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虹の谷つうしん

2009年1月〜12月



 12月22日
 イーゲル号航海記 魚人の神官  作:斉藤 洋

 斉藤洋さんの物語はスピード感があっておもしろいです!
 SF的な冒険物語ですが、不必要なたたかいがなく、
 博士が平和な解決方法を考え出すところが、とてもいいと思います。



 12月20日
 心霊探偵八雲 SECRET FILES 絆  作:神永 学

 中学生のときの八雲の物語。
 いじめられているけど、それだけじゃない悲しさがある。
 深い・・・。
                             by(の)



 12月15日
 源平絵巻物語 第三巻 源 頼朝
                 文:今西 祐行 絵:赤羽 末吉

 源頼朝の13才から鎌倉幕府を開くまでを描いています。
 この中では、頼朝はやさしい心をもった人物として描かれていて、
 先になって弟を殺す命令を下すような人とは思えません。
 頼朝の心をそのように変えてしまうのは何だったのか、
 続きが楽しみです。



 12月10日
 おばあちゃんが、ぼけた  著:村瀬 孝生

 介護施設で働いてきた著者の奮闘記のような本です。
 認知症を人間の一生のなかの一部の姿としてとらえ、
 お年寄りの言動に一緒に悩んだり考えたりしてきた経験を
 楽しくおおらかに披露してくれています。
 「介護はこうあるべき」とか「これはおかしい」とか
 そういった言葉は述べられていないのですが、
 訴えかける著者の想いが自然に伝わってくる1冊でした。



 12月9日
 おそろし 三島屋変調百物語事始
                      作:宮部 みゆき

 新聞に続編が連載されてからずっと読みたかった作品。
 連載中のおちかさんは、この作品のときとくらべると
 ずっと元気になっていて、ほっとします。
 こんなふうに辛いことを乗りこえてきたことを知って、
 彼女の思いやりや懐の深さのわけが心に沁みました。



 12月3日
 ちんぷんかんぷん  作:畠中 恵

 しゃばけシリーズ。文庫本が出たので買いました。
 一太郎の母の若いころの話が特におもしろかった!
 おもいがけず、元気いっぱいの娘さんでした。
 見た目が貧乏っぽいだけに思える貧乏神様がどんな力を
 発揮するのか、いつか読んでみたいと思いました。



 12月1日
 クロニクル千古の闇5 復讐の誓い  作:ミシェル・ペイヴァー

 少年から大人へと変わっていくトラクとウルフの物語。
 オオカミと人間の違いを乗りこえて、絆を深くする2人に
 深い感動を覚えます。
 酒井駒子さんの表紙がいつもすばらしく、
 6000年前の世界が目の前に開けてくるようでした。



 11月24日
 いのちの食べ方  作:森 達也

 お友達が「よりみちパン!セ」のシリーズを紹介してくれて、
 この本を貸してくれました。
 家畜が肉としてお店に並ぶまでをわかりやすく解説してあって、
 そこから差別問題まで自然に語られています。
 読者に話しかけるようなくだけた文章なので、
 ふだんあまり本を読まない人でも、楽に読めてしまう1冊です。
 こういう本は、どんな人にも読んでほしいと思いました。



 11月20日
 ブラウン神父の知恵  作:G・K・チェスタトン

 クリスティの『おしどり探偵』の中で、探偵小説の古典の1つ
 として取り上げられていた作品を読んでみたくなりました。
 全体的にすっきりとしていてユーモアが感じられる短編集でした。
 まわりの人が事件を難しく考えてしまうところを、
 情報の整理と常識を使って整然と解決してしまうところが魅力的な
 神父さんでした。



 11月16日
 妖怪アパートの幽雅な日常 G  作:香月 日輪

 なんでこんなに事件に巻き込まれるんだろう?!
 ・・・と思ってしまうほど、すごい事件でした。
 るり子さんのお料理はあいかわらずおいしそうで、
 誰か、わたしに作ってくれる人はいないかしら・・・と
 このシリーズを読むたびに思ってしまいます。



 11月13日
 フランク・オコナー短編集  作:フランク・オコナー

 現代文学のアンソロジーで気に入ったので読んでみました。
 一番好きな作品は、前回読んだ「はじめての懺悔」でした。
 ふだん児童文学を多く読んでいるせいか、わたしはどうやら
 “ほのめかし” のような表現になじみにくいようで、
 やっぱり現代文学は苦手かも・・・と感じてしまいました。



 11月11日
 草の竪琴  作:トルーマン・カポーティ

 わたしにしては珍しく、新聞に載っていた紹介を読んで手にとった
 のですが、今まで自分がカポーティの作品を読もうと思うとは、
 考えたこともありませんでした。
 16歳の少年とピュアな心を持つ年配の伯母、そして彼女に心を
 惹かれた人々の会話と森でのできごとが人間の本質を写し出して
 いるような物語でした。
 最後は悲しいけれど、納得もした結末でした。



