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クラシック音楽&バレエ
とっても主観的感想集
2000年分

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2000年
★「ロリン・マゼール指揮、バイエルン放送交響楽団演奏会」 みなとみらいホール 大ホール '2000.OCT.31
★「第3回鎌倉芸術館・N響定演」 鎌倉芸術館 '2000.SEP.23
★「チョン・ミョンフン with ヤングアーティスツ」 オーチャードホール '2000.SEP.01,02
★熊川哲也 「K-BALLET COMPANY 2000 カルメン」 東京文化会館 '2000.JUN.24
★「セブン・スターズ・ガラ・コンサート」 東京オペラシティ コンサートホール'2000.MAY.12
★2000年・NHK放送75周年事業 「NHK交響楽団 特別演奏会」 NHKホール'2000.MAY.07
★「チョン・ミョンフン フランス国立管弦楽団演奏会」 サントリーホール 2000.FEB.10


「ロリン・マゼール指揮、バイエルン放送交響楽団演奏会」に行きました みなとみらいホール 大ホール '2000.OCT.31

グリンカ「リュスランとリュドミラ」序曲

ブラームス「バイオリン協奏曲」 バイオリン:樫本大進

マゼール「ヴェイパース&ケイパース〜アイルランドの9つの詩(うた)〜
ナレーション:江守徹、山本郁子

ストラヴィンスキー  組曲「火の鳥」(1919年版)

実はこの公演には行かないつもりだったのです。大好きな樫本大進くんだけど、マゼールで、とにかくチケットが高い!ついでに、曲も「火の鳥」と、マゼールの自作日本初演となる「ヴェイパース&ケイパース」ナレーションが江守徹…というのが、どうもピンと来なくて。でも、たまたま休みだったので、やっぱり、大進くんのバイオリンが聴きたくて、行ってしまいました(*^_^*)

だってブラームスですよ、良かったです。前回のブルッフは穏やかな演奏だったのに比べて、かなりエネルギッシュでした。マゼールの指揮も、息がぴったりといった感じで、聴き応えのある演奏でした。
第3楽章の後半、さあ盛り上がるぞというところで、ばんっと小太鼓を打ったような音がして、何かと思ったら、大進くんのバイオリンの弦が切れたのでした。しかし、彼はあわてず騒がず、コンサートマスターの楽器をかりて、引き続けました。演奏中に弦が切れてしまうのを見たのは、私は始めてなんですが、大進くんのコンサートではわりと良くあるんですって☆ 大進くんの楽器は、ストラディバリウスの「ジュピター」。とても良い音色の楽器です。さすがにコンマスの楽器に代わってから音色が違って、それだけは残念でした。大進くんは肩当てを使うのだけど、コンマスは使っていなかったので、だいぶ弾きにくかったのではないかと、素人っぽい心配をしてしまったのですが…実際、どうなんでしょうか? コンマスは切れた弦で弾いて(弾く振りをして?)いましたが、演奏の後『これがジュピターかあ…』『どれどれ?』といった感じで、縦横斜め、しげしげと眺めながらサブコンとなにやら話していました(笑)

他の曲に関しては…「ヴェイパース…」は物語的に途中でナレーションが入るのだけど、変に芝居がかっていて、なんだか良くわかりませんでした。音楽だけで構成した方が良かったのではないかしら、と感じたところは、ちょっと、ベジャール作品に似ているかも? 「火の鳥」も苦手な曲で、新しい発見をするには至らなかったし…。アンコールは「ばらの騎士」からでしたね。これは良かったです。あんまり聞く耳を持っていないので、多くは語らないことにいたします。



「第3回鎌倉芸術館・N響定演」に行きました 鎌倉芸術館 '2000.SEP.23

ブルッフ バイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26

ラフマニノフ 交響曲第2番 ホ短調 作品27

指揮:エフゲーニ・スヴェトラーノフ  バイオリン:樫本大進

鎌倉芸術館は、駅でいうとJR大船にあります。横浜からだと都内の会場に行くのとさほど変わらないので、行きやすいです。オーケストラの演奏会を聞くのにちょうど良い大きさのホール(音響については詳しくないのですが)ではないでしょうか。ガラス越しのロビーの中庭に、竹が植えてあるのも、古都鎌倉らしい風情があっていい感じです。

