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平家物語の和歌

OPEN MAR.03.1999 UPDATE APR.26.1999


平家物語の中には、沢山の和歌が書かれています。この時代、和歌を詠むことは、エリートのステイタスだったのです。ゆかしい文化ですね。
ここでは、広い意味で「和歌」「今様」場合によっては「漢詩」まで取り上げてみたいと思っています。

解説のページにある歌には、アンダーラインがありますので、クリックしてね。

★関連記事のある「歌舞伎」や「馬」「人物」のページにリンクしていますので、そちらも見てね。



巻第一 鱸(すずき)

あり明の 月も明石の 浦風に 浪ばかりこそ よるとみえしか 忠盛

雲井より ただもりきたる 月なれば おぼろけにては いはじとぞおもふ 薩摩守忠度の母



巻第一 祇王(ぎおう)

君をはじめて みるおりは 千代も経ぬべし ひめこ松
おまへの池なる かめをかに 鶴こそむれいて あそぶめれ  佛御前

もえ出(いづ)るも かるるもおなじ 野辺の草 いづれか秋にあはではつべき 祇王御前

仏もむかしは ぼんぶ(凡夫)なり 我等も終(つい)には 佛なり
いづれも仏性 具せる身を へだつるのみこそ かなしけれ  祇王御前



巻第一 鹿谷(ししのたに)

さくら花 かもの河風 うらむなよ ちるをば えこそ とどめざりけれ



巻第一 御輿振(みこしぶり)

深山木の そのこずえとも みえざりし さくらは花に あらはれにけり 源頼政(巻四 源氏揃)



巻第二 阿古屋之松(あこやのまつ)

みちのくの あこ屋の松に 木がくれて いづべき月の いでもやらぬか



巻第二 康ョ祝言(やすよりのっと)

つゐにかく そむきはてける 世間(よのなか)を とく捨てざりし ことぞくやしき



巻第二 卒都婆流(そとばながし)

よろづの佛の願よりも 千手の誓ぞたのもしき


千はやぶる 神にいのりの しげければ などか都へ 帰らざるべき


さつまがた おきのこじまに 我ありと おやにはつげよ やへのしほかぜ

おもひやれ しばしとおもふ 旅だにも なをふるさとは こひしきものを


§ 和歌の浦に 潮満ち来れば 潟を無み 葦辺をさして たづ鳴き渡る

§ 夜や寒き 衣や薄き 片そぎの 行きあひの間より 霜やおくらむ

§ 我が庵は 三輪の山もと 恋しくは 訪らひ来ませ 杉立てる門

§ 八雲立つ 出雲八重 垣妻籠みに 八重垣作る その八重垣を



巻第三 少將都(せうしゃうみやこがへり)

桃李不言春幾暮 煙霞無跡昔誰栖

ふる里の 花の物いふ 世なりせば いかにむかしの ことをとはまし

ふる里の 軒のいたまに 苔むして おもひしほどは もらぬ月かな



巻第四 還御(くわんぎょ)

雲井より おちくる瀧の しらいとに ちぎりをむすぶ ことぞうれしき

たちかへる なごりもありの 浦なれば 神もめぐみを かくるしら浪

千とせへん 君がよはいに 藤浪の松の枝にも かゝりぬるかな

しらなみの 衣の袖を しぼりつゝ 君ゆへにこそ 立もまはれぬ

おもひやれ 君が面かげ たつ浪の よせくるたびに ぬれるたもとを




巻第四 競(きおほ)

戀しくは きてもみよかし 身にそへる かげをばいかゞ はなちやるべき



巻第九  二度之懸(にどのかけ)

もののふの取り傳へたる梓弓 引いては人のかへすものかは



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このページの背景は「Queen's FREE World 」さんから頂きました。