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映画「ホビット 決戦のゆくえ」感想
「The Hobbit: The Battle of the Five Armies」



いよいよ「ホビット」三部作の完結です。タイトルの通り、ほとんど戦いのシーンという印象ですが、それでも、とても楽しく見ることができました。PJ監督はじめ携わったすべての方々へ感謝です。

本を読んでいるときは、私は戦争のシーンはどうしても流してしまいがちなのですが(ホビットに限らずほかの小説でも)、映画を見てからもう一度原作を読み返してみると、短いながらもやはり丁寧に描かれてあって、それをもとに、大きくイメージを膨らませて映画が作られているのが良くわかります。人それぞれ、読み方、解釈の仕方があってそれもまたよし。いろいろ発見があって嬉しくなります。ありがとうPJ監督。

第二部の感想のページにも書きましたが、PJ監督曰く、映画を見る観客のうち80%は原作を読んでいないと思って作るということでした。私は少ない20%の方ですが、原作を知っているからこその楽しみ方で、感想を書いていきます。自然、原作は…というところが多くなりますが、そこのところはご了承くださいませ。
長くなるので、原作「ホビットの冒険」の段落のタイトルで分けてあります。ただし、今回は原作の順序と前後しているところもあるので、おおよその目安となっています。

◇すこし追記しました。この色の文字の部分です。(2015.JAN.07)

◇さらに追記しました。この色の文字の部分です。(2015.JAN.19)

※映画を見た方に向けて書いてあります。ラストシーンまでの映画の内容を、具体的に書いてありますので、未見の方はご了承の上お読みください。




◆竜のいぬまに Not at Home/◆火と水 Fire and Water

竜のスマウグが襲ってくると知って、逃げ惑う湖の町エスガロスの人々。統領も金銀ばかりを船に積んで水路を逃げます。バルドの子供たちと町に残っているドワーフ4人、エルフのタウリエルも船で逃げます。牢屋に残されたバルドが、どうやって出るのかと思ったら、何と布を割いてロープにして垂らしたら、ちょうど統領の船が通りかかって、その首(と体?)にひっかかり、結びつけられた窓の鉄格子が引っ張られて外れるという、すごい設定になっていました。それではさすがに死んでしまうのでは?と思ったけど、ここは、笑っていいところなのだろうか。

湖の町が、スマウグに襲われているのを、はなれ山から、ビルボとドワーフたちが見ています。キーリたちも町に残っているので、心配ですが、なすすべはありません 原作では、ドワーフたちは竜が出て行ったときに、山の中に閉じ込められて、何が起こったのかは、後になって知るのですが、映画としては、見ている方が劇的ですね。

バルドは一人、弓矢で竜に立ち向かいます。息子のバインは、お父さんが戦っているのを見て、小舟に隠しておいた、竜の鱗を射抜くことができる黒い矢の最後の一本を届けます。この小舟が、誰かの避難に使われていなくてよかったです。で、どうやって打つのかと思ったら、なんと息子の肩を支えにして発射しようというのでした。まあ、やっぱりロビン・フッドの習いもあり、弓矢の名手には息子あり、なんですね。
映画では、竜の左胸には、谷間の町デイルの領主ギリオンが、黒い矢を当てて付けた傷があります。その昔ドワーフの王国エレボールとともに谷間の町が襲われた時に付けたものです。映画第二部で、バルドの息子が、ドワーフたちに話していました。スマウグと話しながら、ビルボもその傷を確認していましたね。バルドはギリオンの末裔なのです。黒い矢を放とうとしているバルドに、スマウグは余裕綽々で話しかけますが、弓の名手は、見事その傷に命中させ、竜を退治するのでした。わかっていても、ドキドキしましたね。

ただし、この竜の胸の傷をギリオンがつけたというドラマチックな話は、映画独自の設定です。原作では、エレボールでスマウグと話している最中にビルボが胸のほころびを目ざとく見つけ、その情報をツグミが聞いて、バルドに教えに行くのでした。でも、今回の映画では鳥は話をしないので、このやり方はできなかったのですね。

ところで、バルドが普通の矢をスマウグに射ているのをみて、キーリが当たっている!と言います。確かに、矢は当たっているけれども、竜のうろこにはじき返されています。そこでタウリエルの、スマウグを射抜くことができるのは、黒い矢だけよ、と言うセリフがあります。何度見ても思うのですが、それなら、わざわざ、ギリオンの付けた傷口に命中させる必要はなかったのではないでしょうか?場面が目まぐるしいなかで、どうしても、ここで???と思考が突っかかってしまうのでした(笑)
原作では、バルドの放つ最後の矢は、先祖代々受け継がれてきた「黒い矢」ですが、竜を射抜くことができる力がある設定にはなっていません。ビルボが見つけて、ツグミが伝言した、竜の鎧のほころびを見事に射抜いたために、退治することができたのでした。それも、飛んでいる竜のです。もちろん、原作と映画の設定をクロスさせるためなのでしょうが、この、タウリエルの台詞が、矛盾を際立たせてしまったように思えますが、どうなんでしょうね。

