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虹の谷つうしん

2006年1月〜12月



 12月29日
 真夜中のピクニック  作:恩田 陸

 高校生活最後の行事 “歩行祭” を通して、
 主人公2人の悩みや想いが淘汰されていく過程が描かれている。
 ひたすら歩くこと、暗闇で信頼できる友といられること。
 たったそれだけのことが、
 枷を振り払い、本当の望みを見出す舞台となる。
 こんな経験は高校生だからこそ、
 その年齢と、学校という背景だからこそ生まれるのではないかな。
 私にはこんなに具体的な経験はないけれど、
 高校時代のことは、今でも鮮やかに思い出すことがたくさんある。



 12月27日
 点子ちゃんとアントン  作:エーリヒ・ケストナー

 ケストナーの物語は、子どもが子どもらしいところが好き。
 もし、点子ちゃんが自分の子どもだったら、
 毎日がとても楽しいだろうなあ。
 それとも、あまりにも無邪気すぎて、
 親が困らせられてばかりになってしまうかな。



 12月25日
 盗神伝 W 新しき王  作:M・W・ターナー

 おもしろい!
 “王なんてやりたくない”と態度で示しているジェンが、
 その実、何をたくらんでいるのか、
 女王はどこまで彼の意図を知っているのか、
 後半の展開が非常に楽しみな4巻でした。
 早く読みたいから、5巻は買っちゃおうかなー・・・。



 12月20日
 マーリン 魔法の島フィンカイラ  作:T・A・バロン

 激しい戦いのシーンや派手な魔法は少なめで、
 心の中を見つめなおすような、少年の成長の物語。
 彼に記憶がないために、本当の親子だと信じてもらえなかった
 母親の気持ちを思うと悲しい。
 たぶん、二度と会えないと思われるだけに、余計にそう思う。



 12月18日
   作:ルイス・サッカー

 表紙とタイトルからはストーリーやジャンルを想像しにくい
 本だったけれど、先入観なく読んだあとに、
 「ああ、この本、好きだな。」と、素直に心に浮かんできた。
 昔の約束が、時間と場所を越えて、
 それぞれの子孫の間で果たされるという不思議さと、
 合い間に語られる昔のできごとが、とくによかった。



 12月10日
 うしろの正面  作:小森 香折

 かわいくて、ほのぼのとした物語かと思って選んだら、
 むかでにとり付かれた一族の、ちょっと恐いファンタジーだった。
 こんなダークなお話も好きだけど。
 初めのほうで、大人の男たちが“かごめかごめ”の
 練習をしているシーンはものすごく不気味。
 時間をわたっていくことが、とてもうまく使われていると思う。



 12月8日
 からくり からくさ  作:梨木 香歩

 「りかさん」のおばあちゃんが亡くなったあとの物語。
 人形の想いを垣間見るような不思議な体験はないのだけれど、
 容子が気配で物事を察することができる、というところに、
 りかさんと一緒に過ごした日々を思い起こさせられた。
 人形師 澄月をめぐる因縁が込み入っていて、
 途中で系図を描いてみようかと思ってしまった。



 12月2日
 ねこのばば  作:畠中 恵

 若だんなシリーズ 3巻目。
 今回もとっても楽しめた。
 このシリーズを読んでいると、活気のある町中の様子が浮かんできて
 自分も江戸の町にいるような気がしてくる。
 ハードカバーでは4巻まで出ているようなので、
 文庫化されるのが楽しみ。



 11月29日
 皮膚の下の頭蓋骨  作:P・D・ジェイムズ

 探偵コーデリア・グレイの2作目。
 ほかの探偵ものと違うのは、コーデリアがとても身近に感じること。
 名探偵という称号もなく、資金も十分ではなく、
 仕事はもっぱらペット探しの依頼ばかり。
 そんな毎日でも、彼女の責任感と正義感は揺るぐことがなく、
 犯罪事件に対しても、同じ誠実さで挑んでいく。
 謎解きよりも人間性の物語が中心の作品だと思う。



 11月20日
 パーラ 上・下  作:ラルフ・イーザウ

 久しぶりにイーザウさんの作品を読んだ。
 学者たちが言葉を失った人々を病気だと決めつけて、
 隔離したり、研究したりする中で、
 自分の見たこと、聞いてきたことを信じて友だちを助けようとした
 パーラの人間的なあたたかさがきわだっていたと思う。
 他人と話をすることが、私たちにとって大切だと強く感じた。