 11月8日
 ムンジャクンジュは毛虫じゃない  作:岡田 淳

 ムンジャクンジュかわいい! ・・・と思っていたら、
 あっという間に大きくなりすぎ!
 まあ、シェパードくらいまでならかわいいかな。
                             by(の)



 11月2日
 月のしかえし  文:ジョーン・エイキン 絵:アラン・リー

 絵の美しさにひかれて手に取った絵本です。
 7番目の息子セッピーが、願かけをするために7晩連続で
 月に片方の靴をなげる、という変わったおはなしでした。
 やさしい文章と繊細な絵で、
 おとぎばなしの世界に気持ち良くひたることができました。



 10月29日
 心霊探偵八雲 6  作:神永 学

 登場人物の間にやさしい絆が育っていることにほっとした。
 誰かとのかかわりによって自分がいい方向に変わっていけたら、
 その人と出会ったことが、とても幸せなことだと感じられると思う。



 10月26日
 ひねり屋  作:ジェリー・スピネッリ

 9歳になった少年 パーマーの誇らしさと不安に揺れる気持ちを
 描いた物語。
 お母さんがパーマーへ手を差し伸べるタイミングがすごくよかった。
 男の子の誕生日の儀式をおこなうガキ大将の元締め(?)の少年が、
 ただの乱暴者ではなさそうなことも少しほっとする。
 訳者あとがき(1999年)に、鳩撃ち大会は実際に行われているとあり、
 とてもおどろきました。



 10月22日
 ビート・キッズ  作:風野 潮

 中学ニ年の英二が、七生や吹奏楽部の仲間と出会って、
 演奏する楽しさに目覚めていく。
 英二が初めて大太鼓をたたいたときの気持ちよさが印象に残った。
 七生との友情が深まっていく過程も、
 この年齢ならではのストーリーでほっとする。



 10月19日
 マン島の黄金  作:アガサ・クリスティー

 クリスティーがマン島の宝探しイベントのために書いた物語と、
 幻の作品と言われていた短編を含む全10編。
 重いもの、軽やかなもの、おそろしいもの・・・といろいろで、
 最初から最後まで楽しめました。
 「クリスマスの冒険」と「名演技」が特に気に入りました。



 10月18日
 ゴーストアビ―  作:ロバート・ウェストール

 しっかり者の少女 マギーが、館のたくらみに気付いていく過程が
 とても怖かった!
 “ 物 ” は自分の都合しか考えない・・・ということに、
 「なるほど」と思ったけれど、
 実際の世の中にはそんな人間もいるかも知れないと思ったら、
 なんだかぞっとしました。



 10月17日
 古い骨  作:アーロン・エルキンズ

 人類学の教授 ギデオン・オリヴァーが、
 被害者の骨の鑑定をとおして推理をするシリーズ。
 フランスのモン・サン・ミッシェルをとりまく潮が満ちてくる場面
 があり、また一つ行きたい場所が増えました。
 骨の鑑定をしていく過程がとても興味深かった。



 10月13日
 天帝妖狐  作:乙一

 集英社文庫にて。『A MASKED BALL』も収録されている。
 『A MASKED BALL』はスリリングで、ちょっと不気味で、
 とてもおもしろかった!
 高校の普通の風景の中に、危険な誰かが潜んでいる・・・。
 こういう不安をかきたてるストーリーが、わたしはけっこう好きです。



 10月11日
 しみじみ読むイギリス・アイルランド文学  編:安部 公彦

 イギリスとアイルランドで活躍する現代文学作家12人の短編集。
 児童書に慣れたわたしには、現代文学はどうだろうかと思いながら
 読んでみました。
 一番気に入ったのは『はじめての懺悔』(フランク・オコナー作)と
 いう作品で、(やっぱりというか)子どもが主人公の作品でした。
 最近、新しい作家さんと出会う楽しみを求めて、
 アンソロジーとよばれる作品集をときどき選んでみます。
 今回知ったフランク・オコナー氏は短編で有名な方だそうなので、
 これから読んでみたいと思います。



 10月8日
 告白  作:湊 かなえ

 自分と同じ中学生の話も入っていたので現実的に感じられて、
 こわかったけれどおもしろかった。
                             by(の)



 10月6日
 顔をなくした少年  作:ルイス・サッカー

 子ども時代から次へと進むときに、どこへ足を踏み出そうかと迷って、
 失敗してしまった少年の物語。
 失敗してもやり直せるよ。…まあ、ちょっとカッコ悪いけど、
 それは我慢しなくちゃ。
 と、応援してもらって、ほっとするおはなしでした。
 こういう作品は好きですね〜。



