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クラシック音楽&バレエ
とっても主観的感想集
1999年分

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1999年
★ヨコハマ ザハール・ブロン ヴァイオリンセミナー 特別演奏会
「ヴァイオリンとギターの饗宴」を聴きに行きました
 横浜みなとみらい小ホール'99.DEC.22
★N響12月C定演を聴きに行きました NHKホール'99.DEC.11
★TVで「ベルリン・フィル定期演奏会」を見ました NHK教育'99.AUG.08
★「ヨコハマ ザハール・ブロン ヴァイオリンセミナー記念演奏会 コンチェルトの夕べ」に行ってきました 横浜みなとみらいホール '99.JUL.13
★ベジャールのバレエ「くるみ割り人形」を見てきました 神奈川県民ホール '99.MAR.17
★「マラーホフの贈り物」を見てきました'98.NOV.14



ヨコハマ ザハール・ブロン ヴァイオリンセミナー 特別演奏会
「ヴァイオリンとギターの饗宴」を聴きに行きました 横浜みなとみらい小ホール'99.DEC.22

ワディム・レーピン、樫本大進、マキシム・ヴェンゲーロフ、庄司紗矢香、などを教えた(ている)ザハール・ブロン先生のコンサートでした。ブロン先生は7月、12月、来年3月と横浜でセミナーをやっているんですね。前回もそれに合わせて、レーピンと樫本大進の3人のコンサートがあったんです。(このページの下の方にレポートしてあります)
今回は珍しいギターとの共演で、コレッリ、ヴィヴァルディ、ピアソラ、パガニーニと、面白い曲がいっぱいでした。
パンフレットによると、パガニーニの「バイオリンとギターのためのソナタ」は、パガニーニが活動をしていなかった「空白の4年間」というのがあって、恋人と同棲していたらしいんだけど、その貴婦人が、ギターが大好きで、プライベートな楽しみのために作った曲とのこと。なかなか、軽いタッチの楽しい曲でした。
考えてみると、クラシックギターってあんまり聞いたことがなかったので、新鮮でした。とても優しい綺麗な音が出る楽器ですね。今回、ギタリストのウラディミール・フロポフスキーが使っていたのは、19世紀に作られた珍しい楽器で、弦を巻くところがエレキギターのように、斜めになっていて、片側に6個のペグがある形でした。

この日、ザハール・ブロン先生は、多分絶好調では無かったと思う。こ、こんな音でいいのかっ、って所も確かにあったし、多分、レーピンなんかの方が、上手いと言ったら、上手いんだろうけど、でも、暖かい音で、包容力のある、安心して聞いていられる演奏でした。とりすました所や、高飛車なところが全然なくて、音楽が好きで楽しんでいる事を、聴かせてくれる演奏だったと思います。

サービスもたっぷりで、アンコールは、三曲も!!最後は「G線上のアリア」だったんですが、みんなが知っている曲で、入り込めたせいもあるんだろうけど、演奏が終わっても、しばらくは会場中がシーンと静かで、余韻に酔っている感じでした。良かったです。(最初に拍手したおじさん、早すぎたよ!!)

実は、会場で売っていた、先生のCDも買ってしまったのでした。まさに、オーソドックスな名曲集。シマノフスキーとかツィゴイネル、タイス、ブラームスのソナタとか、どれも結構個性的な演奏です。