 11月15日
 幽霊が多すぎる  作:ポール・ギャリコ

 『トンデモネズミ大活躍』、『ジェニイ』、
 「ハリスおばさん」シリーズと、どれも気に入っているので
 文庫本コーナーで見つけたこの作品を借りてみた。
 今までに読んだ作品とは全然違う本格的なミステリーで驚いた。
 登場人物もトリックもとてもおもしろかった。
 ハリスおばさんが主人公の家のお手伝いさんとして登場したのは
 旅行先で知り合いに会ったような楽しい気分になった。



 11月5日
 弟の戦争  作:ロバート・ウェストール

 以前からこの作者さんの作品はよいと聞いていたのだけれど、
 今回やっと読む決心がついて、手に取った。
 今まで読まなかったのは少し恐いイメージがあったからで、
 この作品も、その出来事はわたしには恐い。
 (本当に起こったらと想像してしまうから。)
 でも、その出来事のために知った少年兵の生活は、
 たぶん本当に起こっている状況そのものだ。
 それを知らせてくれるこの作品を、私は感謝して受け取りたい。



 11月3日
 時の彼方の王冠  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 デイルマーク王国史 4 完結編。
 読み終わったあとすぐに、もう一度、1巻から読みたくなった。
 細かい設定がすべてこの最終巻でひとつにまとまり、
 まるで美しく織り上げられた1枚の布のように感じる。
 二百年という時を経て、魔法が科学に取って代っても、
 そこに生きる人々の中に何かが受け継がれていると考えると楽しい。



 11月1日
 美乃里の夏  作:藤巻 吏絵

 5年生の美乃里のせつない夏休みの物語。
 話さないのはつらいけど、話してしまったら相手が傷つく。
 そんな状況を初めて経験して気持ちが沈みがちな美乃里が
 不思議な偶然の出会いを通して、それを乗り越えていく。
 だれでにでもつらい経験はやってくるのだろうけれど、
 そのときにそれを乗り越えられるような助けや励ましが
 必ずあると信じたいと思った。



 10月26日
 イサナと不知火のきみ  作:たつみや 章

 たつみや章さんの古代を舞台にした新しいシリーズ。
 以前の月神シリーズよりもだいぶやわらかい感じ。
 綿津見の一族の謙虚な気持ちや他人への純粋なおもいやりの心が
 今のわたしたちにも受け継がれているかもしれないと思うと、
 (あくまでも物語だとわかっていても)ちょっと誇らしく感じる。
 受け継がれていなくても、そうありたいと思う。



 10月24日
 わたしが幽霊だった時  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 前半は姉妹たちのあまりのめちゃくちゃぶりに驚いて、
 物語を読んでいくことさえ、ままならなかった。
 中盤は7年の時を隔てて話と人がつながらず、
 なぞ解きが始まっているのに、お話に集中できなかった。
 全体的にちょっと読みにくいけれど、
 印象に残る場面がたくさんあって、おもしろかったと思う。



 10月24日
 ぬしさまへ  作:畠中 恵

 体の弱い若だんなが、妖(あやかし)たちを使って
 事件を解決する短編集。
 体が弱くても誰かを守れるように心は強く、やさしくありたいと
 願う若だんなの気持ちが、この本全体を包んでいるように感じる。
 「しゃばけ」では描かれていなかった腹違いの兄の物語も○。



 10月18日
 つくも神  作:伊藤 遊

 つくも神という存在(というか考え方というか)がとても好きだ。
 長く使われた物が生命を得るなんて、ワクワクする!
 不良になりかかっている主人公のお兄ちゃんが
 つくも神たちを自然に受け入れるところが特によかった。



 10月18日
 しゃばけ  作:畠中 恵

 この題名に引き寄せられて買った文庫本。
 血なまぐさい事件が起こるのだけれど、
 おっとりした主人公とちょっとおどけた妖たちのおかげで
 明るい印象の楽しい作品になっていると思う。
 たしか新聞で続編の広告を見たような・・・。



 10月16日
 背後霊倶楽部  作:山中 恒

 すごーくおもしろくて一気によめちゃった!
 もう一冊、背後霊の話があるってきいたから、
 次はそれを借りてこよう。
                             by(の)



 10月15日
 クローディアの秘密  作:E・L・カニグズバーグ

 家出って、子どもなら一度は考えてみるのではないかと思うけど、
 こんな風に、案外かんたんにできてしまうのかも。
 美術館に寝泊りして見つからないかどうかと、
 お金が足りるかどうかが読んでいて一番気になった。
 それにしても、メトロポリタン美術館はよほどの大きさらしい。
 いつか、何日も通って見に行ってみたいな。



