2010年5月30日(日)パリのブローニュの森にある、「オートゥイユ競馬場(障害専用)Hippodrome d'Auteuil」へ行きました。メインレースは『パリ大障害レース』です。パリ市内の、地下鉄の各駅には、この『パリ大障害レース』の大きいポスターが掲示されていました。パリらしいお洒落なデザインでした。
例によって、馬を見に行った私は、馬券は買いませんでした。レース間の時間が短くて、買おうと思ったらきっととても忙しいと思います。
ちなみに、ブローニュの森にはもう一つ、凱旋門賞で有名な「ロンシャン競馬場(平地専用)」もあります。ここからバスで10分位だそうですが、今回は時間の関係で行けませんでした。また、おなじオートゥイユの駅の近くには、テニスの4大大会のひとつ、全仏オープンテニスが開かれる、ローランギャロス・テニスコートがあります。実は、今回はテニスを見る旅だったのですが、もちろん競馬があるのに見ない手はありません。駅から近くとても行き易いところにあります。行き方は後ほどご案内しますね。
↑入り口は、スポンサーの名前を大きく書いた、『パリ大障害レース GRAND STEEPLE-CHASE DE PARIS』の表示になっていました。通常は、競馬場の名前になっていると思います。2001年に行った時の写真などはこちら「馬と旅行 2001パリ:オートゥイユ競馬場」(別窓)をご覧ください。
門の前では、競馬新聞を売っています。フランス語ですが、記念に一部購入しました。ここからしばらくは入場無料のエリアで、トンネルを抜けると内馬場に出ます。レース観戦や馬券を買うだけなら内馬場でもじゅうぶんですが、パドックを見たい場合には、入場料金が必要になります。レースによりますが、この日は大きいレースの日だったので8ユーロでした。通常は3ユーロ位です。↑メインレースは内馬場から見ました。葦毛のお馬が人気だったようです。ちょっと記憶が曖昧なのですが、残念ながら落馬だったと思います。この写真でも、一周目で落馬してしまった空馬が、ゴール板の向こう側を走っているのが、隙間から見えます。コースは2重になっていて、この回周は、手前が規定のコースです(クリックで大きい写真が開きます)。
↓パリは競馬場もお洒落ですね。ここは使われているスタンドの向かって左の端で、レースの終わった馬たちが帰ってくるところです。
右側は競馬場内の掲示板。この雲を越えて飛越している白い馬と、向こうにエッフェル塔が見える図柄が、今回のレースのポスターにもなっています。
↓このレースでは、ゆっくり本馬場に入ってきてすぐに走り始めました。展開が速いです。スタートは障害競馬なので、ゲートではなくゴム式です。見にくいですが、二本のポールの間に赤いゴムが数本張ってあります(クリックで大きい写真が開きます)。赤いゴムは、こちら「馬と旅行 2001パリ:オートゥイユ競馬場」(別窓)にも写真があります。
↓向こう正面は、スタンドからはほとんど見えません。この写真は、入場無料の内馬場エリアの階段の上から望遠で撮影したものです。手前の生垣が高くて、障害が見えなくて残念。
日本だと、レースで盛り上がっているのは大人たちで、子供たちはあまり見ていない印象なのですが、ここでは、ゴール前でも子供たちの応援する声が聞えていました。この辺も文化の違いでしょうか。
↓私としては、興味をそそられるのが、この素敵な衣装のお姉さんです。この人馬は、レースが終わる頃に、馬場に出て競走馬たちが帰ってくるのを待っています。レース後には、勝利した人馬とともに戻って来ます。
↓レースが終わると、彼らの方へ向かいます。この背景は、スタンドの一番左端の建物なのですが、何故かひとつだけ使われず廃墟のようになっています。
↓この人馬は、メインレースだけは、誘導馬も勤めていました(他のレースは誘導馬はいません)。遠くから見ていたのでわからなかったのですが、写真を大きくしてみたら、横鞍に付け替えて乗っていました。お洒落ですね、これもまた、さすがパリという感じですね。ということは、この方は、普通の鞍の他に、横鞍の乗り方も両方できるということですね。