さて演奏会。期待以上に良かったです、樫本大進くんのブルッフのバイオリン協奏曲☆ 本当に、大進くんの音ってどうしてあんなにいいんでしょう。大好きな協奏曲なんですが、私にとっては、こんな風に弾いて欲しいという、そのものの演奏でした。心臓がドキドキするようなエネルギッシュなものではなく、幸福色の雲にほわ〜っと包まれる様な感じで、ああ、気持ちいい…って。
第1楽章の冒頭の部分の静かな入り方、第2楽章の幻想的で陶酔感あふれるメロディー、第3楽章も高揚感と安定感のバランスがとても良くて、まさに私の理想のブルッフでしたわ☆ このペアでレコーディングしてくれないかなあ…(*^_^*)
今回のブルッフについては、あちこちから「意外な」演奏と言う声が聞こえました。皆さん、どんな演奏を予想していたのかな? もっと、元気な感じかしら? でも、たぶん今回はとても素敵な「意外な演奏」だったのではないかとと思います。

会場に行くまで忘れていたのですが(笑)今日はN響の演奏会で、定演と同じプログラムなのでした。後半はラフマニノフの交響曲2番。スヴェトラーノフの指揮もすばらしかったです。必要最少限の手の動きで、最大の効果を引き出すその安定感のある指揮ぶりがステキでした。チョン・ミョンフンの牽引力が煌めくオーラの輝きであれば、スヴェトラーノフの包容力は透明な光のドームに包まれた感じでしょうか。「見た目は怖そうな人」との話もありましたが、ステージに出てきたのを見た第1印象は、優しそうなおじいさま、という感じ。大進くんを見守る暖かいまなざしのせいだったのでしょうか?演奏の前にも、挨拶をする彼の後ろから拍手を送っていました。
この、スヴェトラーノフさん、とても汗かきです。譜面代の下にタオルが引っかけてあって、楽章の間にしきりに汗を拭っています。必要以上に(?)指揮棒を振り回して、汗だくになっている指揮者も多いですが、彼の場合動きはとても小さいので、運動のせいというよりは、緊張感とライトのせいかしらね。演奏の後、おどけてタオルを首にかけて見せるなんて、茶目っ気もある方なのでした。
とても素敵な演奏会でした☆



「チョン・ミョンフン with ヤングアーティスツ」に行きました オーチャードホール '2000.SEP.01,02

 待ちに待ったマエストロ・チョン・ミョンフンのコンサートです。今回は桐朋学園の学生のオーケストラを振ります。マエストロは8月31日から3日間のコンサートの為に、8月22日には日本に来て、練習をしていたそうです。羨ましい桐朋の学生さんたち!
今回は9月1日のシンフォニック・プログラムと2日のオペラティック・プログラムに行きました。両日ともとってもよかったですよ☆

9月1日 シンフォニック・プログラム

一曲目 プロト「カルメン幻想曲」 コントラバス/フランソワ・ラバット
ビゼーのカルメンは色々な人がアレンジしていますね。それだけ創作意欲をそそる曲なのでしょうか。プロト(1941- )はニューヨーク生まれの作曲家、アレンジャー兼コントラバス奏者だそうです。この曲は1991年に今日のソロのラバットさんの為に書かれた曲だそうです。オリジナルのずっしりとした音とは違って、どことなくジャズの香りのする、流麗でおしゃれな感じの曲でした。この曲、作者の指示によってコントラバスの音を「電気的に増幅」していました。でも、全然違和感がなく、とても気持ちよく聞くことが出来ました。
マエストロとラバットさんのアイコンタクトもさりげなくにこやかで、とてもいい雰囲気でした。ラバットさんはタキシードではなく赤っぽい色のシャツでとってもラフな服装。立って演奏する姿はリラックスして楽しんでいる様で、良かったです。コントラバスのソロもいい物ですね。
余談ですが、コンサートの後サインと握手もしてもらいました。差し出した右手を、両手で包み込んでくださったの、暖かくて柔らかい手でした(*^_^*) にこやかでとってもステキなおじさまでした☆

