◆アジア大会が始まってます。馬術の結果などは「日本馬術連盟」のHPで見られます。2010.NOV.15
「日本馬術連盟」http://www.equitation-japan.com/
「アジア大会」公式ページ(英語)http://www.gz2010.cn/en/前回このページを作ったのが、2004年のオリンピックの時でした。その後更新の無いまま放置状態ですみません、今回2010年の世界馬術選手権を機会に、項目を増やしました。2010.SEP.17
☆世界馬術選手権 The World Equestrian Games 2010☆ 4年に一度開かれる大会です。2010年はアメリカのケンタッキーです。今までは、ヨーロッパの国ばかりで、アメリカで行われるのは初めてだそうです。毎回少しずつ行われる競技が変わっているようです。今回行われる競技を、簡単にメモしておきます。
- ◆馬場馬術 Dressage
- オリンピックにもある競技です。規定の演技をする、「グランプリ」、「グランプリスペシャル」と、音楽にあわせた自由な組み合わせの「フリースタイル」があります。5人の審判によって採点され、得点の高い人馬が優勝。
- ◆障がい者馬場馬術 Para Dressage
- 今大会から新しく取り入れられた競技です。オリンピックの場合は、その後のパラリンピックで行われますね。
- ◆障害飛越 Jumping(show jumping)
- オリンピックにもある競技です。障害を落としたり、馬が飛越を拒否したり、規定タイム内にゴールできなかった場合に減点され、減点の少ない選手が勝ち。この大会の決勝は、上位4人が、乗馬を交換して他の三人の馬にも乗り、計4回ずつ競技をして競います。
- ◆総合馬術 Eventing(three-day event)
- オリンピックにもある競技です。2日目がやはり見ていて楽しいですね。
- ◆軽乗 Vaulting
- ほとんどの馬術競技は、基本的に馬の動きが評価されますが、これは馬の上でアクロバットかサーカスかジンガロのような演技をする、乗り手が重要な評価対象です。乗り手はレオタードのような衣装をつけて演技をします。真中に調馬索を持つ人がいて、馬は直径15メートルの輪を規則的な駆歩で走り続けています。
また馬術は通常男女の区別無く行われますが、この競技の「個人」は男女別です。ペアはバレエのように「パ・ド・ドゥ」と呼ばれ、男女一組です。どちらも14歳以上の選手。「チーム」は混合で、18歳以下という年齢制限がある場合と、制限の無い場合があるようです。チームは6〜7人ですが、馬の上には3人までしか乗ってはいけないそうです。
とても、華やかで面白いので、見ていて楽しいです。ちょっと、はらはらしますけど。
- ◆馬車 Driving
- 日本では余り見ることは無いのではとおもいます。この大会では、4頭立てのみです。御者と補助をする2人がのります。総合馬術のように、3日間で、規定、マラソン、障害があります。マラソンは、審判が御者の隣に乗って評価するのも面白いです。坂道や曲がりくねったクランクのような障害、水ごう障害もあります。もちろん飛び越えるのではなく、上手く通過するのですが、驚異的な手綱さばきに感動します。
- ◆耐久 Endurance
- まさに、マラソンです。100マイルの距離を走りますが、途中5箇所位のチェックポイントがあり、休憩を取るとともに、ドクターチェックがあり、馬の心拍数や足の状態などが悪いと失格になります。いかに馬をいたわりながら、長距離を走破できるかの競技。もちろん、早くゴールした人馬が勝利ですが、最後にもドクターチェックがあるので、気が抜けません。この競技は、走っても、歩いてもよく、急な坂などでは騎手は降りて馬と一緒に歩いたりもします。そこもまた面白いところです。
- ◆レイニング Raining
- これは、アメリカのカウボーイの仕事からはじまった、ウエスタンタイプの競技です。駆歩で大きい円、小さい円を描いて走り、真中で手前変換をして8の字に反対向きで走り、真中で騎手を中心に馬が回転するスピン、後退、そしてまた走ったと思うと、砂を巻き上げた派手なスライディングストップ。わかりやすくて、会場のお客さんが、演技中もずっと大きな声で応援するのも、他の競技と違う楽しいところです。ウエスタン乗馬では馬がドームがたに丸くなるのが正しい屈頭なのだそうです。スライディングストップは、馬が壊れそうですが、正しく乗っていれば、大丈夫なのだそうです。でも難しそうですね。一度、スピンをやらせてもらったことがありますが、ゆっくりでもものすごく遠心力を感じました。このクラスの選手の演技だと、凄く難しいと思います。見た目は楽しそうなんですけれども。
- ◆4年に一度開かれる「世界馬術選手権」(2010年9月25日〜10月10日)の公式サイト(別窓で開きます)
TPOページ http://www.alltechfeigames.com/
☆オリンピック Olympic☆
- 馬術 Equestrian
現在オリンピックの馬術競技で行われる種目は3つです。それぞれ団体と個人があります。