竜が湖に落ちて、ものすごい水蒸気が登るかと思いきや、なかったです。そして、統領はここで竜の下敷きになって果ててしまうのでした。原作では、五軍の戦いのあと、しばらくして非業の死をとげるのですが、どちらにしろ良い最期ではなかったですね。そのかわり、腰巾着のつながり眉毛のアルフリドが生き残ります。

そして、この後画面に、タイトル「The Hobbit: The Battle of the Five Armies」が入るのでした。なんとここまでがプロローグなのね。

スマウグの襲撃から逃れた湖の町の人々は、竜を退治したバルドをたたえます。ちゃっかり者のアルフリドは、バルドを王に!と言いますが、バルドは断ります。そして、皆を引き連れて、今は廃墟となっている谷間の町へ向かうのでした。ここで、統領の代わりにアルフリドを残したのはうまいアイデアですね。彼には人々に命令する権利はないし、バルドも敬意を払わなくて済むし。

みんながバルドの方に集まっている時、画面の手前の方で、犬が一匹うろうろしていたのが気になったのですが、あれは誰かのペットのカメオ出演なのでしょうか?

病の癒えたキーリと、フィーリ、オイン、ボフールの四人は小舟ではなれ山へ向かいます。キーリは、エルフのタウリエルに一緒に行こうと言います。原作に出てこない人物ながら、タウリエルの存在は、なんだかほっとさせられますね。キーリが「愛してる」と言ったのはエルフ語でしょうか?彼の熱い想いにほだされそうになる彼女の背後に、レゴラス登場です。一緒には行けないというタウリエルにキーリは、お母さんからもらった約束の黒い石を握らせます。ああキーリ、それを渡してはいけない、と、思いませんでしたか?お母さんとの、生きて帰るという約束の石なのに。でも、もちろん彼の気持ちもわかります。あの、一途な眼差しにはぐっときましたね。

竜のスマウグが倒されると、見ているはなれ山のドーワフたちのところに、大ガラスの群れが飛んで来ます。
原作では、ツグミが竜の死んだことを知らせてくるのですが、鳥の言葉はわかりません。そこで、ツグミが大ガラスを連れて来ます。彼らは、昔からドワーフたちと親交のあった種族で、言葉を話すのでした。彼らはエルフ軍や人間も、エレボールに宝を目当てに向かっていることを告げます。また、バルドは信用に値する人間だとも教えます。そして、トーリンは、くろがね山のいとこダインに急いで援軍にくるよう、大ガラスに伝言を頼むのでした。
また、ほかの鳥たちも、エルフや熊の人ビヨルンたちに、いち早く竜の死を知らせています。ゴブリン達にも、情報は伝わっていました。
映画では、鳥は話さないので、ただパタパタと飛んでいるだけに見えますが、もちろんこれは原作読者にだけわかる謎、もしくは申し訳、だったわけですね。

◆雲がよりつどう時 The Gathering of the Clouds

人間の町が大変なことになっている時、ドゥル・グルドアでも、凄まじい次元の戦いが繰り広げられていました。オークたちは、すでにはなれ山に出撃したあとです。囚われた灰色の魔法使いガンダルフ(エルフ語でミスランディア)を助けに来た、上のエルフのガラドリエルさま。気を失っているガンダルフをお姫様抱っこで助け出そうとします。ところが、9人の指輪の幽鬼にかこまれてしまいます。「ロード・オブ・ザ・リング」でフロド達を追いかけていた黒いマントのナズグル:指輪の幽鬼たちは、黒マントを着ていないとああいう姿なんですね。そこへ、裂け谷のエルロンド様、白の魔法使いサルマン様の登場です。二人がナズグルたちを薙ぎ払う間に、彼女はガンダルフを復活させるのでした。幽鬼たちでは歯が立たないと思った、首領ネクロマンサーことサウロンは、自ら襲いかかりますが、ガラドリエルさまの怒りのパワーで、退却を余儀なくされます。このガラドリエルさまが凄いです。怖かったですね。サウロンを一括で退却させてしまいました。

「ひとつの指輪」をなくしたサウロンが動き始めたのがわかったので、本来なら追撃して退治しておかないと、大変なことになるわけですが、ガラドリエルさまは力を使い果たしてしまっていて、エルロンド様は介抱しなければなりません。ここで、予告にもあったサルマン師の「Leave Sauron to me!」が入るんですね。「サウロンは私に任せろ」とは、確かに意味深だわ。「ロード・オブ・ザ・リング」へ続くことを意識した台詞です。それにしても、サルマン役のクリストファー・リー様はかっこいいですね。確か今年御歳92のはず。(もちろんアクションは吹替えさんですが)あの迫力ある存在感、素晴らしいです。

エルフの三つの指輪のうちの一つが、ガラドリエルさまの指にあるのが見えましたが、ほかは見つけられませんでした。アップにしていたかな?
◆指輪については「ひとつの指輪とスメアゴルのこと」もご覧くださいませ。スメアゴルはゴクリ(ゴラム)のもとの名前です。

