◆天使が神の命令と言って、一般の人に殺人を犯させる事件が続きます。サムが調査に行きますが、殺した本人は、警察に拘置されているのに、天使のお告げと信じているので、心穏やかでむしろ喜んでいるようです。
◆サムは、自分たちの仕事が悪霊やモンスターを殺してばかりで辛いものなので、天使の存在や神を信じたいとディーンに話します。何かが守ってくれていると信じたいと。ディーンは自分がそばにいて守ってやるといいますが、一人の人間でなく、もっと大きな存在がほしいと、サムは思っていたのでした。
◆そこでディーンは、天使は守ってなんかくれないと言います。彼が最後に聞いた母の言葉は
「天使が見守っているわ」
というものでした。幼いディーンを寝かしつける時にいつも言っていた言葉です。ディーンにとっては、大切な母の思い出であるとともに、天使を信じていた母が、悪魔に殺されてしまったという、辛い記憶でもあったのでしょう。サムは、母も天使を信じていたときいて驚くのでした。
◆お母さんに生きていて欲しかったという、ディーンの無念の思いと、母が早く死んでしまったために、甘えることも出来ず、留守がちな父の代わりに、小さいサムの面倒を見てきた苦い思いまでが見え隠れするシーンです。
◆このお母さんの言葉は、Episode20(42)につながります。涙が出るような瞬間の、遠い伏線のような、2人の会話です。
◆兄弟が調査のために教会の神父さんに話を聞きに行きます。壁には、大天使ミカエル(The archangel Michael)の絵がかかっています。炎の剣を持って悪魔と戦う天使は、クリスマスカードに描かれるようなものより、むしろ戦士のような恐ろしい存在なのでした。
◇"An angel of the Lord appeared to them, the glory of the Lord shone down upon them, and they were terrified."『主の御使いが現れ、主の栄光が彼らをめぐり照らしたので、彼らは非常に恐れた』 神父さんが話した、ルカによる福音書2章9節は、羊飼いの前に天使が現れてキリストが生まれたことを告げたシーンです。つまり最初のクリスマスの日の出来事でした。これは、お告げの天使なので、ミカエルさんではなかったでしょう。ミカエルは戦いの天使です。
■サムの台詞は、原語ではクリスマスカードではなくて「the Hallmark card version」と言っています。ホールマークはグリーティングカードや文具などの有名な会社です。
■亡くなった神父さんを呼び出すために、仮の祭壇を作る道具をスーパーで買い揃えているサムとディーン。「スポンジボブ」のマットを買っています。裏返して使えばいいんだそうです。
◆このエピソードのタイトル「Houses of the Holy」は、ディーンの大好きなバンド、レッド・ツエッペリン(Led Zeppeiln)のアルバムのタイトルでもあります。邦題は「聖なる館」。私もLPレコードを持っていました。このアルバムの中に「No Quarter」という曲がありました。歌詞は覚えていませんが、ロバート・プラントの声で「No Quarter〜」と歌っているのは今でも耳に残っています。懐かしいです。
ディーンが、モーテルのベッドで『魔法の指 Magic Fingers』という機械を使うのに、25¢(セント)コインがなくなったので、サムに持っていないか聞いています。25¢はクォーター(Quarter)と言いますね。これも、脚本スタッフの洒落なのでしょうか。多分そうですね。
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