- 馬場馬術 Dressage
障害飛越 Jumping(show jumping)
総合馬術 Eventing(three-day event)
- オリンピックの馬術競技は1900年の大会で一度、障害飛越が取り入れられ、少し間があいて1912年からは、ほぼ今のような種目で競技が行われるようになったそうです。
現在は、選手の男女の区別の無い競技として有名な馬術ですが、オリンピックの種目になった始めの頃は、男性だけ、それもほとんど軍人さんばかりが参加していたそうです。1952年の大会から、民間人や女性も参加できるようになったとか。服装はそれぞれの競技にあわせたものがありますが、軍人や警察官はその制服で演技をすることもあるようです。
- ◆馬場馬術 dressage
- 馬の動きの美しさを競う種目です。歩様は、常歩、速歩、駆歩の三種類ですが、それぞれ収縮や伸長などバリエーションがあり、また弾力のある動きのピアッフェやパッサージュなど、馬と騎手の息のあった演技が見ものです。音楽にあわせた演技もあります。
男性も女性もシルクハットに燕尾の上着、白のブリーチという乗馬ズボンにブーツです。この競技は、元は軍馬のトレーニングから始まったそうです。
- ◆障害飛越 jumping(show jumping)
- 細い丸太(横木)や板、軽いブロック、水濠など、高さや幅のある障害を、落としたり踏み込んだりしないで飛越する競技です。減点法で、横木が落ちたり、騎手と馬の呼吸が合わなくて、馬が障害の前で止まってしまったり、制限時間より長くタイムがかかったりすると、減点されます。最後まで減点の無い人が複数いると、ジャンプオフで、タイムの勝負になります。
日本人の唯一の金メダルは、1932年ロサンゼルス大会での、西竹一中尉とウラヌス号でした。次の1936年も参加しているようですが、そのときはメダル獲得はありませんでした。
この競技、もともとはイギリスで今も行われている、狐狩りから始まったそうです。農場の害獣である狐の駆除のため、本当の農場のフェンスを飛び越えたりして、狩りをしていたのですね。
- ◆総合馬術 Eventing(three-day event)
- その名の通り、3日間かけて競技をします。1日目は馬場馬術、2日目はクロスカントリー(スティープル・チェイス)、3日目は障害飛越です。1日目と2日目は、きりっとした猟騎帽とジャケットですが、2日目は動きやすい服装で行われます。クロスカントリーの障害は固定障害で、実際の野外のコースに大きな丸太を組んだものや、急な坂や堀、自動車が障害として使われたりもします。それぞれ、騎手にも馬にも得意ジャンルがありますが、やはりすべてに優秀でかつスタミナがないと勝てない種目です。私は映像でしか見たことがありませんが、とにかく観戦するのには楽しい種目です。
日本ではあまり盛んではありませんが、ヨーロッパではとても盛んで、大会があるとピクニック気分で観戦する人達でにぎわうそうです。この競技もまた、軍馬のトレーニングが元になったものだそうです。
- 近代五種 Modern Pentathlon
- この競技は、馬術とは別ですが、乗馬も含まれます。やはり1912年から種目に取り入れられたそうです。
19世紀のフランスの騎馬将校が、敵陣を越えて通信文書を運ぶ命令を受け、ピストルで戦い、剣で戦い、馬が斃れると、川を泳いでわたり、自分の足で走って、任務を遂行したという故事にちなむとか。
「射撃(エア・ピストル)、フェンシング(エペ)、水泳(300m自由形)、馬術(障害飛越)、ランニング(4000m)」を一人で一日でこなす、ものすごいハードな競技です。これもやはり始めのうちは、軍人さんばかりが参加していたそうですが、現在では、女子もある競技です。普通の馬術競技では、自分がいつも乗っている、何年も調教に時間をかけた息のあった馬を連れて行って使います。ところが、近代五種では、たったの20分前に初めて乗る、大会主催者が用意した馬で競技にのぞまなくてはいけません。つまり、短い練習時間で、馬の特徴や癖をつかんで、折り合いをつけて障害飛越をしなければいけないのです。それも、すでに3つの種目をこなして疲れているときにです。本当に凄い競技ですね。
- おまけ:ポロ Polo
- 現在はオリンピックの競技に含まれていませんが、過去には行われた事があるそうです。1900、1908、1920、1924、1936年と、断続的に行われたようです。
- おまけ2:軽乗 Vaulting
- 1920年に一度だけ、ボルティングも行われたそうです。一人の人が調馬索で円形に駆歩をさせている馬の背中の上で、選手は体操のような演技をします。個人と団体があります。一定の歩様を保ちながら、大勢乗せるお馬も大変です。馬術の世界選手権では、正式種目ですが、オリンピックには定着しなかったのですね。もっとも、世界選手権でも18歳までの若い人のための競技ですが。
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