二曲目、メンデルスゾーン「ヴァイオリンとピアノのための協奏曲 ニ短調」  ヴァイオリン/竹澤恭子、ピアノ/チョン・ミョンフン
楽しみにしていた、マエストロの弾き振りです!! そして曲も珍しい、メンデルスゾーンの14歳のときの作品。竹澤さんのバイオリンとマエストロのピアノとオケと、絶妙のコンビネーションの、すばらしい演奏でした☆ この曲、初めて聞く人がほとんどだと思うけど。私が話を聞いた人はみんなよかった。と言っていましたね。
マエストロのピアノは、いつ聞いても本当に良い音です。それでね、弾く姿もかっこいいの☆ 背筋がピンと伸びてしなやかに動く腕の動きがとても優雅。これは指揮をする姿も同じなんですが、余計な力が入っていないで、緩急と強弱のバランスが良くて、だから見ていて美しいんですね。中には全行程力一杯の指揮者とか、ピアノにのしかかるようなピアニストもいるけど、マエストロは違うのでした。2階席の真ん中で、双眼鏡をにぎりっぱなしで見ていたのは私です(*^_^*) それにしても、あのピアノの音!!結構長い曲だったのに、あっという間で、もっと聞きたい〜という感じでした。
マエストロの豊かに包容力のあるピアノに、竹澤さんのちょっと硬質なダイヤモンドの様な綺麗な音。メンデルスゾーンの美しいメロディー。若いオーケストラの人たちもステキな演奏で、すばらしい世界を作ってくれました。

3曲目、ブラームス「交響曲第2番 ニ長調 Op.73」
最後は、とってもポピュラーなブラームスです。このプログラムからして、若い人を育てるマエストロの姿勢がうかがえますよね。
若いオーケストラの人たちが、一生懸命マエストロの指揮に応えて、聴き応えのある良い演奏をしてくれました。マエストロの棒を見つめる真摯な姿勢もとてもすばらしかったです。きっと得る物もたくさんあったんだろうなあ。マエストロの指揮を経験したした人の話を聞くといつも、とても良かったといわれますね。いいなあ☆

アンコール、ブラームス「ハンガリー舞曲 第一番」
マエストロのアンコール曲って、腰から入る元気の良い曲が多くない?(笑)そういえばN響の時もこの曲でしたね。オーケストラも、気持ちよさそうに弾いていると思ったのだけど、実際はどうだったのでしょうか?

 オーケストラのメンバーが若いなあと思ったのは、カーテンコールにあまり慣れていないこと。マエストロが「全員起立」の合図をしても、一瞬躊躇してからみんなが立つの。横の人の様子を見ながら(笑)面白かったです。ソロやパートの紹介がされると足を踏みならしての声援は学生さんらしくていいなあと思いました。

9月2日 オペラティック・プログラム

 ヴェルディ「シチリア島の夕べの祈り 序曲」の綺麗なピアニッシモから演奏がはじまりました。学生達の真摯なまなざしと演奏に、マエストロは穏やかな笑顔でとても嬉しそうに演奏会を運んでいました。歌手の人たちも、皆さんとても素敵でした。みんな一曲目より二曲目の方が調子が出ていたみたい。
 オケだけの曲は他に「アルジェのイタリア女 序曲」と「カヴァレリア・ルスティカーナ 間奏曲」それにアンコールは「軽騎兵序曲」。大好きなカヴァレリアが聴けて、それだけでも嬉しいのに、本当に全体的にみんな良い演奏で、お客さんもとても楽しんでいる感じで、素敵なコンサートでした。行って良かった!!