 10月4日
 小さなトロールと大きな洪水  作:トーベ・ヤンソン

 ムーミンシリーズの1作目だそうです。
 挿し絵のムーミンたちが少し雰囲気がちがっていました。
 お菓子の庭を持つ男の人が、なんとなく悲しげでした。



 10月1日
 日本の怪談5 百物語の妖怪  著:小暮 正夫

 物語のほかに、百物語の成り立ちや文学史上の位置づけなども
 わかりやすく解説されていて、とても勉強になりました。
 小学生でも読めるような本ですが、
 “こんなことを知っているともっと楽しめる” 的な内容なので、
 中高生や大人でも、興味がある人は読んでみるとおもしろいです。


 9月28日
 源平絵巻物語 第一巻 牛若丸
                 文:今西 祐行 絵:赤羽 末吉

 全十巻の絵本シリーズの第一巻です。
 赤羽末吉さんの絵はやっぱりすばらしいです!
 物語もしっとりと落ち着いていて、セットで欲しくなりました。
 でも高いな〜…。



 9月24日
 陰陽師 瀧夜叉姫 上・下  作:夢枕 獏

 平将門を甦らせようとするたくらみをめぐる長編でした。
 わたしの歴史の知識はとても乏しいのですが、
 その多くが本を読んで得たものです。
 平将門が関東地方の人だということも、今回知りました。
 征夷大将軍であったという坂上田村麻呂のことも、
 つい2、3年前まで歌人だと思っていました。
 (柿本人麻呂と混乱していたらしい)
 でも、物語はその一時期を取り上げてあることが多く、
 歴史そのものに興味が広がらないままのわたしには
 体系的な知識として身に着いていないのが残念です…。



 9月20日
 パディントンのクリスマス  作:マイケル・ボンド 絵:ペギー・フォートナム

 なんてかわいらしいおはなしなのでしょう!
 何にでも興味津々でためしてみるパディントンと
 ちょっと困りながら彼を見守るブラウン家のひとびとにほっとします。
 楽しみながら、イギリスの習慣にも触れることができるところも◎。



 9月18日
 ワーキング・ガール リディの旅立ち  作:キャサリン・パターソン

 150年以上前のアメリカで生きる少女の物語。
 頼りにならない母親に代わり、一家の借金を返すために働きに出て、
 たった14歳で世間に立ち向かうリディの強さに感動しました。
 苦労のあと、借金からも、家族を養うことからも解放されたリディが
 こんどは自分のために生きようと決心するところが強く心に残ります。



 9月13日
 猫の帰還  作:ロバート・ウェストール

 とてもよい物語でした!
 戦争という現実の中で、猫がおとずれたことで気持ちが前向きに
 変わる人間の強さに勇気をもらったような気がします。



 9月10日
 ドロレス・クレイボーン  作:スティーブン・キング

 あまりにおもしろくて、一気に読みました。
 全編が一人の女性の一晩にわたる告白という変わった趣向の作品。
 彼女の過ごしてきた日々の幸せや苦悩、そして罪がリアルに語られ、
 飽きることも、止まることもなく読まされてしまいました。
 日蝕の日を鍵に使っているところを読みながら、
 今年、日本でも日蝕が見られたことを思い出しました。
 べつにたいしたことではありませんが、
 こういう偶然も、導かれたように考えるのが、わたしは好きです。



 9月2日
 ミラート年代記 2 タリンの秘密  作:ラルフ・イーザウ

 久しぶりに大きなファンタジーを読んだなあ…、という感じです。
 『ネシャン・サーガ』『見えざるピラミッド』とは、世界の創造の部分で
 つながりがあります。
 また、主人公のあり方が、『ネシャン』では2つの世界に1人の存在、
 『見えざる…』では3つの世界にまたがる三つ子、
 『ミラート…』では1つの体を共有する双子、というように
 運命を感じさせる存在となっているところも印象的です。
 3巻では、騎士となったポピの活躍が楽しみです。



 8月25日
 陰陽師 付喪神ノ巻  作:夢枕 獏

 今回はすさまじい女の執念のお話もありました。
 自分が鬼になってしまうほどのうらみや嫉妬の心というものは、
 今の時代にもあるのでしょうか。
 それほどの強い想いは、時代の移り変わりとともに
 人の心に生まれなくなってしまったのでしょうか。
 それとも私たちが気付かないだけで、今でも存在するのかな…。



 8月24日
 ユリエルとグレン 3 光と闇の行方  作:石川 宏千花

 急な展開を見せる最終巻。
 グレンの将来がとても心配だったけれど、
 希望がもてるラストでよかった。



 8月23日
 虎の弟子  作:ローレンス・イェップ

 フェニックスの卵を守るために戦う少年とその師匠の虎の物語。
 虎といっても、魔術で人間に化けて人間として暮らしている。
 祖母のあとを継いで守護者になることを拒否するトムが
 いかにも普通の少年で、この物語がどうなるのかと心配しながら
 読み進みました。
 龍とサルの仲間も楽しくて、続編が楽しみ。



