刺繍のような飾りが派手目についてて、バレエ白鳥の湖の悪魔の衣装なのよ(笑)で、役作りはかなりガキっぽさを出していて、ははは。面白かったです。
玉三郎はさすがに綺麗ですね。所作がいいから、白い裾を引くドレス姿がとてもはえていました。
玉三郎も演出をやってるからね、彼はベジャールとも仕事をしているし、バレエも結構好きでしょう?楽しんでるなあって感じでした。ついでにピルエットもありジュテもあり
(笑)
玉三郎がどうしても貫禄があって、ガキっぽい公子はたじたじって、そういうお芝居だったっけ?
それにしても、玉三郎綺麗でした。それだけで満足☆(と言われた、ご本人はがっかりするかも知れませんが…)
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「忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)〜将門(まさかど)〜」 「嫗山姥(こもちやまんば)〜八重桐廓噺(やえぎりくるわばなし)〜」 の三本立てでした。
鳴神。いつ見ても面白いです。私が初めて歌舞伎を見る方に、お勧めするのがこの演目なんです。わかりやすいし、赤姫だけでも綺麗なのに、片脱ぎでさらに素敵な衣装です。
忍夜恋曲者。実はライブでは初めて見たのです。スッポンの出が、幻想的でやっぱり良かったです。滝夜叉姫は福助。本興行では初役ということで、ちょっと気負いがあったのか、堅い感じでした。光圀の梅玉は、福助の頃からのファンなので、見られるだけで幸せ☆
嫗山姥。金太郎さんのお母さんが、身ごもったいきさつのお話。
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辰之助の蘭平、菊五郎の在原行平、八十助の与茂作、菊之助のおりく、他
見所は、なんと言っても後半の立ち回りです。蘭平が、血みどろになって、息子を捜しながら、取手と戦うシーン。派手なアクションがたくさんあります。四天の役者さんも大活躍です。
歌舞伎は形式の芸術ですから、立ち回りも、やることは決まっているんですが、それでも、わくわくします。大きな見せ場のひとつが、花道に梯子を立てて、下で大勢の四天が支えて、一人が登って一番上で体を腰のあたりで支えて手を離して、大の字に逆さまになる、という技。お客さんも梯子が出てきた段階で、それがわかってるから、もう、楽しみに待っているのね、ところがこの日、梯子を登る途中で、がくんと、一段踏み外したりした物だから、一瞬みんなで息をのんでしまったのでした。もちろん、その後無事に演技をしていたのですが、ご本人も、内心ハラハラだったのではないかしら?
それと、面白かったのは、四階席だったからこそなのだけど、舞台の他の場所で、主人公達が立ち回りをしている間に、屋根の上に上がって、次のアクションの準備をしている役者さんが、梯子を片づけて去って行く仲間に、両手をひらひら振って、何か合図をしていたのが見えてしまいました。「がんばれよ」「おう、まかせとけ」とでも、言っていたのかしら?それとも、「終わったら、飲みに行こうぜ」「いや今日は、やめとくよ」なんて…言ってるわけないかな(笑)
余談になりますが、初代辰之助は本当に好きでした。病気療養していてカムバックしたときのお約束狂言「お祭り」で、大向こうからの『待ってました』の声に『待っていたとはありがてえ』と言った声の、小気味の良さ、ぞくぞくっとした物です。
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