 10月10日
 蒼穹の昴 4  作:浅田 次郎

 ドラマティックで、ものすごくおもしろかった!
 知られている歴史の裏には、
 たくさんの人たちのたくさんの想いがあるのだと、改めて感じた。
 この物語の中では、愛情とやさしさを心に閉じ込めて、
 国のために非情に振舞う西太后が一番あわれだった。



 10月10日
 蒼穹の昴 3  作:浅田 次郎

 天命に守られて道を行く者、
 自らの力で道を切り開く者、
 世の中の流れの中で大切なものを守ろうとする者。
 それぞれに目指すところは違うけれど、
 悩んだり、迷ったり、悲しんだりして優しさを失わないことが
 人間として大切なのではないかと思った。



 10月5日
 蒼穹の昴 1・2  作:浅田 次郎

 夫が買った本を何気なく手にとって読み始めたら、
 予想外におもしろくて一気に読み進んでいる。
 予備知識がまったくなく、初めは中国の物語だということで驚き、
 官吏の試験のことで驚き、歴史もまったく知らなかったので、
 日本の明治維新後の話だと知ってまた驚いた。


 9月25日
 えんの松原  作:伊藤 遊

 『鬼の橋』がとてもよかったので、
 もう1冊読みたくなって借りてきた。
 こちらも、期待に違わず堪能できる物語だった。
 私たちは生きていきながら、生まれたことを悲しんだり、
 自分の境遇をうらんだりしてはいけないのだと思った。



 9月21日
 呪文の織り手  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 デイルマーク王国史 第3巻。
 一国の史記だけあって、今回は国つくりの物語だった。
 言葉は布の織り方でつづられ、そうして織られた服が
 魔力を持つという設定が、画期的な感じがした。
 一番最後でやっと、物語の時代がわかるところも、
 とても粋なはからいであるような気がする。



 9月16日
 ペガサスの翼 中・下  作:倉橋 耀子

 中巻でうまくいってよかったなー、と思っていたら、
 下巻の最後におどろくような結末が用意してありました。
 先が気になって、一気に読んでしまった。
 わたしたちはつい、周りの人たちのことを
 「この人はこういうタイプ」なんて、決め付けてしまうけど、
 場所が変わると違う面も見えて、見直してしまうこともあるよね!



 9月14日
 これは王国のかぎ  作:荻原 規子

 アラビアン・ナイトの世界を舞台に、
 王子、砂漠、陰謀、魔法など、楽しい材料をつかって
 15歳の少女が、一つの悲しみを乗り越える旅を描いている。
 軽い言葉と文章でつづられているけれど、
 胸をうつ場面もあり、かなり感動した。



 9月13日
 チョコレート・アンダーグラウンド  作:アレックス・シアラー

 次にどうなるのか気になって、一気に読んだ。
 極端な思想の政党が政権をにぎった理由が、
 「こんな人たちに誰も投票するはずがない」と思って
 投票に行かない人が多かったからだ、というところが
 手放しに笑えないからおそろしい。
 わたしは絶対に、選挙を棄権しないようにしようと思う。



 9月12日
 ペガサスの翼 上  作:倉橋 耀子

 学校に行けなくなった少女 里央と
 虐待されたあと保護された馬 ペガサスの物語。
 人間に不信感を持つペガサスと少しずつ心を通わせながら、
 自分の心の中にある不安や悲しみを自覚していく里央は
 強いし、勇気のある女の子だと思う。
 次の巻で、学校に戻れるのだろうか・・・。



 9月10日
 聖なる島々へ  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 デイルマーク王国史 第2巻。
 1巻と同じ時期の別な町でのできごとを描いている。
 物語の中盤から最後まで、次々といろんなことが起きて、
 一気に読み終わったあとに、思わずため息が出た。
 旅の途中や聖なる島々で、伝説や習わしがほんとうになるところが
 美しくて、ぞくぞくするほどうれしかった。



 9月8日
 詩人(うたびと)たちの旅  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 デイルマーク王国史 第1巻。
 町々で歌を披露しながら旅をする吟遊詩人の一家の物語。
 今までに読んだめまぐるしい展開の作品とは違い、
 じっくりと物語の世界を味わえる作品だった。
 派手な衣装と馬車の装飾は、まるで目に見えるよう。
 この作者さんの色彩感覚は、いつもきれいだなぁ、と思う。



 9月1日
 ひと夏の旅  作:ドロシー・ギルマン

 わたしの大好きなギルマンさんの新刊。
 実際に書かれたのは1950年ごろだそうです。
 でも、ぜんぜん古臭さはなく、
 それは、ギルマンさんが大切だと思うことが、
 今も昔も同じように私たちにとって大切だからだと思います。
 「おばちゃま」シリーズも、新作が出るといいな・・・。