ガラドリエル様がナズグルに囲まれたとき、抱っこされているガンダルフの手に、指輪が見えました。ロングショットだったけど、画面中央だったので、大画面で見たらわかりました。また、ガラドリエル様がガンダルフをラダガストに託した後、彼女をかばうように立ったエルロンド卿の剣を握る手にも指輪がありました。アップにされたのは、ガラドリエル様のだけでしたね。

ここの場面は、原作に細かい描写はまったく出てきません。ガンダルフはほかに大事な用があるからと、しばしばドワーフとビルボたちのそばからいなくなります。その間にネクロマンサーを追い払っていたと、物語の最後の方、帰り道に裂け谷に寄った場面にちょっとだけ書かれています。それを、膨らませたのがこの展開へ続く、一連のシーンだったのです。いいですね、さすがPJ監督と脚本陣です。

エルロンド卿が、指輪の幽鬼と戦い始めるときに、死んだままでいれば良かったのに、と言っているのは、第二部で墓が空っぽになっているのを、ガンダルフが発見した、あの墓に葬られていた死者の幽鬼だったからですね。サウロンが作った20個の指輪のうち人間の9つの指輪をもらった王が、封印されていたのが、サウロンが力を回復してネクロマンサーとして行動を始めたので、手下の幽鬼として呼び出されたのでしょう。封印を解いてしまうサウロンの力が、かなり強いという事ですね。このサウロンの、最強の「ひとつの指輪」をビルボが持っているとは、考えてみたら、本当に恐ろしいことです。
サウロンが逃げて行ったあと、エルロンド様は、(サウロンの本拠地モルドールに近い)ゴンドール国にも知らせなければ、と言っているんだけど、すっかりサルマンを信頼して、60年以上何も知らせなかったのですね。さすが、永遠の命を持つエルフです。たとえ100年もほんの刹那なのですね。サウロンの復活を知らされていれば、この時期ならまだゴンドールの執政も、対応ができたかもしれないのに。と、どんどん想像が膨らむ、何度見ても楽しめるシーンです。

弱ったガンダルフを連れて帰るのが、うさぞりのラダガストです。今回一番ウサギたちの姿が良く見えた気がします。止まっているときは、ひっくり返ったり、きょときょとしたりして、超マイペースなウサギたち。大きいけどかわいいですね、あんな大きいウサギが本当に居たらさわってみたいなあ。2頭立てぐらいのそりでレースやっても楽しそうですよね。

ラダガストのそりを下りたガンダルフは、馬が必要だと言います。そのあと、デイルへ馬で駆けつけてくるのですが、これは、ビヨルンのところで借りたお馬でしたね。先日「指輪と映画と馬トピック」の方に書きましたが、お馬の名前、役柄上の名前があるかはわかりませんが、本名はビック・ニックくんクライスデール種だそうです。大きくて気持ちよさそう、乗ってみたいです。

ついウサギに目を取られてしまうのですが、画面の左奥の方には、すでに馬装した馬が待っているのです。この子は、いつからここにいたんでしょうか(笑)

◆真夜中のとりひき A Thief in the Night

はなれ山の王国エレボールではドワーフたちは、トーリンの命令で、山の精髄アーケン石を必死で探しますが見つかりません。実は、最初に石を探しに一人で行って、スマウグに襲われた時、指輪をはめて逃げ出したビルボが、アーケン石を手に入れて隠し持っていたのでした。第二部が終わった時、ビルボはアーケン石を手に入れたのか否かが話題になっていましたが、手に入れていたんですね。

実は、原作では、スマウグが死んだあとにみんなで探しているところで、ビルボが見つけて隠すのです。(なので、私はこれからかなと思っていたのですが、はずれました。)そして、そのことを知らないトーリンが、鎖帷子(くさりかたびら)ミスリルを、最初の報酬だといって、ビルボにあげるのでした。

映画第三部を見ていて、何かが違うとずっと思っていたら、そうだ、ほかのドワーフの皆さんが、宝物に魅せられていないのだという事に気が付きました。映画では、トーリンの金と財宝への執着や竜の病を強調するために、ほかのドワーフたちについては、淡白な表現になっていました。本来なら、ドワーフたちは宝を見つけると、思わず我を忘れてしまうほど目がないはずなのですが、そうすると、トーリンが際立たないですからね。
湖の町から後から到着したドワーフ達も、財宝を見つけた喜びより(ビルボの言葉もあいまって)トーリンの様子に困惑している様子でしたからね。

アーケン石に執着するトーリンの様子が尋常でないと、ほかのドワーフたちも感じています。トーリンは、自分でもおかしいとうすうす感じていながら、それでも、ドワーフの至宝アーケン石を探さずにはいられないのでした。このあたりから、どんどん、トーリンが気の毒になって正視できくなってきます。もしかしたら、映画では違うトーリンになるのではないかと望みを持ったり。もちろん無理な相談ですけれども。