 8月19日
 山からきたふたご スマントリとスコスロノ
 影絵芝居・ワヤンの物語より  再話:乾 千恵  絵:早川 純子

 ジャワ島に伝わる影絵芝居をもとにした絵本。
 本当に影絵芝居をそのまま写しとったような絵が印象的です。
 ダイナミックで勇ましい部分と悲しい部分を兼ね備えた物語は、
 本でも十分に堪能できました。
 実際に徹夜の影絵芝居で見たらどれほど素晴らしいのかと、
 読み終わってからもわくわくしました。



 8月18日
 屍鬼 五  作:小野 不由美

 “起き上がり” と村人の血みどろの戦いと炎の終焉。
 戦いの幕を開けた医師 敏夫の狡猾さ、
 災いの元凶である沙子の心を理解し、寄り添う決心をする静信、
 憎しみと恐怖の反動で、かつては知り合いだった屍鬼を狩る人々。
 人々も屍鬼も、正気と狂気の境い目が失われたような成り行きが
 とてもおそろしいと感じた。
 そういえば、戦いの場面がすさまじいのは『十二国記』もでした。



 8月10日
 天と地の守り人  作:上橋 菜穂子

 長かった物語が終わってしまいました。
 小さくて悲しみの中に生きていたチャグム王子が、
 強い心と民を想うやさしさを兼ね備えた指導者になりました。
 バルサもタンダも、そのほかの人々もみんな、
 それぞれの未来としっかりと向き合う体験をしました。
 そんなことを感じながら、わたしの未来は…? と、
 あらためて考えてみるきっかけにもなった物語でした。



 8月7日
 人は何で生きるか  作:トルストイ

 とても読みやすくてわかりやすいシリーズの1冊です。
 文豪と呼ばれるトルストイが、素朴な民話のかたちで
 人間にとって大切なことを伝えようとしたやさしさを感じます。
 よいシリーズなのに、図書館ではあんまり借りられていないようで
 もったいないなぁ…と思います。



 8月4日
 プリンセス・ダイアリー  作:ミア・キャボット

 メールや日記などの一人称でつづられている高校生プリンセスの
 たくさんの悩みごと。
 シリーズの途中をいきなり読んだので、
 背景や人間関係がよくわからなくて楽しみきれなくて残念。



 8月2日
 星条旗よ永遠なれ  作:アヴィ

 最後まで救いのない物語でちょっと驚きました。
 この作者さんの今まで読んだ作品は、
 一つの枠…というか立場にとらわれている主人公が、
 何か(または誰か)のきっかけや応援でそれを打ち破って、
 自分にとって本当の自由を獲得するといった物語でした。
 この物語は少年の学校でのちょっとしたわがままが、大人たちの
 都合と勝手な解釈によって全米中の大騒ぎに発展します。
 当事者である少年と担任の教師はどちらも望まない道を歩まざるを
 得なくなったのに、騒ぎを大きくした大人たちは自分たちが少年を
 救ったと、的外れな満足感に浸っているのです。
 マスメディアの影響力の大きさと、親と学校との関係のありかたを
 考えさせられた作品でした。



 7月31日
 七つの人形の恋物語  作:ポール・ギャリコ

 表題作と『スノーグース』の2作品が収録されている。
 どちらもすばらしい物語でした!!
 今年読んだ中では1番です。
 『スノーグース』はやさしさと純粋さが深く胸に沁みこんで、
 感動がいつまでも残ります。
 『七つの人形…』は人形と若い女性ムーシュとの温かいやりとりと、
 人形遣いの暗く恐ろしい行動が、明と暗の対極を成しています。
 その中でも最後のクライマックスは、不吉な様相を呈しながら、
 疑問と希望をかき立てる、臨場感あふれる場面になっています。
 もともと好きな作家さんなのですが、
 この本を読んでますます好きになりました。



 7月28日
 天と地の守り人 第一部・第二部  作:上橋 菜穂子

 前作を読んでからずいぶんたってしまいましたが、
 あっという間に、物語の世界に入り込むことができました。
 バルサとチャグムが本当の親子のように心配しあうことが、
 用心棒という生き方のために家族を持たないで生きてきたバルサの
 心の支えの一つだと思うとほっとします。
 戦争にかり出されたタンダも、無事で帰れることを願って第三部へ。



 7月23日
 その歌声は天にあふれる  作:ジャミラ・ガヴィン

 読んでいて、胸が苦しくなるような作品でした。
 生活や名誉のために捨てられる子が少なくない時代に、
 他人の子を平気で殺める恐ろしいオーティスが、
 障害のある息子ミーシャクを乱暴に扱いつつも見捨てられないこと。
 そのミーシャクの荒々しい純粋さと一途さ。
 その中で、子どもたちの生き生きとした様子が
 光をはなっているようにも感じられました。



 7月17日
 屍鬼 四  作:小野 不由美

 いよいよ村が“起き上がり” たちに占拠されはじめました。
 生き残っている人にとっては恐ろしいけれど、
 全部の住人が入れ替わったら、その後はどうするつもりなのかと
 的外れな心配をしています。