ソプラノ リー・セーイ(韓国)
ソプラノ 浜田理恵(日本)
テノール 中島康晴(日本)
バス   彭康亮〈ポン・カンリャン〉(中国)
の四人の歌手がそれぞれ2〜4曲歌いました。

 シンフォニック・プロのソリストはベテランでしたが、今日はソリストもわりと若手です。中でも、テノールの中島康晴くんは今年東京芸大を(首席で)卒業したばかり☆ パバロッティの様にスカーンと響くテノールに場内は驚いたのでした。
 私の今日の席は一階の前から4番目。歌手の表情も手に取るようにわかります。彼はカチンコチンに固まっていました(笑)椿姫とラ・ボエームでソプラノの浜田理恵さんと歌ったのですが、まともに彼女と目が合わせられない(コンサート形式とはいえ、彼女に恋をしている役なのに!)腕を彼女の腰に回そうとして、脇に手がぶつかってしまったり…歌い終わっても、浜田さんよりマエストロの方を向いて、目ですがっていました。歩くときも、腕が体にくっついているかのようで、うう、かわいい、と思ってしまうのはおばさんかな? あの堂々とした声量で、その仕草だから、もう私は笑いが止まりませんでした。だって、ステキな演奏家の音楽を聴くのって嬉しいでしょ。まして若い人だとなおさらです☆ 
 出来ればもう少し、幅のある表現力が欲しい、声が直線的に前に飛んでいく感じなので、舞台一杯に広がる存在感がほしい、と思いました。後はもう少し度胸を付けること。かなりの数のコンクールでタイトルを取っている様だけど、今日の方が緊張したのかな?あんなにカチカチだと、高級娼婦のヴィオレッタ姉様は落とせるかも知れないが、乙女のお針子ミミに恋を語っても成功するかどうかあぶないかも(笑)
 彼には今後注目したいと思います。いま、院生だそうだけど、さっさとイタリアへでも行ってキャリアを積んで来て欲しいと、コンサートのあとお茶をしながらみんなで話したのでした。いや、それだけ期待しているってことよ☆ もちろんサインをもらって、一緒に写真も撮ってもらいました。

ちなみに、中島くんの歌は、10月10日オーチャードホール、11月4日トッパンホール、来年1月5日東京国際フォーラム、1月20日オーチャードホール、等で聴くことが出来ます☆




熊川哲也 「K-BALLET COMPANY 2000 カルメン」を見に行きました 東京文化会館 '2000.JUN.24

念願の熊川哲也を生で見ました!!生熊(なまくま)の感想は『テレビと同じだ〜☆』 でした。ちょっと生意気で、投げやりなポーズの、インタビューで見る姿そのままの舞台。映画「F」で見た彼も、やっぱりキャラクターって変わらないわね、って思ってしまいました。

久々の東京文化会館、初めての5階席。かなりの鳥瞰図ではありましたが、舞台全体がよく見えました。ただし、舞台から感じる迫力はちょっと引き算になってしまうのは否めないかも。

この公演は前半は、小品集3曲。後半が「カルメン」でした。熊川哲也は「カルメン」のドン・ホセだけの出演でした。出来れば、もう一つ短い物でも、見たかったです。と言うのも、わりと地味な役で、彼の魅力のジュテ(ジャンプ)やピルエット(回転)が、あまり見られなかったのでした。それを楽しみにして、行ってしまった私が悪いのかしら?

「カルメン」はカルメン役のヴィヴィアナ・デュランテが、とっても良かったです。登場したときに、熊川哲也に劣らず大きな拍手が起こったのも頷けます。細くて長い美しい肢体、しなやかな足の動きは、惹きつけられるものがありました。相手役の熊川哲也の方は、ドラマティックな雰囲気ながら、踊りとしてはあまりこれと言ったところの無いもののように、感じてしまいました。登場したところの、怪しげな雰囲気とか、しなるようなポーズの美しさは、ほう…と言うものは確かにあったのですけれど。おおお、凄いぞ〜と、言うほどでは無かったかな?多分、相手役が良すぎたせい?
出来れば、彼のドンキホーテのような、ダイナミックな演目が見たいのだけれど、そういうのは多分どこかに客演したときにやるので、自分のカンパニーでは、自分のやりたいことをやる、ということなのでしょう。
他のメンバーも、とても技術的にはすばらしいのですが、熊川哲也ほどの華は無くて(あたりまえか?)もし、熊川哲也も知らずにこの公演を見に行ったら、めぼしい男性舞踊手はいなかったな…と言う感想になったかも知れません。男性ダンサーを目当てに行って、女性ダンサーの魅力を堪能して帰ってきてしまったのでした。