特にトーリンより年上のバーリンは、とても心配しています。トーリンの祖父スロール王と同じように、黄金に取り憑かれているというのです。また、竜がずっと抱えていた黄金なので、竜の病にかかっていると。ビルボは、もしアーケン石が見つかったら、トーリンの病は癒えるのかと、バーリンに尋ねます。その答えは、もっと悪くなるだろうというものでした。第二部でスマウグも、同じようなことをビルボに言っていました。ビルボの悩みはさらに深くなります。

そしてここも、映画独自のシーン。ビルボが、アーケン石をどうしようか悩んでいる時、仲間のことさえも疑うようになっていたトーリンが、なにを隠しているんだ!と詰め寄ります。見ていてハラハラしましたね。ビルボは手のなかの一個のドングリを見せます。ビヨルンのところで拾ったものだと。張りつめた空気が一気になごむところです。あの青い空と緑と馬や山羊たちのいるのどかな風景が、脳裏によみがえります。ビルボは、家に帰ったら思い出に庭にこのドングリを植えるんだと話します。旅で起こったすべてのことを、良かったことも、悪かったことも、生きて家に帰れてよかったと、思い出すために。このセリフもぐっときます。トーリンも、思わず笑みを浮かべます。ここはほんとうに素晴らしいシーンでした。映画の一部、二部を通して、ずっと難しい顔をしていたトーリン、笑うシーンが最後まで無いのかなあと思っていたのです。ここで、笑顔が見られて本当に良かったです。第三部の中で一番好きなところです。

しかしすぐに、ドワーリンが湖の町の避難民たちが谷間の町デイルにやって来たと報告に来て、状況が変わります。トーリンは、彼らが入ってこられないように、入り口に石を高く積んで壁を築いてしまいます。そこには、のぞいたり、矢を射たりする穴だけが開けてありました。

バルドと難民たちがデイルに着いて一夜明けると、何とスランドゥイル王率いる森のエルフ軍が進軍してきています。エレボールの宝を手に入れに行くと言うのですが、人々が困っているだろうと、食料もたくさん運んできてくれました。このシーンも感動的でしたね。エルフは自分勝手だとしても基本的には良い存在なのでした。

湖の難民たちがデイルに来て、さらにエルフ軍が陣取っているのを見て、トーリンは、いとこのダインに加勢に来るよう伝令を送ります。大ガラスがエレボールの砦から飛んでいくだけなのですが、原作読者には、すぐにわかるところです。ただ、ほんの一瞬なので、画面のほかの部分に気を取られていると、見落としてしまうかもしれませんね。
ビルボがあんなに大勢のエルフ軍と人間たちが相手なのに、こちらが少なすぎるとトーリンに言ったとき、ドワーフの皆は不敵に構えていたのは、ダインを待っていたからなのでした。

すぐにも戦を仕掛けたいエルフ王をとどめて、バルドは一人、エレボールの入口に向かいます。戦はしたくないから、約束した分け前をくれないかと説得しますが、トーリンは全く取り合いません。予告にあった、四角い穴からのぞいているシーンは、ここだったんですね。人は通れないけど、矢を射ることはできる穴です。

ここで、バルドが乗っている白いお馬は、何度見てもかわいいですね、コロンとした体格でたてがみが長くて、尻尾の毛も長くてたっぷりあって。エレボールに駆けてくるところなどは、お耳がしっかり前を向いていて。そして、バルドが下りて前へ歩いて行くところ、2〜3歩ついて行こうとしていましたね。この後も、ずっとバルドはこのお馬に乗っています。あとで、メイキング映像でも見られるかしら。楽しみです。

ドワーフ達は、鎧兜を身に着け、武器をとります。トーリンは、ここで、ビルボに白銀色の鎖帷子ミスリルを渡します。その上着を脱いで、と言われた時に、アーケン石が転げ落ちるのではないかと、心配になってしまったんですが、大丈夫でしたね。このシーンは、私としてはもうちょっとなにか台詞がほしかったけど、どうでしょう。
これは、ドワーフの素晴らしい細工品で、昔エルフの若殿がつけたもので、そのあと「ロード・オブ・ザ・リング」で旅に出るフロドに、エルフの短剣「つらぬき丸」とともにビルボが譲るものです。

ビルボは、夜中にこっそりロープでエレボールの砦を抜け出して、エルフと人間の陣地にいきます。そして、戦いになるのを防ぎたい一心で、アーケン石を、敵に渡すのでした。原作では、ビルボがミスリルを着ているのをみて、スランドゥイルさんがエルフの鎧を着るにふさわしいと、その行いをほめるのですが、映画では微妙に設定が違うので、その台詞は出ませんでしたね。見つめてはいたようだったけど、特に言及してはいませんでした。ここは好きなところだから、誰かに言ってほしかったなあ。