 7月15日
 陰陽師 龍笛ノ巻  作:夢枕 獏

 静かな文章で創り上げられる、現実とあやしい世界の境目のような
 このシリーズが気に入っています。
 『むしめずる姫』の露子姫の純粋さにほっとしました。
 (でも、私は毛虫も蝶も嫌いです。)



 7月11日
 DZ  作:小笠原 慧

 家の本棚にあったので読んでみた。
 遺伝子と進化をキーワードにした推理小説。
 遺伝子のことは詳しくないので読み飛ばしながら進みました。
 殺人現場から消えた少年の謎が一つ一つ解けていくところが
 気持ちよく読めました。



 7月6日
 夜の子どもたち  作:芝田 勝茂

 ある町で不登校となった5人の子どもたちと、
 その対応に呼ばれた心理学の研究者が一緒に夜の謎に挑む物語。
 そこで進められている計画や伝説もこわいけれど、
 それよりもその町の大人たちの様子のほうがずっと不気味。
 誤植が多いような気がして残念でした。



 7月2日
 復讐プランナー  作:あさの あつこ

 不穏なタイトルだけど、ストーリーはもう少し優しい作品。
 復讐ノートがきっかけとなって、
 行き詰まっていた世界を広がっていくところがいいなと思った。
 スカイエマさんの絵も雰囲気に合っていてよかった。 


 6月27日
 屍鬼 三  作:小野 不由美

 いよいよ佳境に入ってきたかんじ。
 原因に気付いた村人が2組。
 夏野の命があるうちに、彼らが手を組めることを祈ってしまう。



 6月24日
 魔界水滸伝 5・6  作:栗本 薫

 さらに新しい人物が登場。
 涼は本当にこれで終わりなのかな?
 結局、活躍する場面がないままだったけど…。



 6月10日
 スローモーション  作:佐藤 多佳子

 『黄色い目の魚』 を思い出しました。
 あの主人公よりももう少し“普通”からはずれた人たちが、
 自分の道を手探りで見つけていくような物語でした。



 6月5日
 魔界水滸伝 3・4  作:栗本 薫

 だんだんとスケールが大きくなってきました。
 涼の役割が何なのか、
 これからの展開がとても楽しみです。



 5月29日
 800番への旅  作:カニグズバーグ

 800番の意味は最後の最後に出てきます。
 読みながら、この物語はどういうふうに落ち着くのだろうかと
 残りのページを見ながら考えてしまいました。
 “ 自分は何者か ” “ 自分はどこに属するのか ”。
 わたしたちが生きるよりどころにしたいそういうことの意味を
 もう一度考えさせてくれる物語でした。
 ボーのお父さんの本当の良さが
 終盤になって初めて明かされるところもよかった。



 5月25日
 屍鬼 二  作:小野 不由美

 ああ・・・次はどうなるのでしょう?!
 伝染病か、誰かの策略か、この世のものならぬ何かか・・・。
 怖くて、不安で、真実を知るのが怖いような気がします。



 5月22日
 トラベリング・パンツ ラストサマー  作:アン・ブラッシェアーズ

 レーナ、カルメン、ビー、ティビーの4人が
 進学のために巣立っていく前の、最後の夏の物語。
 個性の違う4人が、それぞれに自分の世界を手探りで築いていく姿が
 みずみずしくてまぶしい。
 わたしはこの4人の中で、喜怒哀楽がすぐに態度にあらわれてしまう
 カルメンにとても親しみを感じています。



 5月20日
 古王国記U ライラエル
 古王国記V アブホーセン  作:ガース・ニクス

 時間がとれたので久しぶりに大作を読んだ。
 このシリーズは大好き。
 自分の一族で一人前になれないライラエルのつらい焦りの気持ちと、
 進むべき道を進めない王子サメスの心の葛藤は、
 読んでいるわたしもつらい気持ちになってくる。
 サメスが両親を頼りにして相談したいと切望しているところは、
 よくある冒険物語のヒーローではなく、
 16歳という年齢にふさわしく思えて特に好き。



 5月12日
 陰陽師  作:夢枕 獏

 とつとつと語られる文章と安倍晴明の言動がよく合っていて、
 本全体でひとつの世界を創りあげていると感じました。
 怪奇ものは好きなので、シリーズ化されていることが嬉しい。
 でも、図書館に行くと忘れているのことが多いのですよね・・・。



 5月10日
 ミラート年代記 T 古の民シリリム  作:ラルフ・イーザウ

 ラルフ・イーザウさんの作品を読むのは久しぶりです。
 本格的なファンタジーを
 佐竹美保さんの絵と一緒にじっくりと味わいました。
 3部作ということなので、主人公のシリリムの双子が
 今後どのように成長していくのか楽しみです。



 5月5日
 ユリエルとグレン T 闇に噛まれた兄弟
              U ウォーベック家の人々
                      作:石川 宏千花