バレエファンの一人としては、余計な事ですが、せっかくバレエファン以外の人が見に来てくれている(はず)なのだから、もうちょっと魅力的なものを見せてくれても良かったかも知れないと、思いました。
前半のはじめの演目「スコティッシュ・ダンス」(デイヴィッド・ビントリー振付)は、技術的には高度なものなのに、なぜか地味。
二つ目の「パヴァーヌ」(クリストファー・ウィールデン振付)音楽は、あの美しい、ラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』です。はじめ動き出す前の女の人の衣装が、白いドレスの長い裾が床に広がっていて、とても綺麗で、わぁ…って思っていたら、スカート部分をとってハーレムパンツの裾が開いているみたいな衣装になっちゃった(笑)ええ〜、衣装も作品の内と思えば、もったいないと思ったのは私だけかしら?
三つ目は「4人のためのヴァリエーション」(サー・アントン・ドーリン/イェルコ・ユレジャ)男性舞踊手4人の競演といった感じの、楽しい演目でした、ジュテやピルエットのオンパレード。最後に四人でくるくる回って、32回転(最高の回数)するかと思ったけど、そこまでは行かなかったかな?やっぱり、K-BALLET COMPANY は男性が売りだぞ!!というところでしょうか。衣装は、パステルカラーのマタドール風(振付のイェルコ・ユレジャ)。
これで、もう一つ熊川哲也のバーンとした、キレのいい技(!?)の小品でも入れば最高だったのだけど。でも、たとえばバレエを初めて見る人なら、かえって楽しい演目だったのかもしれないな…。
「カルメン」はもちろんローラン・プティ振付でしたが、熊川哲也の解釈で、個性を出しているとか。今度はパリオペラ座の「カルメン」も見てみたいと思いました。



「セブン・スターズ・ガラ・コンサート」を聴きに行きました 東京オペラシティ コンサートホール'2000.MAY.12

いよいよ、セブンスターズです!!コンサートがあるという情報を見てから、チケットが発売になるまで、どれほどやきもきさせられたか、何しろ発売になったのが4月1日!!それでも、会場はいっぱいでした。やっぱり、待っていた人は沢山いたのね☆
会場の「東京オペラシティ コンサートホール」には初めて行きました。駅からわかりやすく行けて、天井が高くてとても綺麗なホールです。音響云々は私はよくわかりません、席が一階の端の方だったのでちょっと圧迫感があったかも。

さて、何が楽しみだったって、大好きなマエストロ・チョン・ミョンフンのピアノ!!彼が指揮をするコンサートはあっても、ピアノは滅多にない。何と今回、日本では19年ぶりだって!!(室内楽としては初めて!!)
そのうえ、樫本大進くん☆ 大好きな彼のバイオリンの音色、そしてマエストロのピアノ、実はこの二人だけが目的だったような物だったのです。ところがところが、それだけでは、なかったのでした。
このセブンスターズというのは、アジアの7人の演奏家によるコンサートでした。あまり音楽界に詳しくない私は、他の方々の音は聴いたことがなかったのですが、みんな素敵な演奏で、室内楽の良さをあらためて教えて貰いました。外国の方は名前から国や性別が解りにくいと思うので、一応書いておきますね。

チョン・ミョンフン〈男性〉〈韓国〉/ピアノ
キム・ワンミ〈女性〉〈韓国〉/ピアノ
樫本大進/バイオリン
神谷美千子/バイオリン
川本嘉子/ヴィオラ
チョー・ヨンチャン〈男性〉〈韓国〉/チェロ
趙静(チョウ・チン、日本語読みだと、ちょうせい)〈女性〉〈中国〉/チェロ

一曲目、バルトーク「ルーマニア民族舞曲」神谷美千子/バイオリン、キム・ワンミ/ピアノ。
民族音楽色の豊かな、感じのいいメロディーを、とても素直な感じの演奏で聴かせてくれたと思います。実は、プログラムの変更で三曲目と入れ替えになったのですが、会場の空気を暖めてくれるのに、とても良かったと思いました。