◆雲がふきちる時 The Clouds Burst

スランドゥイル王とバルドは、軍を連れて、エレボールへ行きます。エルフ王のヘラジカの角は、第一部の時よりさらに大きくなったように見えたのは気のせいでしょうか。バルドは白馬に乗っています。これは、エルフから借りたのでしょうかね。湖の町の交通手段は水路で船だし、難民にも馬はいなかったように思います。また、王様だけは、ヘラジカですが、ほかのエルフの皆さんは、馬に乗っていましたし荷車も馬が引いていましたね。馬車のお馬は大きくて、足がふさふさのクライスデール系のようでした。
エルフ王も、撮影はお馬に乗ってやっていて、CG処理でヘラジカにしているものと思われます。乗り方が、いかにもお馬な感じでした。このあたりはまた、特典ディスク待ちです。

彼らがアーケン石を持っているのを見て、トーリンは驚きます。これを買い取ってほしいというバルドに向かって、偽物だとまで言い出します。しかし、そこでビルボが、自分が彼らに渡したと告げるのでした。トーリンは激怒して、壁から落とせと命令しますが、12人のドワーフたちのだれもその命令に従おうとしません。もちろん、ビルボは大事な仲間の一人ですし、今まで数々の苦労を共にし、危険から救ってくれたりもしたのですから。その態度にたじろぎながらも、トーリンは自分でやるとまでいうのでした。ガンダルフがとめて、ビルボはロープでおりてエルフと人間たちのところへ来るのですが、ここはいつ読んでも、見ても聞いてもやりきれないところですね。

バルドが、和平か戦争かと選択を迫った時、大ガラスが飛んできて、ひとしきり意味ありげに話すように鳴いていましたね。あれは、伝令に行った大ガラスが、トーリンのいとこ、鉄の足のダインの到着を告げていたのですね。この映画ではどこまでも、鳥は話さない、んだけど、このシーンでは話さないわけにはいかなかったのですね(笑)

鉄の足のダインは、原作ではドワーフの中で、トーリンをしのぐくらいのかっこよさなんですが、映画では、アップも少なかったし、それほど目立ってなくて残念でした。そして、俊足のドワーフなんだけど、豚?猪?にまたがっていましたね。あまり台詞は無かったけど、オーク軍が出てきたときに、迷わず攻撃に出たところはさすがでした。

オーク軍が大ミミズが開けた穴から出てきたのにはびっくり。ミミズが襲ってこないで、帰ってしまったようで良かったです。

オークの大将アゾグが腕木信号を使っているのには、ちょっと笑ってしまいました。誰か、まずあれを先に壊そうと思わなかったのか。

レゴラスとタウリエルが、グンダバドに偵察に行っています。ここではオークのボルグが指揮を執っています。映画では、ボルグはアゾグの息子のようですね。原作では、ドワーフのダインが以前にモリアで、アゾクの父を殺したことになっています。

この、原作には出てこないお二人、レゴラスとタウリエルは、ずっと一頭の白いお馬に二人乗りです。エルフは軽いから大丈夫なんでしょうけど、お馬さんご苦労様です。

さて、五軍の戦いとは、エルフ、人間、ドワーフの三軍と、ゴブリン、オオカミの二軍の戦いなのですが、映画だと二軍はオークとゴブリン、だったのかな。途中でちょっとゴブリンも出て来ていましたね。ワーグは乗り物で意志を持っていないから、違うよね。もしくは、ドル・グルドゥアとグンダバドで二軍なのかな。

戦いは激しく、例によってトロルも大きな武器にされていました。もともと廃墟になっているデイルもさらに破壊されて行きます。本当なら永遠に生きるエルフたちも、大勢殺されてしまいます。バルドの子供たちも逃げ惑います。バルドは、つながり眉毛のアルフリドに、女子供は安全なところに、男は戦いに、と指示を出します。でも、こんな大変な時にも、自分の利益しか考えないのが彼。女装をして、胸には金貨を詰め込んでいました。なんて勇気のない男だ、とののしられると、男が女装するのは勇気がいるんだぞ、なんて息巻いていましたね。憎めないキャラクターです。

戦況は、敵が圧倒的に数が多いため、三軍方が不利です。鉄の足のダインも、トーリンはまだか、といらだっています。エルフ軍も、人間たちも大勢が倒されていきます。
トーリンは、エレボールの広間で逡巡しています。ドワーリンの説得する声や、ビルボの声が頭の中をぐるぐるしています。竜を退治しようと黄金が流された床には、竜の影がうごめいているようでしたね。しかし、やはりドワーフの王国を治める偉大な王の血筋の彼です。自分の本分を取り戻し、待っている12人のドワーフ達のところに戻って、出撃を告げるのでした。ああ、良かった。あの場面の台詞も良かったですね。ほかのドワーフたちも嬉しそうでした。

エレボールから躍り出たトーリンたちが先鋒となって、敵軍を楔形に切り裂いていくシーンの、上空からの映像は圧巻でした。さすがです。

エレボールからトーリンを先頭にフィーリとキーリが、そしてほかのドワーフたちが後に続く映像は、何度見てもかっこいいです。もうちょっと長く見せてほしかったなあ。これは、やっぱり、大画面でないといけませんよね。BD発売になっても、テレビじゃ小さくてあの迫力は感じられないと思います。