 8月31日
 裏 庭  作:梨木 香歩

 主人公の少女 照美の心の成長を中心に、
 バーンズ屋敷にかかわる少女たちの想いが展開する。
 今までに読んだこの作者さんの作品とは
 ちょっと違う雰囲気の作品だった。
 人は、自分の意思で成長することができるけれど、
 生きていくためにはほかの人とのかかわりが必要なのだという
 メッセージを受け取ったように思う。



 8月26日
 鬼の橋  作:伊藤 遊

 読む前に題名と装丁から感じていたイメージとは違って、
 人の心のやさしさがしみじみと伝わってくる物語だった。
 人はその心に何を思うかで鬼にもなり、
 逆に鬼であっても、心のありようで人にもなれる。
 それを象徴する非天丸と、孤児の阿古那の心のふれあいが
 主人公の篁だけでなく、読んでいる私の心にも
 強く、せつなく、語りかけてきた。



 8月24日
 グリフィンの年  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 『ダークホルムの闇の君』の続編。
 前作に引き続き、目が放せないおもしろさだった。
 特に後半は事件が次々と、しかもだんだん大きなことが起きて、
 最後にみごとなハッピーエンドに落ち着くところは、
 さすがだなぁ・・・と感心してしまう。
 恋愛話がいくつもあって、それもまた楽しい。



 8月22日
 ダークホルムの闇の君  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 久しぶりに、読み出したら止まらないおもしろさの作品だった!
 私たちの世界らしきところの人間に、
 観光地化されてしまった魔法の国という設定も、
 登場する生き物すべてが個性的で元気いっぱいなところも、
 楽しくて楽しくて、ぜひ買おう!と心に決めた。



 8月5日
 呪われた首環の物語  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 今までに読んだジョーンズさんの作品と雰囲気が少しちがうなあ、
 と思ったら、30年前に出版された作品だそう。
 私は、この物語の伝説っぽいところと、大人が妖精(?)の存在を
 疑いなく受け入れてしまうところが好きだ。



 8月2日
 青列車の秘密  作:アガサ・クリスティー

 「オリエント急行殺人事件」と間違えて借りてきてしまった。
 一度読んでいたけれど、それでもとてもおもしろかった!
 登場人物がみんな、外見や行動と違う素顔をもっていたり、
 名探偵ポアロの楽しくてやさしい性格が
 殺人事件とは別に、物語として楽しめると思う。



 7月29日
 永遠の夏休み  作:折原 みと

 読んでいるあいだ、ずっとドキドキしていた。
 3人は勇気があるなぁ、と思った。
 わたしにはとても無理。
 感想文はこの本で書くことにする。
                             by(の)



 7月28日
 カリブ海の秘密  作:アガサ・クリスティー

 ミス・マープルの長編。
 クリスティー女史の作品は、推理だけではなくて
 物語そのものが魅力的だと思う。
 人々の苦しみや心配ごと、夢や希望などすべてが
 起きた事件につながっていて、探偵はそれをときほぐす。
 こういうところは女性の作家ならではなのかもしれない。



 7月22日
 バッテリー X  作:あさの あつこ

 やっと文庫本で5巻目が出た。
 いろいろな想いを自分の中で繰り返し見つめている子どもたちが
 とても中学生とは思えないほど、大人びて見える。
 自分を信じることができるかどうか。
 誰かを信じることができるかどうか。
 それは、きっと大人になってももち続ける問いなのかもしれない。



 7月20日
 犠牲の妖精たち  作:ホリー・ブラック

 大人向け(ヤングアダルトと書いてあったけど)ファンタジー。
 魔法使いの物語にちょっと飽きていたので、
 妖精族のファンタジーは新鮮な感じがした。
 主人公の少女が妖精族の騎士に一目ぼれしてしまうストーリーは、
 「一目ぼれするほど素敵な人って、会ったことないなぁ…。」
 と、おかしな方向へ思考が飛んでしまった。



 7月15日
 神学校の死  作:P・D・ジェイムズ

 以前読んだ『女には向かない職業』という作品が好きだったので、
 久しぶりに見かけたこの作者の作品を借りてきた。
 舞台が神学校で、主人公はまじめな警視長ということで
 最初は堅い感じがするけれど、
 事件の核心に迫っていくにつれて引き込まれていく。
 誰の心にもある人間らしい部分が描かれていて、
 “完全な悪者”が出てこない展開が、現実的に感じた。