 図書館の棚から取り出したときに、今風な、若い人向きの表紙に
 ちょっとびっくりした。
 ストーリーはとてもおもしろくて一気に読んでしまいました。
 まだ続きそうなので、これからも楽しみ。



 5月2日
 魔界水滸伝 2  作:栗本 薫

 クトゥルー神話の来歴が説明されている。
 その名称と異形の神(というか怪物というか)のイメージは
 なんとなく知っていたけれど、そもそも小説として生まれた
 ということは初めて知った。



 4月29日
 アルテミス・ファウル 永遠の暗号  作:オーエン・コルファー

 シリーズ第3巻。
 ここまでは買って、4巻目は図書館で借りて読んだのでした。
 戻ってきた父親のことを書いているアルテミスの日記が
 普通の少年らしい気持ちを語っているところがいいと思う。
 妖精の記憶を失った彼が、せっかく芽生えてきた良心を失って
 いるようであることが、彼の人生にとって今までの出会いが
 どれだけ大切だったかをうかがわせてくれる。



 4月26日
 アルテミス・ファウル 北極の事件簿  作:オーエン・コルファー

 久しぶりに読んだらおもしろかった!
 自信たっぷりだったアルテミスがほかの人の能力を認めたり、
 大切に思うようになったりしていく経過が気に入っている。
 もしかしたら3巻は読んでいなかったかな・・・?



 4月20日
 機関銃要塞の少年たち  作:ロバート・ウェストール

 第二次世界大戦中のイギリスを舞台にした少年たちの物語。
 度重なる空襲や侵攻されるかもしれないという緊張の連続の中で、
 自分たちの世界をつくりあげていくたくましい彼らに感心した。
 主人公の少年が絶対にウソをつけないとおそれている父親や、
 少年たちの行動に通じている先生など、
 魅力的なおとなも登場していて楽しめた。



 4月15日
 おれの墓で踊れ  作:エイダン・チェンバーズ

 イギリスのリゾートの町を舞台にした青春小説。
 主人公の少年が事件の始まりから終わりまでを思い出して
 文章にまとめた形式の物語。
 真の友情を求め続けて、でもそれがどんな形で訪れるかわからずに
 個性の強い友人に引っ張られて勘違いしてしまう。
 中には「こんなことって、イギリスではよくあるの?」
 とちょっとびっくりしてしまう部分もありました。



 4月8日
 魔界水滸伝 1  作:栗本 薫

 まず一番おどろいたのは、栗本薫さんが女性だったことです。
 お名前はずーっと前から知っていたのですが、
 「グイン・サーガ」シリーズなどの表紙のイメージで
 男性だとばかり思ってきました。
 物語はまだ始まったばかりなので、今後の展開が楽しみです。



 4月5日
 なぞの転校生  作:眉村 卓

 以前に読んだ『ねらわれた学園』と似ているのかなと思ったら、
 もっと優しい雰囲気の物語でした。
 未来は自分たちで切り開いていくのだというメッセージが
 じっくりと伝わってくるような作品でした。



 4月3日
 妖魔をよぶ街 上・下  作:テリー・ブルックス

 本棚から探し出して久しぶりに読みました。
 ランドオーヴァーやシャナラシリーズとは違い、
 現実世界を舞台にしたファンタジー。
 夏の風景と主人公の少女の心の揺れや未来への希望と、
 言霊の騎士が夢の中に見る絶望的な未来の対照的なイメージが
 より強力な印象となって目に浮かんできました。


 3月29日
 風の万里 黎明の空 下  作:小野 不由美

 十二国記シリーズ。
 下巻だと気付かないで借りてきて、読んでしまった。
 あとがきを見て、どおりで中途半端な始まりだと思ったけれど、
 見覚えのある名前が登場していたので意外に平気だった。
 陽子のりりしい成長ぶりが素敵でした。



 3月24日
 サークル・オブ・マジック 魔法学校再訪/氷の国の宮殿
      作:デブラ・ドイル、ジェイムズ・D・マクドナルド

 主人公ランドルの正直でまっすぐなところと、
 その親友リースがランドルを信じて常に助けになろうとするところが
 わたしが特に気に入っているところです。
 前作で終了のつもりだったそうですが、
 これからもゆっくりでも続くといいなあ。



 3月21日
 子どもだけの町  作:ヘンリー・ウィンターフェルト

 ドイツの小さな町を舞台にした物語。
 子どもたちのいきいきとした様子が目に浮かぶような作品でした。
 全部のおとなが子どもたちをこらしめるために
 町を出て行ってしまうというありえない設定も楽しい。



 3月18日
 魔法!魔法!魔法!  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 読み応えのある短編集でした!
 ファンタジーだけでなく、SF的な作品やご自分の少女時代を
 描いたらしい作品など、この作者さんの魅力が次から次へと
 披露されて、とても贅沢な作品集になっていると思います。
 心の底から楽しめました。