二曲目、ドヴォルザーク「ピアノ五重奏曲第2番イ長調」キム・ワンミ/ピアノ、樫本大進/バイオリン、神谷美千子/バイオリン、川本嘉子/ヴィオラ、趙静(チョウ・チン)/チェロ。
大進くんのバイオリンの音は、やっぱり好きです。そしてチェロの深い音色も、とても素敵でした。チョウ・チンが可愛い!!本当に嬉しそうに演奏する人です。室内楽は指揮者がいないため、演奏者同士がアイコンタクトで呼吸を合わせるのですが、そのときもその瞳と顔の表情が、とても可愛くて、音楽が好きなんだなあ、と聴いているこちらまで嬉しくなってしまう様な人でした。

休憩を挟んで三曲目、シェーンベルク「バイオリンとピアノのためのファンタジー」チョン・ミョンフン/ピアノ、樫本大進/バイオリン。
こんな凄いシェーンベルクを聴いたことがありません。大進君のバイオリンとマエストロのピアノ、丁々発止と言えるような凄い緊張感のある演奏、お互いがお互いを高め合う高揚感、演奏している二人も、予想以上の出来だったのではないでしょうか。聴いているこちらはただただ、すばらしい演奏に引き込まれてしまって、心臓はばくばく状態でした。
マエストロのピアノは、その指揮と同じで、メリハリのあるダイナミックな音でした。当たり前なんだけど、感動してしまいました。あの、強弱、緩急の付け方、深みのある音。ああそうか、マエストロが自分の指で出す音が、指揮するオーケストラの音と、同じなのはあたり前なのよね、むしろ直接音の出せるピアノの方が、まさにマエストロの音楽そのものかも知れない…なんて思っていたのは、演奏の冒頭の方だけ。ぐいぐいと、エネルギッシュな演奏に引き込まれてしまいました。
あのピアノに、負けず劣らずしっかりと演奏した、大進くん、さすがです!!ますます応援したくなりました。

最後は、ブラームス「ピアノ四重奏曲第3番短調」チョン・ミョンフン/ピアノ、樫本大進/バイオリン、川本嘉子/ヴィオラ、チョー・ヨンチャン/チェロ。
ブラームスって、こんなに凄かったっけ?と、客席のほとんどの人が思ったのではないでしょうか。もちろん軸になるのは、マエストロのピアノです。でも、それは弦の音を十二分に生かすものでした。チョー・ヨンチャンのチェロもとても素敵な音でした、位置的にも真ん中で、ヴィオラとバイオリンを結ぶ位置にいることもあって、周りの音に気を配りながら演奏する、その表情の素敵なこと☆ そのお顔からも、とてもいい演奏をしているのが伝わって来ました。川本嘉子は見た目わりとクールな感じですが、柔らかいヴィオラの音はとても綺麗な演奏でした。そして、大進くん☆ 周りのメンバーに寸分のひけもとらず、と言うより、さらにすばらしい演奏でした。ああ、いい音…。席の位置がちょうど彼の後ろから見る位置だったので、表情が見えないのは、凄く残念でした。
楽章が進んで行くに連れ、演奏はさらに盛り上がり、各奏者がそれぞれを高め合う演奏、室内楽がこんなにすばらしいとは!! 胸の高鳴る、感動の体験でした☆

アンコールはなんと、チョン・ミョンフンとキム・ワンミのピアノ連弾!!ブラームス「ハンガリー舞曲4番」。キムさん嬉しそうに弾いていました。いいなあ…☆

演奏者達が、楽章の間にアイコンタクトだけでなく、何か言葉を交わしていたのですが、何を言っているのか知りたいものです。カーテンコールでも、マエストロが大進くんに何か言って、笑いあっていたし。気になるなあ…。

私はそんなにたくさん演奏会に行っているわけではないのですが、少なくもないと思います。やっぱりライブは、CDやテレビでは味わえない感動をもたらしてくれます。しかし、こんなに凄い、凄い感動をくれるのは、そう多くはないのです。今回の演奏会は生涯の記憶に残る、すばらしい物でした。
感動した私がどんな状態だったかは、
藤木日記にも書きましたので、良かったらご覧くださいませ☆