 7月10日
 少女海賊ユーリ 流星の歌  作:みお ちづる

 待ちに待ったシリーズ9巻目。
 護衛ロボットのゴアが、人間っぽいところがあるなー・・・と
 思っていたら、やっぱりロボットでしかなくて、
 ちょっとびっくりというかがっかりだった。
                             by(の)


 6月23日
 見習い魔女にご用心  作:テリー・ブルックス

 ランドオーヴァー・シリーズ 5巻。
 1〜3巻は何度も読んでいたけれど、
 この巻は2回くらいしか読んでいなかったと思う。
 政敵がいなくなり、シリーズ最終巻らしい感じがした。
 主人公の娘の名前のミスターヤ という響きがとても好き。 



 6月20日
 リアル鬼ごっこ  作:山田 悠介

 家で話題にしていた本を学校の図書室で見つけたので、読んでみた。
 どうなるのか気になって、一気に読んでしまった。
 ホラーは読んだことがなかったから少し不安だったけど、
 残酷なシーンがそれほどなかったのでほっとした。
 この作者のほかの作品も読んでみようかな・・・と思っている。
                                   by(ゆ)



 6月13日
 なぞの遺伝子研究所  作:ジリアン・クロス

 悪魔の校長シリーズ 第3巻。
 一緒にたたかった仲間が、そんなに簡単に以前の敵の言葉を信じて
 主人公を疑うようになるところにちょっと無理を感じたけど、
 それも催眠術をかけられたせいだったのだろうか・・・。
 でも、先が気になって一気に読んでしまった。



 6月12日
 12歳たちの伝説 4・5  作:後藤 竜二

 5年生のときに「パニック学級」と呼ばれていたクラスの
 6年生になってからの移り変わりを、子どもたち一人ひとりの
 想いを通して語るシリーズ。
 ほかの人と違う自分に自信を持てなかった子どもたちが、
 思いがけないきっかけでそれを乗りこえられたり、
 自分の意外な面に自信を持つことができたりして、
 だんだんとほっとしていく様子に、私もほっとしながら読んだ。



 6月10日
 都会のトム&ソーヤ 4  作:はやみね かおる

 内人と創也の凸凹コンビぶりが楽しい、シリーズ第4巻。
 豊富な知識と論理的思考に、ものすごい自信を持ちながら、
 ここぞというときには内人に頼りっぱなしの創也。
 2人が一緒にいるようになってから、2人ともそれまでとは違う
 世界を見るようになり、友だちの影響ってすごい!と思う。
 それにしても、2人とも無邪気でかわいいものだ。



 6月9日
 こそあどの森 ぬまばあさんのうた 作:岡田 淳

 今回も、じーんとするステキな物語でした。
 あいかわらずやさしい絵と文章に心が癒されます。
 一人で過ごすことも、誰かと一緒にいることも、
 自然に受け入れられるスキッパーが純粋でとてもいいと思う。



 6月8日
 チェンジ! ぼくたちのとりかえっこ大作戦
                 作:アレックス・シアラー

 お金持ちで超有名なベニーと庶民のぼく ビルが
 お互いの生活を体験するために入れ替わってみるお話。
 2人が出会った後はテンポがよく、どんどん読んでしまう。
 2人が入れ替わったあと、いったいどうなるのか、
 彼らと一緒にドキドキしながら読んだ。
 ベニーがなぜ有名なのか、読んだら「あ!」と思うんじゃないかな。



 6月7日
 DIVE!! 4 作:森 絵都

 オリンピック代表再選考の大会を軸に、
 主人公たちだけでなく、周囲の想いをなぞっていく。
 それぞれが、自分の世界の中で夢を追い、
 あるいは誰か、何かを支えにして前進する。
 そこでは誰でもかならず自分が主人公。
 今、こうしている自分も同じだと、あらためて思った。



 6月5日
 DIVE!! 3 作:森 絵都

 この巻の主人公は、飛び込み界のサラブレッド 要一。
 予想外の選考でオリンピック代表に選ばれ、
 それに付随するいろいろなことで調子を崩してしまう。
 1巻、2巻、3巻と、それぞれのメンバーが最後に、
 自分だけの、自分のための飛び込みを目指す決意をして、
 迷いを乗りこえていくところがすがすがしい。



 6月3日
 少女探偵ジュディ 消えたダイヤモンド 作:マーガレット・サットン

 消えたダイヤモンドは、ジュディがもらった婚約指輪の石だけど、
 なくなったのはこれだけではなくて、そちらの方が大事件。
 ジュディたちは高校を卒業して、大人への道を歩き出している。
 思いやりと、正しいことを貫こうとする気持ちを
 失わないジュディは、素敵な女性になるだろうと思う。
 (の)にも、こういう人になってほしい。