映画第一部公開というか、画像が出てきたときに、ああ、亡くなる3人がやたらとイケメンになっているね、というのが原作読みの共通した感想でした。本当にね。せっかくなので、再度画像のリンクを貼っておきます。トーリンがオルクリストを持っています。
◆The One Ring.netの中のページですhttp://www.theonering.net/torwp/2014/11/22/94915-thorin-fili-and-kili-banner-in-super-high-resolution/

こちらもどうぞ。トーリンはドワーフの剣を持っています。かっこよすぎなドワーフの王様と甥っ子たち。
◆The Hobbit Blog の中のページ
http://www.thehobbitblog.com/wp-content/uploads/2014/11/HBFA_30SHT_DWARVES_1926868.jpg


原作では、三軍の戦況が窮しているところに、突然トーリンたちが踊りだしてきて、戦況が一転するのです。「わしにつづけ!エルフたちよ、人間たちよ、わが身内の者たちよ!」という大音声がまた、かっこいいんです。でも、映画的には、この場面の前に、気持ちが病んでいたトーリンが復活するところの描写があって、よかったです。

カラスが丘の上の腕木信号をこわそうと、トーリンが精鋭3人を連れて登って行きます。大きな角の山羊にまたがっていくんですね。予告編では、山羊の引く戦車のようなものが出てくるのですが、だれが乗っていたかは見えませんでした。本編には無かったと思います。EEに入るのでしょうか。多分その山羊をはずして乗用にしてあったと思われます。しかし、たどり着いた時には、アゾクたちは隠れていて、罠だと気づきます。キーリとフィーリが偵察に出ますが、なんとそこでフィーリが最初につかまってしまって、いきなり殺されてしまうのでした。なんてこと!気の毒すぎる最後でした。
その後、レゴラスとタウリエルが加勢に入ります。キーリは、グンダバドからやってきたボルグと戦います。彼を助けようとしたタウリエルも苦戦し、さらにキーリは彼女の目の前で、殺されてしまうのでした。そうなるだろうとは、思っていたけど、やっぱり悲しいですね。

レゴラスから、グンダバドの軍が、カラスが丘から押し寄せてくるという情報を聞いたガンダルフは、エルフ王に、トーリンを助けに行くように頼みますが、これ以上エルフたちを殺されたくないと、拒まれます。
そこに、ビルボが来て、自分が行くと告げるのでした。ビルボは指輪をはめて姿を隠して敵の間をすりぬけて進みます。丘の上に着いて、オークと戦うビルボは、ここで、足元にあった石を投げて攻撃しています。ホビットは礫(つぶて)が得意技なんです。「ロード・オブ・ザ・リング」でもメリーやピピンがボロミアに加勢しようと石を投げていましたね。

ただ、途中でオークに頭を殴られて、ビルボは気を失ってしまいます。原作では、ビルボは五軍の戦いには参加していません。あまりにも小さくて非力なので、指輪をはめて傍観しています。エルフ王とガンダルフたちといっしょに居て、いざとなったら、エルフ王を助けようとは考えていましたけれども。ところが、岩が落ちて来て頭にあたり、気を失ってしまって、最後までは見届けていないのでした。でも、それでは映画になりませんからね。勇敢にトーリンを助けに行くのですね。でも、頭を打って気を失うシーンが、ちゃんと入れて有るところが心憎いです。

レゴラスのアクションは、映画の中でゲーム部門担当、という体でしたね。多分コラボでゲームも発売されるので、それを意識した部分が多かった気がします。そういえば、第一部を映画館で見終わった後に、ああ、ゲームやりたくなったと言っている青年が居ました。映画の見方、作り方もいろいろです。

レゴラスの戦いと、トーリンの戦いのシーンが錯綜します。ほかのオークも襲って来て、トーリンは苦戦します。レゴラスの相手ボルグは、湖の町でも戦って決着がつかなかった、手ごわい敵です。何しろ初めてレゴラスに血を流させた相手ですから。
戦いのさなか、トーリンが窮地に陥っているのを見たレゴラスは、少し躊躇したあとに、第二部でトーリンから取り上げて、自分で使っていた、古のエルフの名剣オルクリストを投げて加勢します。原作では、オルクリストは取り上げられたままなのですが、あの剣がトーリンに使ってもらうことができたのは、見ていて嬉しかったです。

3D版では、オルクリストを手にした凛々しいトーリンの、剣の切っ先がこちらに伸びてくるところが圧巻でした。

オルクリストを取り戻したトーリンは力を得て戦い続けます。このシーンは観ていて辛かったです。一騎打ちとなる大将のアゾグは最強の敵で、なかなか倒すことができません。やっと倒したと思っても、さらに反撃されてしまいます。絶対絶命の不利になった状況で、トーリンはあえて自分の胸を刺させておいて迫った相手の胸を突き刺し、ついに勝利を得るのでした。あのシーンの、トーリンの冷めきった表情と、刺された瞬間はぞっとしました。