 3月10日
 ぼんくら  作:宮部 みゆき

 小さな謎が次々とかさなっていって、悪者はだれか、
 そもそも悪者はいるのかと、最後までじっくりと楽しめました。
 主人公その他の人々がなんとなく親しみやすくて、
 自分もその中の一人のような気分になって読みました。



 3月4日
 不安な童話  作:恩田 陸

 “ 自分がその女性の生まれ変わり?”
 そんな話をきかされて、しかも、その女性が自分とは
 まったく違う性格の持ち主だったとしたらどうだろう?
 ときどきよみがえる記憶がおそろしいものだったらどうだろう?
 ぐらぐらと心が揺るがされるような物語でした。



 2月28日
 ミオよ わたしのミオ  作:アストリッド・リンドグレーン

 ファンタジーの名作ときいていたので読んでみました。
 たしかにミオが住む世界の美しさがすばらしいです。
 景色だけではなく、子どもにとって大切な親や友だち、
 それに遊んだり、食べたりすることもすべて盛り込んであります。
 私はこの本を、いつ魔法が切れてしまうのかと心配しながら読んで、
 最後に、大人ってつまらない生き物だなぁとつくづく思いました。



 2月25日
 黄色い目の魚  作:佐藤 多佳子

 せつなくていいおはなしでした〜。
 最初の2編とそのあとの部分は雰囲気が違っていて、
 一瞬、続いていない作品集なのかと思いました。
 でも、ずーっと物語はつながっていて、
 一途に、でも迷いながら道を見つけていく主人公2人を
 いつまでも見ていたいような気持ちになりました。



 2月22日
 屍鬼 一  作:小野 不由美

 山の中の古い歴史がある村が舞台になっているのだけれど、
 あくまでも現代の人々が生活していて、
 夏の光の下では普通の日々が続いている。
 でも、山の暗がりや夜には何か得体の知れないものが
 こちらをじっと狙っているような恐ろしさを感じた。
 2巻以降、どうなっていくのか怖いけれど楽しみ。



 2月17日
 キノの旅 U  作:時雨沢 恵一

 おもしろかったんだけど、
 1巻と話がつながっていないようなところや、
 時間が戻っているようなところがあって、
 ちょっと混乱した。
                             by(の)



 2月16日
 サークル・オブ・マジック ブレスランドの平和
      作:デブラ・ドイル、ジェイムズ・D・マクドナルド

 主人公のランドルが立派になってきたのはもちろんのこと、
 親友のリースやいとこのウォルターも勇気と忠誠心にあふれていて、
 戦いの場面にハラハラしながらも、安心して読むことができました。
 “魔法使い” 系のファンタジーの中でも、
 このシリーズはとてもよい作品だと思います。



 2月13日
 サークル・オブ・マジック 邪悪の彫像/王様の劇場
      作:デブラ・ドイル、ジェイムズ・D・マクドナルド

 今回も充実した物語でした。
 訳者さんのあとがきに「物語の王道をいく作品」とあり、
 主人公たちが友情を大切にするところや、
 邪悪な誘惑にまけないことはまさにそのとおりだと感じました。



 2月9日
 おばちゃまはシリア・スパイ  作:ドロシー・ギルマン

 このシリーズで中東が舞台の時には、
 よく市場の様子が語られる。
 スパイス、真鋳の道具、そしてじゅうたんの店。
 いつか私も本当のじゅうたんの店で、
 値引きの交渉をしながら買い物をするのが夢だ。



 2月6日
 心霊探偵八雲 3 闇の先にある光  作:神永 学

 話が入り組んでいて少し混乱した。
 でも、おもしろかった!
                             by(の)



 2月6日
 おばちゃまはアフリカ・スパイ  作:ドロシー・ギルマン

 ミセス・ポリファックスはいつも若い人を理解しようとし、
 年齢をかさねた人に尊敬の気持ちを持っている。
 それは、たとえ宗教や習慣がちがっても、
 人間として大切なことは同じに違いないと信じているからだと思う。
 わたしもそんな大きな心の持ち主でありたいと思う。



 2月3日
 心霊探偵八雲 3 闇の先にある光  作:神永 学

 2巻にくらべてとても読みやすかった。
 登場人物も個性が際立ってきたみたいで、
 少しゆるやかな雰囲気になってきたような気がします。



 2月2日
 心霊探偵八雲 2 魂をつなぐもの  作:神永 学

 これもやっぱりおもしろかった。
 やめられなくなって、一気読みした。
                             by(の)



 2月2日
 サークル・オブ・マジック 魔法の学校
      作:デブラ・ドイル、ジェイムズ・D・マクドナルド

 主人公は騎士見習いをやめて魔法使いを目指す少年ランドル。
 彼の正直でまっすぐな心は、読んでいて気持ちがよかった。
 魔法学校の様子は「ハリー・ポッター」風かもしれないけれど、
 読みながら思い出したのは「ゲド戦記」でした。
 それほど重たくはないけれど・・・。