 6月2日
 ライオンボーイ 3  作:ジズー・コーダー

 やっと借りることができた完結編。
 ネコ語を話せるチャーリーが、
 無邪気な子ども時代から抜け出して、頼もしくなった。
 動物たちの活躍もとても楽しくて、
 特にコーポラシー社から脱出する場面は、
 天野喜孝さんの挿し絵もすばらしく、ものすごくわくわくした。



 5月30日
 クリストファーの魔法の旅  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 クレストマンシー・シリーズ。
 先に読んでいた巻に登場するクレストマンシーの子どもの頃の物語。
 彼がなぜぼんやりした顔をしていることが多いのか、
 それに、奥様のミリーとの出会いが、楽しく描かれている。
 “誰でも昔は子どもだった” ということを
 あらためて思い出させてくれた、楽しい作品だった。



 5月26日
 ハリー・ポッターと謎のプリンス  作:J・K・ローリング

 今回もおもしろく読んだけれど、
 ハリーの未熟さに失望も感じてしまった。
 ダンブルドアを信頼すると言いながら、スネイプやマルフォイへの
 疑惑を捨てきれず、そのせいで、大切なことを見落としている。
 ただ、家族を守るためにヴォルデモートの命令に従ったドラコに対して
 哀れみを感じたことが、ハリーの成長を物語っていると思う。



 5月15日
 少女探偵ジュディ 黄色い幽霊  作:マーガレット・サットン

 おもしろかった!
 推理がちょっと勘にたよっている感じがするけれど、
 ストーリーにメリハリがあってどんどん読める。
 不幸なお友達が幸せになれる結末はシリーズ共通で、
 この作者のあたたかい気持ちが現れていると思う。



 5月14日
 DIVE!! 2 作:森 絵都

 2巻はアジア合同強化合宿の選抜大会と、
 これからの自分の道を模索する沖津飛沫が中心。
 選抜大会で、飛沫が一般客の視線を集めていく過程が印象的。
 ひとりで生きているつもりでいたけれど、実は自分が支えられている
 ということに気付いて、相手の言葉や行為に素直に
 応じることができるようになっていくところもよかった。



 5月13日
 魔女と暮らせば  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 大魔法使いクレストマンシー・シリーズ。
 今回もクレストマンシーの服装はとっても派手。
 ハウルやモーディオンもそうだったけれど、
 男の人を服装で特徴付けるのが、この作者さんは得意なのかな。
 グウェンドリンはキャットの本当のお姉さんなのに、
 自分の野望のために弟にした仕打ちは、あまりにもひどかった。



 5月9日
 魔法使いはだれだ  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 大魔法使いクレストマンシー・シリーズ。
 登場する子どもたちが良い子ばかりではないところが、
 現実感があって引き込まれるような気がする。
 いじめられた仕返しに考えついた魔法が、
 あまりにも考えなしで、いったいどうなってしまうのかと思った。
 いろいろな事件が次々に起こって、最後の平和な場面が
 ものすごく場違いに感じるほどだった。



 5月4日
 アルテミス・ファウル 永遠の暗号 作:オーエン・コルファー

 シリーズ第3作。今回もおもしろかった!
 天才で、犯罪によって財を成すことを信条とするアルテミスが、
 急に家族愛に目覚めた父親と話しながら、
 それを心地よく感じている自分を見出すところがほほえましい。
 妖精族を利用しつつ、本当は彼らのことが好きで、
 彼らの生活が人間によって壊されないようにと望んでいる。
 心の深いところに、とても優しい気持ちを持っている少年だ。



 4月29日
 サジュエと魔法の本 上・下 作:伊藤 英彦

 12歳の少年サジュエが、いろいろな人と出会いながら、
 『朱の書』の魔法を身につけて邪導師とたたかう物語。
 会話に使われている言葉が、私が描いている登場人物の
 イメージとうまく合わなくて、違和感が残ってしまった。
 作者さんのたくさんのアイディアや伝えたいことが
 てんこ盛りに詰め込まれているように感じた。
 この中のいくつかに焦点をあてた、別な物語も読んでみたい。



 4月22日
 七つの封印 1・2 作:カイ・マイヤー

 邪悪な魔法と戦う子どもたちの物語。
 ほかの作品がおもしろかったので、読んでみることにした。
 ストーリーは軽快なテンポで進んで、どんどん読める。
 2巻の悪霊(?)から逃げ回るところは、特に豪快だった。
 おそってくる魔物が、かなり怖い。