宿敵を倒したものの、瀕死の重傷を負ったトーリンに、正気付いたビルボが駆け寄ります。トーリンは最後に会えて良かったと、和解をして息を引き取るのでした。一人で彼を看取ったビルボの辛そうな姿は、やり切れませんでしたね。

原作でも、戦いの後ではありますが、ビルボは呼ばれてトーリンに会い、和解して別れを告げます。何度読んでも、聞いても、本当に胸の詰まる悲しい場面です。

ビルボが声をあげて泣く、という原作にのっとった、感動のシーンから、ぱっと切り替えでタウリエルの泣き顔のアップになってびっくりします。この映画の編集に一つ文句をつけるなら、ここだなあと、実は毎回思います。原作にいないタウリエルは、意外と潤滑油的にいい存在だったんだけどなあ。せめてもう少しひきの映像にしてほしかったです。

この三部作の映画の情報が出てきたときから、エバンジェリン・リリーの出演がとても大きく取り上げられ、宣伝されていて、どうなるんだろうとちょっと心配していたのですが、これが、意外と成功していて感心しました。これは、あえて、原作にいないエルフだったから良かったんですね。
「ロード・オブ・ザ・リング」第一部では、アラゴルンの恋人であり、深窓の姫君であるアルウェン姫が、戦う女エルフになっていたので、非難ごうごうだったんですよね。あわてて、第二部から設定を変えたので、撮影してあったリブ・タイラーの戦闘シーンはカットされてしまったそうです。気の毒に。思えば、懐かしい話です。

トーリンが戦っている間に、さらにグンダバドのオークの大群が押し寄せて来て、敵が合流したら三軍はもう持ちこたえきれないだろうとなった時に、遠くからたくさんの大鷲が飛んできてオーク軍を攻撃して食い止めます。第一部でオークの襲撃から、ドワーフたちを助けてくれた鷲たちです。鷲にはラダガストが乗っていました。そして人の形のビヨルンも乗って来ていて、高いところから飛び降りたと思うと、大熊の形に変身して敵をなぎ倒していくのでした。原作通り、ビルボが気づいて、鷲が来た!と言っているのは良かったです。なんだか、どんどん違う展開になっているのに、どこかで少しずつクロスしているのが面白いです。でも、もう少し、ビヨルンが来たことをアピールして欲しかったな。ほんの一瞬でしたものね。

原作では、この鷲が来たところで岩が落ちて来て、ビルボは気を失ってしまうので、ビヨルンの戦う姿は見ていないのでした。もちろん、トーリンの倒れたことも知りません。トーリンは獅子奮迅の戦いをするも、あまりの多勢に傷つき倒れます、またフィーリとキーリ兄弟も伯父をかばって戦い力尽きるのでした。そこにビヨルンがやってきて、トーリンを助けて運びだし、もう一度戻ってさらに激しく戦います。原作では総大将のボルグもビヨルンが倒すのでした。でも、肝心のビルボがひっくり返ったままでは、映画的には納得がいきませんからね。この、トーリンをビルボが一人看取るというのは、秀逸の演出だったと思います。

◆帰りの旅 The Return Journey

戦いが終結したところで、なんだか、美味しいところを最後に持っていったスランドゥイルさん。レゴラスとの確執は、映画独自のものですが、さらにPJがこの映画を「ロード・オブ・ザ・リング」を含めて6部作と意識している台詞が入ります。もちろん、原作が書かれた時には「指輪物語」ができる予定はなかったので、こんなやり取りはありません。何しろ、レゴラスは原作には出てこないし、スランドゥイルさんの名前もでてこないんですから。ともあれ、森には帰らないと言ったレゴラスに、それならドゥネダインを探せ、その中の「ストライダー」と呼ばれる若い男に会うといい、アラソルンの息子だ、と告げます。もちろんアラゴルン(「ロード・オブ・ザ・リング」の時に80歳ぐらいの設定だったから、このころは20代ですね)のことです。ただし、名前はあえて言っていません。
ここで、旅の仲間がそろいましたね。第一部の冒頭でフロドが登場し(サムとメリーとピピンはホビットということでくくるとして)、第二部でギムリの肖像画が出て来て、第三部では台詞のなかに、ゴンドールが出てきました。ボロミアの国ですが、まだ彼は生まれていません。時系列で映画をみても、これでつながりができるわけですね。PJ映画「ロード・オブ・ザ・リング」のファンなら忘れもしない、エルロンドの会議で「彼はアラソルンの息子アラゴルンだ!」と言ったのがレゴラスでしたね。彼の最初の登場シーンだったかな。もちろん、今回のシーンをみながら、うわあ、と思いましたよ私は。ちょっとやりすぎではないかと。でも、きっとこれくらい派手でいいんでしょうね。レゴラスのシーンは。それに、スランドゥイルさんも素敵だから。