N響12月C定演を聴きに行きました NHKホール'99.DEC.11

ものすごく久しぶりの、オーケストラの演奏会です。12月のN響のA、B定演は、変わった物が多くて話題だったんだけど、C定演はオーソドックスな演目でした。
今回は、たまたま休みの日に行けるコンサートで、良さそうなのを選んだら、これだった。という、いい加減な動機で行きました。開いていたのは、二階の奥か三階かで、三階の前目の席で聴きました。考えてみると、こんな席で、オーケストラを聴くのは初めてかも知れない。
いつも、一階の前の方から真ん中ぐらいで聴くから、わーっとオーケストラの音に包まれる様な感覚なんだけど、三階ともなると、音が遠いのね。全体の音が、ひとつになって聞こえるのではなく、個々の楽器の音が、はるばる飛んで来るって感じかな。一生懸命、耳を前に向けて聴いていないと…って感じだったのです。それはそれで、新しい発見でした。あの広いNHKホールだから、しかたがない事かも知れません。バレエなら、よく三階席で見たんだけどね。バレエだと、オーケストラの音に、それほど期待しないから、今まで感じなかったのかも知れないです。

さて、演目は「ベートーベン ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調『皇帝』」と「シベリウス 交響曲 第1番 ホ短調」でした。指揮は、シャルル・デュトワ、ピアノはレイフ・オヴェ・アンスネスでした。
「皇帝」は、アンスネスのピアノが、煌めくような綺麗な音で、良かったです。ピアノってあんまり、聞き込んでないので、どんなだったとは、あまり言えなくて…。演奏終わって、拍手なりやまず。アンコールを弾いてくれました☆ハイドンのピアノソナタ30番の3楽章だったかな(記憶が定かでなくて…)プレストで、わくわくしながら聴きました。良かったです。
「シベリウスの1番」は、あまり聴いたことがなかったのですが、さすがに、ドラマチックで楽しんで、聴けました。デュトワの指揮は、良くテレビで見るけど、奇をてらったところがなくて、気持ちよく聴けると思います。

それにしても、ピアノって本当にいろいろな表現が出来る楽器ですね。今更、何をって言われるかも知れないけど、バイオリン聴きの私としては、あの音を生で聞いて、改めて感心してしまった次第。今度の2月もピアノ協奏曲を聞きに行くんですが、ますます楽しみになりました☆



TVで「ベルリン・フィル定期演奏会」を見ました NHK教育'99.AUG.08

ベルリン・フィルの定期演奏会なんて、行けるものでは無い。それが、居ながらにして見られるというのはありがたい。演奏家のインタビューなんて、テレビ以外では見ることはまず無い。NHK様々である。と、思いませんか(笑)

ブラームスのバイオリン協奏曲とエルガーの交響曲1番。ロジャー・ノリントン指揮で、バイオリンはケネディという人でした。この、ケネディという人、外見からしてすごい。一応黒いジャケットだけど、右手は肘までまくっていて、髪は白黒染めわけでピンピン立ってるし、弾きはじめたら、またすごい、ダンスじゃないけど、音がするほど足をばんばん動かしてみたり、体の動かし方が半端じゃない。ジャズもやる人だというけれど、ベルリン・フィルとブラームスをやるぐらいだから、ただ者じゃないんだろう…ちょっと見、ブルース・ウィリスを、情けなくした感じ、って思ったのは私だけでしょうね(笑)

その前の、インタビューコーナーをベルリン・フィルのコンサートマスターの安永徹に、前進座の俳優中村梅雀が聞く形でやってたのが面白かったんだけど、その中で、ちょうど、安永徹が「音を聞いて貰うために、動きは少なくするように心がけている」というようなことを言っていたのが、印象的だったものだから、この正反対のケネディという人は、見てびっくりでしたね。

演奏も、やはり個性的。1楽章のはじめは、聞く方も驚いてるから、すごくいかものっぽいんだけど、演奏が進むに連れて、ぐいぐいと引き込まれる。カデンツァはやっぱり、ジャズもやる人という聴き方をしたせいかも知れないけど、かなり型破りっぽくて、でも、やっぱりブラームスなんだよね。3楽章の盛り上がりは良かったです。こんどは、生で聞いてみたいわ☆