 4月16日
 12歳たちの伝説 2 作:後藤 竜二

 1巻に引き続き、荒れていると言われている6年生のクラスの物語。
 子どもたちが、自分にまとっている仮面や
 他人から「こう見られている」という殻を破ってみたときに、
 意外にあっさりと他人に受け入れられるおどろきが新鮮。
 心に思うだけではなく、会話することが大切だと感じる一冊。



 4月15日
 黒いユニコーン 作:テリー・ブルックス

 ランドオーヴァー 第2巻。
 このシリーズの1巻が特に好きで何度も読んでいるし、
 3、4巻もよく読むのだけれど、これは久しぶりだった。
 やっぱりおもしろいし、トリックはよくできていると思う。
 ドラゴンが美しいシルフの歌のお礼に宝物をあげてしまう
 というエピソードが、この中でも一番好き。



 4月10日
 魔空の森 ヘックスウッド 作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 この作者さんらしい、入り組んだ舞台設定の物語。
 読み始めはちょっとこんがらがってしまうけれど、
 状況が分かると「なるほど」と感心してしまう。
 でも、途中で、またそれも実は・・・となっていておもしろい。
 モーディオンの生い立ちはあまりにも残酷で、怒りさえ覚えてしまう。



 4月6日
 ランプの精 作:P・B・カー

 途中で返してしまっていた本をやっと借りられた。
 にぎやかで、とても楽しいファンタジー。
 主人公たちが初めて自分たちの魔力を体験する場面が
 とてもおもしろかった。
 70人のジンが泥棒や密入国者と間違われてしまうところも可笑しい。



 4月5日
 DIVE!! 1 作:森 絵都

 ずいぶん前に、掲示板で紹介していただいた作品。
 「飛び込み」という競技にチャレンジする少年たちの物語。
 とりあえず1巻でメンバーが出そろい、
 これから彼らがどうなっていくのか、とても楽しみ。
 2巻以降も順調に借りられるといいけど・・・。



 4月3日
 個人情報 保護魔法! 作:アスプリン&ナイ

 共同執筆になってから、ちょっと勢いが落ちてきてるかな・・。
 後半はおもしろかったけど。
 挿し絵が少なくなっているのも、かなり残念。


 3月19日
 アルケミスト 作:パウロ・コエーリョ

 夢を追い求める少年の物語をとおして、
 運命を切り開く方法、コツを語っている。
 自分が進んでいる道が間違いではないと確信がもてた気がする。
 いつも、夢を求めてあきらめないこと。
 それは、私にとっても、今でも大切な想いです。



 3月12日
 真実の種、うその種 作:芝田 勝茂

 ドーム郡物語 第3巻。
 初めの物語から何百年か(?)たったころの物語。
 私のお気に入りだったクミルとかかしの消息が、
 ところどころに語られていてうれしかった。
 誇り高いドーム郡の娘のように、(の)にも育ってほしいな。



 3月11日
 海賊ジョリーの冒険 死霊の売人 作:カイ・マイヤー

 「鏡の中の迷宮」がおもしろかったので、借りてみました。
 登場人物たちの強い個性が、
 会話の中から浮かび上がってくるような感じがする。
 逃げて、逃げて、逃げて・・・と、物語にスピード感があり、
 どんどん読めてしまう作品だった。



 3月7日
 少女探偵ジュディ なぞの美少女 作:マーガレット・サットン

 1930年代に書かれた少女探偵シリーズ。
 同じ少女探偵もののナンシーと似ているかな、と思ったけれど、
 もっと人間の心に焦点をあてた、ほっとする作品だった。
 主人公のジュディが記憶喪失の少女を信じきれずに悩むところも
 誰でも共感できるような気がする。



 3月2日
 霧のむこうのふしぎな町  作:柏葉 幸子

 映画「千と千尋の神隠し」のヒントになった作品だということで、
 知人に貸してもらいました。
 ストーリーではなく、この物語のエキスみたいなものを受け継いでいる
 のかなあ・・・と思います。
 ほのぼのと、そしてしっとりと、心にしみる作品でした。



 2月27日
 12歳たちの伝説  作:後藤 竜二

 お話会のメンバーのおすすめで読んでみたら、とてもよかった!
 どんな風に言ったり、行動したりしたらいいのかと迷う子どもたちが
 彼らの言葉で語られていて、ストレートに心に伝わってきた。
 ふわふわとした先生が、子どもたちの気持ちを楽にする触媒に
 なっているところもよかった。



 2月25日
 メリーな夜のあぶない電話  作:斉藤 洋

 妖怪スピード小僧が笑える!
 このおはなしも、とってもおもしろかった。
 次は1巻が図書館にあるといいな・・・。
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 2月24日
 月の森に カミよ眠れ  作:上橋 菜穂子