2000年・NHK放送75周年事業
「NHK交響楽団 特別演奏会」を聴きに行きました NHKホール'2000.MAY.07

待ちに待ったチョン・ミョンフン氏とN響の演奏会です。何しろ、彼に惚れたのはN響を振った来日公演をテレビで見てからなので、とっても楽しみにしていたのです。おまけにソロに大好きな、樫本大進くん!!なかなか欲張りな演奏会でした☆ 席は一階の10列目だったので、マエストロのお顔はほとんど見られなかったけど、音楽は堪能出来ました。

一曲目はビゼー「カルメン」前奏曲。マエストロのメリハリのきいた歯切れのいい演奏!はじめからわくわく胸の躍る思いです。

二曲目、樫本大進くんのソロでサン・サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」。大進くんのバイオリン、やっぱり好きです。あのまろやかな優しい音が、超絶技巧の曲を冷たくも堅くもならずに、良い気持ちで聴かせてくれました。アンコールは、バッハ無伴奏パルティータ。じっくり聴かせて貰いました☆

三曲目、中国のチェリスト、ジャン・ワンのソロでブルッフ「コル・ニドライ」。実は初めて聴いた曲です。ユダヤ教の聖歌を元にしているとのことで、しみじみした曲でした。まじめな感じのチェロが、とてもあっていて良かったと思います。アンコールは、中国の作曲家の曲と言うことでした。中国風のメロディーをチェロの音が奏でる、ちょっと不思議な味がありました。

四曲目、韓国のソプラノ歌手、スミ・ジョーのソロでヴェルディ「椿姫」から「ああ、そはかの人か〜花から花へ」。この人の歌は、初めて聴いたのですが、すごい素敵な声でした。まさにコロラトゥーラの面目躍如といった所。拍手も一番多かったのも納得です。すごく可愛い人だなあと思っていたら、年齢的にはなんと私とほぼ同じなの!華のある人です。歌手の中には、変に抑揚をつけたりして、それがしつこかったり、いやらしく感じてしまう事があるんだけど、彼女のはとても聴いていて気持ちの良い歌でした。アンコールはグノー「ロミオとジュリエット」から「ジュリエットのワルツ」これも良かったです!もちろん、マエストロのオケの伴奏付きで、二倍得した気分☆

休憩を挟んで最後はマーラーの「巨人」。マーラーの曲って眠くなりません?退屈って意味ではなくて、メロディーがとても気持ちよ〜くなってしまうの、ちょっと長いし(笑) 今回のマエストロの演奏、とても良かったです。(はじめのピアニッシモの出だしは、バイオリンの人たちは苦しそうだったけど)綺麗なメロディーを大切に聴かせてくれたと思います。最後の盛り上がりは、さすがマエストロ☆大喝采でした!!
アンコールがなかったのは残念だったけど、「帰れ」の意味の場内アナウンスを物ともせず、拍手を続けた聴衆に、ステージに出てきて挨拶をしてくれた、マエストロの笑顔はとっても素敵でした☆☆大満足の演奏会でした。



「チョン・ミョンフン フランス国立管弦楽団演奏会」を聴きに行きました サントリーホール 2000.FEB.10

実は、演奏の内容は『すごく感動した』という事以上には、あまりよく覚えていないのでした。ヤブロンスキーのチャイコンはあんまり、好きなピアノではなかったかも知れません。12月のN響のアンスネスはリサイタルも行ってみたいな、と思ったけど、今回は思わなかったから…
シェーラザードは、良かったです。マエストロの歯切れの良い、ダイナミックな演奏、バイオリンソロも思わず息を止めて聞き入ってしまうほど素敵でした。席がサイドのせいもあって、あまりバランスの良い音では聴けなかったのかも知れませんが。管の音がとてもいいなあと思いました。

とにかくマエストロのお顔と、すばらしい指揮ぶりが間近で見ることが出来て、何より感動した私でした。2月10日の日記の通りです☆





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このページの背景は「Pearl Box」さんから頂きました。