「音楽の宝箱」にもケネディの事があります。


「ヨコハマ ザハール・ブロン ヴァイオリンセミナー記念演奏会 コンチェルトの夕べ」に行ってきました 横浜みなとみらいホール '99.JUL.13

横浜みなとみらいホールがザハール・ブロン先生を招いて開催するセミナーの記念公演ということで、教え子のワディム・レーピン樫本大進と先生の三人のコンサートでした。すごいでしょ☆
オーケストラは秋山和慶指揮、東京交響楽団でした。

ワディム・レーピンは、私の大好きな、「チャイコフスキーのバイオリン協奏曲」。彼のチャイコンを聴くのは初めてです。良かったです。第一楽章のソロは堪能させて貰いました。(第一楽章が終わって拍手が起こったけど、気持ちは解るよね。この盛り上がり方って、拍手を我慢する方が大変(笑))
第二楽章はレーピンだーって感じ。(これじゃ何も解らないでしょうが、CDで知っている彼のバイオリンの音だったのですよ)わーい生レーピンだ、と喜んでしまいました。
すごいのが第三楽章。にやっと笑って、弾きはじめたのが速い速い超絶技巧のバイオリン。こんなんでいいの?というくらい私には速く聞こえたの。もちろんそれが、良かったんですけどね☆ドキドキわくわくの、新しいチャイコンでした。

樫本大進は、「プロコフィエフのバイオリン協奏曲第一番」これは、チャイコンやメンコンみたいにメジャーじゃないけど、好きな曲です。現代音楽とまでは行かないけど、不思議な旋律が美しい。解説に「夢見るように」とあったけど、本当に夢の中のような不思議な旋律が魅力的。彼にとっては、どうなのかな?私はとても良かったと思います。新しい樫本大進を発見しました。

最後は、「ヴィヴァルディの3つのヴァイオリンのための協奏曲 へ長調」三人とも楽しんで弾いていたようですね。第二楽章の樫本のパートは全部ピチカート(弓を使わず指ではじく弾き方)で、これがハープのように美しかったです。その時、レーピンが樫本の弓を受け取って使ったのはどういう意味だったのだろう、、?

アンコールはその第二楽章をもう一度でしたが、レーピンと樫本がパートを入れ替わって演奏していました。レーピンがちょっと自信なさげに弾いていたのは、わざとかな?最後に先生が、じとーっと彼をみていたのはご愛敬。弟子二人の笑みを浮かべて交わす会話が気になる、和やかなステージでした。

それにしても、レーピンは大きくなりましたね。先生と樫本が小柄なんだろうけど、あの神童と呼ばれた彼も、すっかりベテランのバイオリニストです。あんまり、愛想が良くないところが、彼らしい?服も黒の詰め襟みたいな形(ファッションの事は解らない私)ので、蝶ネクタイじゃ無かったし。
樫本大進は、演奏が終わった後の、指揮者との挨拶を恥ずかしそうにするのが癖ですね。
最後のヴィヴァルディの後、先生はレーピンには頬にキス、樫本には握手をしていました。それだけでも恥ずかしそうな樫本に、レーピンはわざと頬にキスをしていました。大進君恥ずかしそうに、何かレーピンに言ってたけど、何て言ったんだろう?だってヨーロッパ生活長いから、慣れていないわけでは無いでしょうにね(笑)

久々のライブだってだけでも、感動なのに、とても素敵な演奏会で、ハッピーでした。土砂降りの雨の中行った甲斐があった。このごろ、TVやCDばかりだったからな…やっぱり、生はいいですね☆


ベジャールのバレエ「くるみ割り人形」を見てきました 神奈川県民ホール '99.MAR.17

「ベジャールはもういい」と言いながら、つい行ってしまう、「もしかしたら」と思いつつ、、、。でも、もういい(笑)

東京バレエ団による、日本初演でした。このバレエは、彼のお母さんの生誕100年記念(!?)で振り付けられた作品で、お母さんの思い出というか「ボクがマザコンになった理由(わけ)」って感じの作品でした。