 日本の古代を舞台にした物語は、たいへん心魅かれるものがある。
 普段は忘れている、でも、心の中に残っている神々への畏れが
 呼び起こされるのだろうか。
 次は同じ作者の『精霊の木』か、古代ファンタジー系列で
 萩原規子さんの『空色勾玉』にするか、迷ってしまう。



 2月18日
 エルデスト  作:クリストファー・パオリーニ

 「ドラゴンライダー」シリーズの2作目。
 “エルデスト” が何を意味するのかわかるまで、
 ずいぶん勝手な想像をしていたけれど、まったく違っていた。
 私はいつも、女性の登場人物に注目しがちで、
 この物語の中ではナスアダとアンジェラが気に入っている。
 3部作の最終巻が楽しみ。



 2月17日
 ドリトル先生航海記  作:ヒュー・ロフティング

 子どものころに、外国のテレビドラマで見ていました。
 ずーっと後回しにしていて、読んだのは今回が初めて。
 ドリトル先生のほがらかで優しい人柄が、とても魅力的。
 井伏鱒二先生の訳が、日本の子どもたちによい作品を届けたい
 という想いが伝わってくるような、丁寧で分かり易い言葉遣いでした。



 2月10日
 プライドは夜のキーワード  作:斉藤 洋

 すっごーくおもしろかった!
 ボールの名前が特におもしろい。
 これは3巻目なので、1巻から読んでみよう!
                             by(の)



 2月8日
 ハリスおばさん パリへ行く  作:ポール・ギャリコ

 ハリスおばさんのデビュー作。
 ディオールのドレスを買いたくて、くじやドッグレースに頼ったり、
 それがダメならと、ケチケチ作戦でお金をためるおばさんには
 とても親近感を感じる。
 自分の感情をストレートに表すことができるおばさんに、
 まわりの人が優しくなれるところがほっとする物語だった。



 1月24日
 ハリスおばさん 国会へ行く  作:ポール・ギャリコ

 痛快で、さいごにほろりとさせてくれる物語。
 元気で、“掃除人”という職業に誇りをもっているハリスおばさんと、
 ロールスロイスをこよなく愛する運転手のベイズウォーターさんが
 とても素敵。
 お国ごとの選挙運動の違いも興味深い。



 1月23日
 実験犬シロのねがい  作:井上 夕香

 おすすめの書き込みがあったので、読んでみた。
 シロがとてもかわいそうだった。
 実験のために飼われている犬がいることも初めて知った。
                             by(の)



 1月19日
 長くつしたのピッピ  作:リンドグレーン

 有名な作品だけれど、実は初めて読みました。
 自由で、強くて、元気いっぱいのピッピは
 まさに「健全」という言葉がピッタリ当てはまると思う。
 一番感心したのはトミーとアンニカのお母さんに対してで、
 ピッピがどんなにめちゃくちゃなことをしても、
 子どもたちがピッピと遊ぶことを禁止しなかったこと。
 きっと、自分の子どもたちを信じていたのね。



 1月17日
 蒼路の旅人  作:上橋 菜穂子

 新ヨゴ皇国皇太子チャグムの物語。
 絶望的に思える状況でも、あきらめないで活路を探すチャグムが
 とても頼もしく感じた。
 これからどうなっていくのか、大変楽しみな作品だ。
 なんとなく、日本語の作品はいいなあ、と思った。(なんとなくね。)



 1月15日
 バッテリー W  作:あさの あつこ

 文庫の新刊が出たので、久しぶりに読んだ。
 みんなで一つの「野球」をやるのに、一人ひとりの理由や想いは
 ばらばらで、でも「野球をする」ことでつながっている。
 そんなことが会話の中から見えてきて、新鮮に感じる。
 主人公だけでなく、周囲の人たちの気持ちも丁寧に描かれていて
 全員を身近に感じるような気がする。



 1月14日
 セブンスタワー 6  作:ガース・ニクス

 最終巻。
 タルとミラがそれぞれにやるべき事を心に刻み、
 迷っても、自信がなくても、進んでいく姿がとても頼もしかった。
 「自分でいいの?」「もし間違っていたら?」と思っても、
 そのときに自分にできる最上のことをやるしかないときがある。
 そういうときの勇気を与えてくれる作品だと思う。



 1月6日
 ウォーターシップダウンのうさぎたち  作:リチャード・アダムス

 何度読んでも感動する!
 この物語はものすごく好きだ。
 うさぎたちのシンプルで思いやりのある考え方も、その生活も、
 生きることそのものだと思う。
 引用されているロックリィ氏の本もいつか読んでみたい。





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