念願の流鏑馬を見に行ってきました。動きが速いし観客が多くて、あまり上手く撮れませんでしたが、写真も少しあるのでご覧ください。(文章は2003年9月16日の日記と文章はほぼ重複しています)
鎌倉の鶴岡八幡宮へ流鏑馬を見に行きました。今までずっと行きたいと思っていたのですが、なかなかタイミングが合わず、やっと念願かなって行くことが出来ました。
乗馬のお友達と二人でいったのですが、お互い勝手が何もわからず、少し早めにと1時間前に到着したのですが、すでに自由席(といっても椅子などがあるわけではない、地面だけ)はいっぱい。ざっと眺めて仕方なく、木立の中に枝やくもの巣をよけながら立って見ることにしました。でもこれは実は正解でした。とってもいい天気だったので、何時間も炎天下にいるよりずっと楽だったのです。良い席を取るには神事の始まる2時間前に来ないとだめみたいです。神事が始まってから最初の馬が走り出すまで1時間、全部終わるまでにさらに1時間という具合。今回は、私たちは3時間ずっと立ちっぱなしでした。回りでは、奉納の3人が終わったら帰ってしまう人も多く、後半は、柵の一番前で見ることができました。
的からは遠くて音しか聞こえませんでしたが、ちょうど目の前が鎧姿の人が下馬するところだったので、場所的にはよかったです。的に矢が当たると、ぱーんと板の割れる音が良く響いて来ました。
流鏑馬は年に一度の例大祭の神事のひとつとして行われ、9月16日と決まっているそうです。
鎌倉時代の甲冑に身を包んだ、小笠原流宗家や射手たちが、やはり和式の馬装をした馬に乗って馬道を歩く姿は、華やかで綺麗でした。
流鏑馬は、三人の鎌倉式の服装をした人が奉納として射たあと、江戸時代式の略式の服装の射手が15人ほどで、全部で18人の演技を見ることが出来ます。馬は6頭が交代で走っていました。254メートルのまっすぐな馬場を走り抜けるあいだに、80メートル間隔で立てられた四角い板の的を射ます。さすがに初めの三人は見事三つ当てていましたが、後の人たちははずしたり、矢を落としてしまったりしていました。
馬は、キャンターですが、速い子やゆっくりな子、反動が大きそうな子といろいろで、それぞれ難しそうでした。馬場は普段は普通の道になっているので、馬が通るところは少し土を掘り返してやわらかくしてありました。石の参道を横切るところは砂がまかれていましたが、そこを走るときは、馬の反動が変わるので、乗り手も難しいだろうなと思いました。
テレビなどで見たときは、物凄く早くて弓をつがえるのは神業のように見えましたが、近くで見ていると逆に、一緒に呼吸を計ることができて、なるほど慣れれば出来ないことはない速さなのだとわかりました。もちろん、かなりな鍛錬は必要ですけれども。
的と的のあいだが80メートル、馬場馬術の馬場の長蹄跡が60メートルということを考えて呼吸を計ると、なるほど箙か腰に挿した矢をとり弦に番えて引いて射つ。時間的には余裕です。ただしかなり興奮して早く走る馬の上では大変です。矢の先は鏑矢といって丸くなっているものですが、羽根のついているほうがどうなっているのかとても興味がありました。というのも、今まで地上で射る矢は見たことがありましたが、流鏑馬のは違うと聞いていたので。たしかに少しV字のように広くなっているようでした。遠くてはっきりとはわかりませんでしたが。ひとつ残念だったのは、馬の背中の毛布が丸見えだった事。そう、人が寝るときに使う毛布をたたんで、馬の背を保護するために鞍の下に敷いてあるのです。普通のお客さんは馬やら射手の装束やらを見て、毛布までは目が行かないのかもしれませんが、練習のときはどこの乗馬クラブでも毛布を使うのは普通ですが、晴れの舞台に毛布の丸見えは違うでしょ、と思った次第です。せめて、何かそれらしい布で覆ってほしかったですよ。
馬は、ほとんど見た感じサラブレッドかな、という鹿毛、栗毛、葦毛のお馬でしたが、一頭だけ、いかにも中間種というぶち毛のお馬がいて、かわいかったです。キャンターも安定して早すぎず、乗りやすそうでした。
馬に乗らないし、競馬や今時のテレビしか見たことがないだろう人達の会話から、「案外ゆっくりなのね」「本当の戦争だったらこんな速さじゃないわよね」など漏れ聞こえてきました。うううん。競争が目的で、さらにその為に生産されたサラブレッドの競馬の早さを標準と考えてしまうのは、日本では仕方のないことなのでしょうね。鎌倉時代は、威厳を保つために見目良いお馬に乗るのが基本だったし、『やあやあ、我こそは…』という戦をしていたんだけれども(笑) もちろん、早く駆けさせる事もしましたが、何しろ槍持ち役が走ってついて来ていたんだしね。
あと、後ろで見ていた「おばさん」の会話で笑っちゃったのが、「あら、あの馬は年取っているのかしら、ずいぶん太ってるわ」というもの。私が、ずいぶん痩せた(夏バテ?)ベテラン馬が多いけど、あの子は体の張りがあってまだ若いかなと思っていた子でした。そのおばさんには、お馬が太って見えたようです。きっと自分のお腹やお尻が気になっていたのね。
射手の中には、映画「ラストサムライ」にエキストラ、または吹き替え?で出演した人がいるとか言っていました。どうも、場内アナウンスがあまりよく聞き取れなかったのですが、なるほど、さもありなんとは思ったのでした。
鎌倉の鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)の流鏑馬は、小笠原流の作法で行われます。小笠原流宗家の居る櫓の前を通るときは、必ず礼をするとともに、鐙を片方はずすそうです。写真ではわかりませんが、これも、作法のひとつなのだそうです。
左の写真だと、弓の長さが良くわかるでしょうか。人の身長より長い弓を馬の上であつかうのですから、本当に大変な鍛錬が必要だと思います。でも、射手の人をよく見ていると、矢を落として苦笑いをしていたり、結構余裕があるようにも見えました。多分、作法としてはいけないんでしょうけれどもね。
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