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馬の本
OPEN OCT.22.1998 / UPDATE MAY.29.2013



「馬の本 番外編 ディック・フランシス」を作りました。2010.FEB.15

★図説/馬の博物誌 ★競走馬私論 馬はいつ走る気になるか ★はじめての乗馬 
★ホース・ウィスパラー ★馬よ花野に眠るべし ★平家物語 ★指輪物語

HORSE 優しい馬の描き方:骨格・生態・バランスがわかる
ジェニファー・ベル著/マール社

アマゾンjp.へジャンプ(別窓) このページを見に来て下さる方は、お馬の絵を描くための画像検索などの方もいらっしゃるかもしれませんね。そんな方には、お役に立つと思います。描かなくても、見るだけでも楽しい本ですよ。

イラストレーターの方の書いた本で、とても基本的で的確な描き方の指南本です。馬の体の構造、いろいろなポーズ、馬の種類、馬具、乗り手、漫画、背景など、いろいろな視点から説明されていて、意外と薄い本ですが、中身が充実していて、お手頃価格です。巻末に日本版だけのふろくとして、世田谷の馬事公苑で撮影した、いろいろな馬の写真が掲載されています。興味のある方は是非、画像をクリックしてみて下さい。アマゾンjpのサイトでは、中身も少し見ることができます。



図説/馬の博物誌
末崎真澄 編/河出書房新社

アマゾンjp.へジャンプ(別窓) 馬の本を、なにか一冊というのに、値段も厚さもちょうどいい本です。編者は、横浜にある「馬の博物館」の学芸部長だそうです。「日本の馬と馬文化」「馬と乗馬の歴史」「競馬場の名馬たち」「絵馬」「馬頭観音」「生物学からみた馬文化」という項目で、それぞれ興味深い内容です。
図版資料は、埴輪からステイゴールドまで。絵画や写真などカラーも多くて、眺めるだけでも楽しい本です。コラムには、ナポレオンの「マレンゴ」、ウェリントンの「コペンハーゲン」の話などがあって、面白いです。広く浅くだから、知っている事については物足りないけど、知らなかった事が沢山書いてある、楽しい本です。古代オリンピックにの競馬競技は、途中で人が飛び降りて馬と一緒に走ったんだって。


競走馬私論 馬はいつ走る気になるか
藤澤和雄/著 クレスト新社
文庫版タイトル:競走馬私論―プロの仕事とやる気について 祥伝社黄金文庫

 競馬だけでなく馬が好きな人には、是非読んで欲しい、お勧めの一冊です。著者は、JRA調教師 藤澤和雄。最近ではタイキシャトルの仏GI勝利が有名ですが、私にとっては競走馬の中の競走馬シンボリルドルフがいたころの野平調教師の調教助手をしていた人でもあります。
競馬ファンにはおなじみですが、私は本を読んで初めて知った、5年連続リーディングトレーナーという名調教師の、馬に関する考え方と自分なりの接し方が書いてあります。『ハッピーピープル・メイク・ハッピーホース』イギリスでの経験でえた言葉から本がはじまります。彼は『馬をハッピーにしたい』んです。これは何でも無い言葉の様ですが、とても大切なことなんです。競馬など、どうしてもお金が絡んでくる場合、馬は「物」になってしまいがちです、早く走ればいい、怪我をしなければ病気にならなければそれでいい、というだけになってしまいがちです。でも、そんな扱いをされたのでは馬は嬉しくない。もちろん馬が何を感じているかを知るのは難しいけれど、馬の習性を知り、なるべくストレスをさけ、無理をさせず、気分良く走る、という調教をしているのが、この藤澤調教師です。
馬は好き勝手に走るのは好きだけど、人に強制されて走りたいとは思わない、毎日きついトレーニングをしていれば「馬房から出ると辛い目に遭う」と思って外に出たがらなくなったり、逃げようとするようになってしまう。「今、がんばっておけば、本番で楽だ」とは馬は思わない。思うのは人間で、レース前に絞っておこうと考える、これは馬の嫌な記憶になってしまうし、ストレスにもなる。だから彼の調教は、無理をさせず「馬なり」で走らせる『馬を苦しめないで鍛える』トレーニングを心がけているそうです。それで、結果が出ているのですから、否定できる物では無いでしょう。もちろんその分、人の負担は多くなり、彼の厩舎で働く調教助手や厩務員さん達は大変な様です。でも、みんな馬を大切に考えている人たちばかりのようで嬉しいです。
いままで、競馬はほとんど知らなかった私ですが、この頃少しずつ色々なことが見えてきて、興味が出てきました。今度は競馬を厩舎で見てみようかな☆

余談になりますが、この本を読んでいて、ディック・フランシスの小説の一節を思い出しました。ある厩務員の女の子、彼女はとても馬を大切にしてかわいがっています、そして他の人がこう言うんです「彼女が世話をした馬は、みんな良く走るんだ」。