誘導馬以外のお仕事の時は、普通の馬場馬術のような衣装に馬術用の鞍に跨っていました。
「馬と旅行 フランス3 2001 オートゥイユ競馬場」(別窓)にも、写真や説明などがありますので、良かったらあわせてご覧くださいませ。↓パドック以外にも、レース前後の馬たちの様子をいろいろ見ることが出来ます。私としては、こういう所のほうが見ていて楽しかったりします。装鞍前に歩かせるところや、レース後の馬が帰ってくるところ、洗ってもらっている馬、などなど。個別に仕切られているのがお馬のシャワールームです。
↓パドックでは、通常のレースの表彰式が行われます。青い台がステージ。その後、次のレースの馬が入ってくるので忙しいです。馬場の内側にいるのは、もちろん関係者の方たちですが、お客さんも日本の競馬場に比べたら、近くで馬を見ることが出来ると思います。
この日は、かなり冷え込んでいたので、9番のお馬さんは、腰に毛布をかけてもらっていますね、疝痛(腹痛)になりやすい子なのかもしれません。↓パドックから本馬場へ向かう通路は、通常お客さんが歩く場所に白線が引かれているだけです。馬が通るときだけ、お客さんは白線の外側に避けます。日本の競馬場では、考えられない近さと簡易さですが、馬が身近にいる国では普通なのでしょうね。
お客さんは白線ぎりぎりまで来て、馬を眺めています。私もここで写真をとりました。右の葦毛くんは、カメラ目線。ここでも厩務員さんは女性が多いです。さすがパリだけに(?)お洒落ですね。↓パドックから入ってきて、こんな埒沿いを歩いてくれるので、騎手やお馬の表情までよく見えます。手を伸ばしたら触れそうな距離。遠景のビルの向こうの左よりにとんがって見えるのが、エッフェル塔です。
↓スタートのゴムがはずされた瞬間。通常のレースは、ファンファーレも無いので、気をつけてないと知らないうちにスタートしてしまいます。〈スタートの写真撮影Sigeさん〉
↓レースの醍醐味は、やはり障害飛越ですが、残念なことにほとんど撮影できませんでした。これは、スタンドのほぼ正面、二重になった奥のコースにある水壕障害です。内馬場からだと、本当にかぶりつきで見られます。埒の向こう側にお客さんが鈴なりになって見ているのがわかるでしょうか。もし馬が着水したら、飛沫がかかりそうですね。この、レースがよく見える場所が、入場無料のエリアなんて、とってもお得感がありますよね。
↓馬が通ったあとは、係員の人が芝の整備をします。人が近くにいると、障害の高さや幅の広さがわかりますね。馬たちが着地したところの芝は、ぼこぼこになっています。手前にある黒いカバーはテレビカメラのようです。
↓レースを映すスクリーンの右下で、女性騎手が競走馬たちがゴールするのを待っています。お馬は草を食んでいますね。
↑↓前回2001年に行った時は、猟騎姿の男性だったのですが、今回は大きいレースだったからか、華やかにきれいな青いリボンを飾った帽子とスカーフの女性騎手でした。お馬も耳カバーと尻尾のリボン、肢巻きも青でそろえ、たてがみもきれいに編みこんであります。鞍の道具袋には、トランシーバーなどが入っているようなので、何かトラブルがあったときに対処する係員だと思われます。きりりとして、かっこ良かったです。
ちなみに、女性用の横鞍(よこぐら・サイドサドル)は、専用の巻きスカートで乗ります。暗い色なのでわかりにくいですが、スカートの裾が少し翻って、左の鐙が見えています。鞍の前の馬の背中の上で右足の膝を曲げて、左側におろしているのが見えるでしょうか。膝をかけるところが鞍の上にあって、安定して前を向いた姿勢で乗ることが出来るそうです。以上〈前編 パドック、レース〉でした。後編は、場内の他のお馬さん達です。ポニーや軍楽隊の皆さんの写真を撮ってきました。◆「パリ2010 オートゥイユ競馬場<後編>」へ
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