彼の7歳の時にお母さんは亡くなって、お母さんと結婚したかったボクは、バレエと結婚したンだそうだ。ベジャール本人のだろう、日本語のモノローグと映像のビデオが入って、大チャイコフスキーの音楽の流れを、いちいちぶつ切りにしてくれるし、努力はしたんだろうが、へたな日本語は、耳障りだし(「母」の発音は、がんばったね〈フランス語の人にはかなり難しいらしい〉)結構解りやすい振り付けだったから、もう少しマイムなどを入れてセリフ無しにした方が、よかったんで無いの?ついでに「くるみ割り人形」にする必要は、どこにあったの??

主人公「ビム」吉田和人は可愛かった。怪しい狂言回し「M」(マリウス・プティパ、メフィスト、、を意味する)首藤康之は適役。ねこの「フェリックス」五島和雄も元気で良かった。見ている方より、踊る方が楽しそうなバレエでした。

一番良かったのは、マリウス・プティパに敬意を表して、オリジナル振り付けのまま踊られたグラン・パドドゥ。斉藤友佳理はやっぱりいい、きれいだし、優雅さ、安定感、華やかさ、、見ていて、わくわくするダンサーの一人です。

この前の、「バレエ・フォー・ライフ」も最後のショルジュ・ドンの映像が無かったら、「なんだったの?」って状態だったけど、今回も、斉藤友佳理と木村和夫のグラン・パドドゥに救われた。って所でしょうか。

私の場合、「ベジャールが好き」なのではなくて、その才能のすごさに圧倒されて、感動していたのね。だから、最近の様にスケールが小さくて、こぢんまりとした物を見せられると、ちょっと寂しいです。


「マラーホフの贈り物」を見てきました '98.NOV.14

バレエ公演「マラーホフの贈り物」を見てきました。
以前は、月に一度か二度ぐらいは、歌舞伎やバレエを見に行っていたのだけど、この頃あまり行かなくなっていて、かなり久しぶりでした。

前に「世界バレエフェスティバル(97年)」を見に行ったとき、この年のは、期待していたほどでもなくて、良かったのは、バランシン振り付けの「シルヴィア・パ・ド・ドゥ」を踊ったマラーホフだけって感じだったの。
マラーホフは、まさに王子様☆やっぱりね、バレエは、優雅で気品のある王子様がいなくては!!と思う私としては、大満足だったわけです。

で、今回はというと、彼が良かったのは、ナチョ・デュアト振り付けの「レマンゾ」。男性だけ3人の小品。シンプルな衣装で、彼のしなやかで優美な腕の動き、体のラインが、きれいでとってもすてきでした。

でもアラン・パーソンズの「コート」という作品は、うーん、違うのが見たかったぞ。と思ってしまいました。真っ暗になった舞台に、規則的に光るフラッシュのような照明が、ジャンプの頂点にいる瞬間を捉える。見ている方には、彼がずっと空中にい続けていると錯覚するような作品。しかし、一つ呼吸を間違えば、種はばればれ。どうしてもね、0. 何秒か、ずれる。欲しいのは、頂点なんだけど、、、。
パーソンズ本人のを、見たことがあるんだけど、まさに、完璧でした。それを、なぜマラーホフが、やらなければいけないのか、彼の為に振り付けが少し変えられていたとはいえ、彼の良さは、あのしなやかな、体が描く動線にあると思う、一瞬を切り取る意味は、無い。私としては、納得のいかない、演目でした。

今回特に良かったのは、ルシア・ラカッラとシリル・ピエールのパ・ド・ドゥ。「白鳥の湖」2幕のアダージョと、「弦楽のためのアダージョ」どちらもしっとりと、美しい詩情あふれる踊りでした。「白鳥・・」の方は、最近元気なというか、力強いイメージのダンサーが多い中で、しっとりと、気品のある踊りが新鮮でした。




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このページの背景は「手作りCandy」さんから頂きました。