アマゾンJP.へリンク→競走馬私論―プロの仕事とや...祥伝社黄金文庫

はじめての乗馬
千葉幹夫 監修/高橋書店

読み物ではなくて、入門書です。
乗馬を初めてみようかな、とか、少しは乗ったことがあるけど、本は持っていないという方にお勧めの一冊。

馬と馬具についての基礎知識から、簡単な馬術まで。写真と絵で、わかりやすく解説してあります。乗馬はとにかく、乗ってみないとわかりませんので、知識ばかりあっても仕方がないのですが、ちょっとしたことの参考に見るだけでも、入門書は持っていたいですね。

他にもいくつか入門書を見たけど、これはとても見やすく、わかりやすいです。特に、写真のモデルになってるお馬さんがかわいい☆「好奇心」の顔の写真など正面顔のアップがキュート☆眺めるだけでも、楽しい本です。


ホース・ウィスパラー
ニコラス・エヴァンス著、村松潔 訳/新潮文庫

映画「モンタナの風に抱かれて」の原作本です。原題の意味は、「馬にささやく人」ですね。ロバート・レッドフォードのやった役がそれです。

手に負えない馬、心に傷を負った馬を、素直に人間とコミュニケーションの出来る馬にする人。たいていは、人間の方に問題があるので、馬の人間に対する信頼を回復する、という方が正しいかも知れない。もちろん、鞭を使ったり、怒鳴ったり、荒っぽいことなど、いっさい無しでです。

この、モデルになった人は、本当にすごい人だそうです。未調教の二歳馬を、数十分くらいで人を乗せるまでにしてしまうそうです。今まで、数千頭の馬を相手にして、出来なかったのは、2〜3頭という驚異的な数。その方法というのは、馬に恐怖心を与えず、信頼を得て、馬の方からついてくる様にさせる事から始まります。本当に、馬の心がわかる人で無ければ出来ないと思います。もちろん、普通に乗馬をする者にとっても、学ぶべき部分がたくさんあります。

さて、お話の方はというと、期待しすぎたのがいけないのか、うーーん。本当に、アメリカでベストセラーになったの?という感じのお手軽な「不倫の恋のお話」なの。結末がいけない。せもてもの救いは、女の子がホース・ウィスパラーの様に馬に接することが出来る様になったというところかなあ。

心に傷を負った、馬と少女と母親を、ホース・ウィスパラーの彼が癒していくという筋なんです。まず冒頭の交通事故で、少女の友だちと馬が死に、彼女も片足を失い、馬も体と心に深い傷を負ってしまう。そこからして、かわいそうで、読むのが辛い。映画なんか、画像で見せられるから、もっと無惨でした。映画の方は、景色がきれいで、そこはなごむけれど、、、。とにかく、馬が立ち直れたのは良かったし、少女もまた馬に乗れるまでに回復したのも嬉しいので、全くつまらない話では無いのですが。

馬が好きだからという理由で、読むストーリーとしては、物足りなかったです。


馬よ花野に眠るべし
水上 勉著/中公文庫

第二次大戦が終わったとき、天皇陛下の物として、兵隊達より大事にされていた馬達は、「払い下げ」と言う形で、その土地の人たちによって、食肉にされてしまっていた。主人公の善六は、馬卒として、担当していた栗毛のせん馬「敷島」が、同じ運命になるのがたえられず、有り金をはたいて、払い下げて貰う。

馬と一緒に、歩いて故郷へ帰り、「馬子」として働くようになる。その後、朝鮮戦争があったり、「敷島」の姿が美しいので、映画に出演することになったり、ホテルの新婚者向けの馬車を引くようになったり。周囲の冷たい目にもめげず、病気の馬を、必死になって看病する善六。飾り気のない、現実の中に生きていく、一人と一頭。

ものすごい盛り上がりがあるわけではなく、淡々とした語り口が、誠実な善六の馬への深い愛情を良く伝えてくれます。馬を愛し、馬とともに生きた人間の、静かなしみじみとした、感動のドラマです。おすすめの一冊。


平家物語
岩波書店 日本古典文學大系32,33 他 

これを、の本として紹介するのは、私だけでしょう。でも、文学の中のにロマンを感じるのは、やはり、平家物語。

武将の乗る馬達の活躍。に乗って戦をするのは、まさに、自分の命を預けているような物だから、名馬がどんなに大切にされたかは、想像に難くないでしょう。

平家物語の馬については、別にページをもうけて、詳しくご紹介していくつもりですので、お楽しみに☆

平家物語の馬へ


指輪物語
評論社

映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作ではなくて、あの映画が、この作品を映画化したのです。でも、映画を見てから読んだ人も多いですよね。私も映画が話題にならなかったら、まだ読んでいなかったでしょう。
ぜひぜひ、映画のフィルター抜きで読んでいただきたいです。さらにすばらしい世界が広がると思います。
例によって、この本を『馬の本』だと紹介するのは私だけでしょう。でもね、
こ〜んなに沢山馬が出て来るんですよ。馬好きの人には、是非お勧めのファンタジーです。

◆指輪物語ファンページ「Ride on!」も作りました。良かったらご覧ください。
未読の方は、まずこちらで■「指輪物語」のお話と人物
「指輪物語」の中の馬
「指輪物語」の中の馬が出てくる詩
「指輪物語」の中の馬リスト



◆これからも、追々追加していきますので、また見に来てくださいね。


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