戦いが終わるとすぐに、ビルボはホビット庄への帰途につきます。バーリンと、生き残ったドワーフたちに別れを告げます。もう?と思ったけれども、原作のように「お茶は四時、でもいつでも歓迎だよ」というセリフがあったのは、とても嬉しかったです。これは、大事よね。

帰りの旅は、初めからガンダルフと二人だけでした。あそことかこことか冒険をした場所を通ったとはいえ、ビヨルンのおうちにも、裂け谷にもよらなかったのは、残念でしたね。荷物用の小馬も引いていなかったし。

そうそう、第一部で三人のトロルの宝物を埋めておいたところも、素通りでしたね。延長版(EE)では入るのでしょうか、第一部の冒頭で、年老いたビルボがフロドに宝箱の中身はまだトロル臭いと言っていましたよね。

◆もとの古巣 The Last Stage

ホビット庄に入る前に、ビルボはガンダルフとも分かれます。別れ際に、ガンダルフは原作の最後の台詞を言っています。「…だがその、あんたにしても、この広い世間から見れば、平凡な一人にすぎないのだから」というところです。もちろん、指輪については映画のオリジナルです。これは映画「ロード・オブ・ザ・リング」へつなげる謎ですね。ビルボは無くしたと言っているけれど、ガンダルフはもちろん嘘だと見抜いているし、ビルボもわかっているのでしょう。二人とも、そんな目をしていました。いいシーンです。

ホビット庄では、ビルボが死んだことにされてしまっていて、家の物が競売にかけられているところに帰ってくるシーンはちゃんとあって、ホッとしました。何しろ、帰りの旅がほとんど省略されていましたから。

ビルボが、本人だとわかる証拠はあるのか、と言われて、第一部でサインをした契約書を出します。読んだホビットが、トーリン・オーケンシールドとは誰だと訊ねます。ここは、ふたたび感動の台詞ですね。一度「彼は…」と、間をおいてから「彼は友達だ」と。ここは、ドワーフたちの別れ際のバーリンとの会話を引き継いでいます。「彼は…」と何度か言いよどんで、最後まで言わずそのままエレボールを去ったのでした。

このシーン、字幕はどうなっていましたっけ。英語は「He was my friend.」でしたか、wasが、もう亡くなったことを表しているけれども、だから胸が詰まるんだけれども、日本語だと一言で言えないですよね「友達だった」だけだと、仲違いしたままのような意味になってしまいますからね。翻訳は大変ですね。

競売で荒らされた家の中で、ビルボはハンカチを見つけます。そう、第一部で、意を決して家を飛び出して、契約書を渡して小馬で歩きはじめてから、ハンカチを忘れたから引き返すと言いだした、あのシーンが思い出されます。思えばあそこから一年間の長い旅を経て、また家に帰ってきたのでした。

原作のように何年か後に、バーリンが訪ねて来てくれたら、なおよかったんだけど。スマウグの荒らし場である谷間には、バルドが町を築いて人々があつまり豊かになり、湖の町も建て直された話は、聞きたかったですね。

でも、あの終わり方にするには、省略せざるを得なかったでしょうか。ハンカチを手にしたビルボが、旅を思い出していると、指輪がまるで話しかけているように、音楽も不穏な指輪のテーマになり、ビルボは指輪をさわりたい衝動に駆られます。躊躇しながらも、指輪を手にすると、その手は、物語の始まりの時の111歳のビルボに変わっているのでした。ドンドンとドアをたたく音がすると、誕生日祝いに来たガンダルフだったという、このアイデアも良かったですね。まるでいままでビルボの思い出話を聞いていたような、感慨深いものになっていました。

ところで、「There and Back Again」はどこかの台詞に入っていましたか? 初めはこの映画のタイトルになってさえいたのですが。気づきませんでした。それから、ビルボが最後に詠んだ詩「道は、はてしなくつづく…(Roads go ever ever on …)」は聞きたかったんだけど、EEに入るのでしょうか。

訪ねてきたのがガンダルフだとわかると、ビルボは嬉しそうに「Come in! Come in!」と言っています。原作でも、ガンダルフとバーリンが来たときに嬉しそうに言っていて、普通の台詞なんだけど、あの、声の調子がなんだかとても嬉しかったです。そして、地図。いいですね。とても良い終わり方でした。

エンディングテーマの「The Last Goodbye」も良かったです。ビリーは、映画「ロード・オブ・ザ・リング」三部作を含めて、六部作のさいごの曲として書いたそうです。背景は、黒くならず最後まで、美しいイラストで見事に余韻も楽しませてくれました。拍手。



PJ映画第二部「ホビット 竜に奪われた王国(原題:The Hobbit: The Desolation of Smaug)」の感想のページはこちらです。

PJ映画「ホビット 思いがけない冒険」の感想のページはこちらです。

《youtubeへリンク》◆エンディングのビリー・ボイドが歌う「The Last Goodbye」
https://www.youtube.com/watch?v=q8ir8rVl2Z4



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このページの背景は「Pearl Box」さんから頂きました