 1月30日
 ふるさとは、夏  作:芝田 勝茂

 夏休みに父のふるさとへ泊まりに行ったみち夫の不思議な体験。
 八百万の神様が登場する心に染みる物語。
 この作者さんの作品は読んだあと、「よかった〜」と
 ほっとするような気がする。
 八百万の神様が登場する作品を読んだときに、
 「やっぱりいるよね」と感じる自分が日本人だなぁと思う。



 1月28日
 異界から落ち来る者あり 上・下  作:香月 日輪

 物の怪ばかりが住む世界の大江戸を舞台に、
 一人きりの人間、かわら版屋の雀と彼の友だちが活躍する物語。
 設定は思いっきり変わっているけれど、
 登場人物たちの地に足の着いた暮らしや考え方が気持ちいい。
 食べ物をおいしく食べる部分を読むと、何か食べたくなってしまう。



 1月25日
 ティーパーティの謎  作:E・L・カニグズバーグ

 不思議な縁でつながった4人の少年少女の“想い”の物語。
 ひとつの出来事を別な立場で語られる部分があったり、
 4人を第三者の目線で語る部分があったりして、
 短編としても楽しめたことも、
 それらがひとつの物語としてまとまっていく過程もよかった。
 中学生くらいの子どもたちが友情を深める手段に
 お茶会をというアイディアはとてもいいなあ・・・と思った。



 1月23日
 蒲生邸事件  作:宮部 みゆき

 現代の18歳の少年が、タイムトリップをして二・二六事件を
 間近に経験するという物語。
 彼を連れて行ってくれる男が
 「自分が止めようと思っても、歴史の大きな流れは変えられない」
 と言うのだけれど、そこがほかのタイムトラベル物と違う部分かも。
 それならせめて、その流れの中で生きている一人ひとりの人間は、
 「幸せだった」と言える人生を、がんばって作っていかなくちゃ、
 という思いが伝わってきました。



 1月18日
 スカイラー通り19番地  作:E・L・カニグズバーグ

 とても素敵な物語でした。
 主人公の少女マーガレットが自分の個性を大切に感じていることも、
 大伯父さんたちが故郷の習慣や暮らし方を守っていることも、
 庭の塔も、塔を守ろうと協力してくれる人たちも、みんな素敵です。
 前に読んだ『クローディアの秘密』もよかったし、
 今年はカニグズバーグ作品を中心に読んでみようと思います。



 1月16日
 六番目の小夜子  作:恩田 陸

 ちょっと難しかったけどがんばって読んだ。
 読み終わって、「やりとげた〜!」という感じ。
                             by(の)



 1月13日
 心霊探偵八雲 2 魂をつなぐもの  作:神永 学

 長編。
 楽しめたけれど、1巻のほうがおもしろかったかな。
 一部、桜の木のことで「あれ?」と思ってしまったことと、
 文章が一人称なのか三人称なのか区別をしにくかった部分が
 あったことがちょっと残念でした。



 1月10日
 伯爵夫人は万華鏡  作:ドロシー・ギルマン

 マダム・カリツカが“読み”の能力を使って
 さまざまな手助けを行う物語。
 家族のことで悩んでいる人には言葉を選んで伝え、
 必要な人には自分の経験から得られた助言をする。
 思慮深いことはもちろんだけれど、
 その根本には人間を愛する気持ちが流れていることを感じる。
 ギルマンさんもきっとこんな方なのだろうと思った。



 1月7日
 ほたる館物語  作:あさの あつこ

 老舗旅館の娘で小学生の一子を主人公にした物語。
 関西風の方言がやさしく感じられて、ほっとする。
 前半の両親や祖母のお客様へのこころくばりもよかったし、
 後半の一子と親友の雪美ちゃんとのできごともよかった。
 人は誰でも、ほかの人との係わりの中で生きているのだと
 しみじみと感じた。



 1月5日
 心霊探偵八雲 1 赤い瞳は知っている  作:神永 学

 おもしろかった!
 こんなに一気に読んだのは久しぶり。
 2巻も読みたいな。
                             by(の)



 1月4日
 六番目の小夜子  作:恩田 陸

 高校を舞台にしたホラー小説。
 「小夜子」のリレーの謎と、今年の小夜子と転校生の沙世子の疑惑、
 事故で死亡した二番目の小夜子の碑などが何重にも重なって、
 不安で空恐ろしい気分になる。
 その合い間には、誰もが経験した学校生活のきらめきが描かれて、
 その揺れ幅の大きさが、ますます恐ろしさを感じさせるように感じた。



 1月2日
 心霊探偵八雲 1 赤い瞳は知っている  作:神永 学

 おもしろかった〜!
 他人には無関心を装ってはいるけれど、本当はあたたかい心を
 持っている八雲がとても魅力的。
 2巻以降も買っちゃおうかな・・・。





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