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虹の谷つうしん

2007年 1月〜12月



 12月28日
 クロニクル 千古の闇2 生霊わたり(せいれいわたり)
                  作:ミシェル・ペイヴァー

 同じ主人公で続く第2巻。
 事件となった病がちょっと気持ち悪かった・・・。
 6巻までの長編の予定だそうで、現在は第3巻まで出ている。
 主人公トラクとウルフの絆が深まっていく過程に
 胸が痛くなるような思いでした。



 12月16日
 クロニクル 千古の闇1 オオカミ族の少年
                  作:ミシェル・ペイヴァー

 読み終わって、満足感に浸されました。
 古代を舞台にした作品で、人々の素朴な暮らしぶりや宗教観などが、
 違和感なく読むことができました。
 自然を敬い畏れる気もちというものは、
 今でもわたしたちの中に息づいているのだろうと思います。
 主人公の弟分のオオカミがかわいい。



 12月12日
 魔使いの呪い  作:ジョゼフ・ディレイニー

 闇の力と戦う魔使いの弟子トムの物語。これは2作目でした。
 第1作をとばしてこちらを先に読んでしまった。
 闇=悪というわかりやすい定義はあるのだけれど、
 トムの友だちの魔女がピンチから救ってくれたり、
 トムの母親が昔は人間から疎まれる存在だったりと、
 一筋縄ではいかない物語になっていておもしろかった。



 12月9日
 樹上のゆりかご  作:荻原 規子

 主人公の名前 上田ひろみに覚えがあるなぁ・・・と思ったら、
 「これは王国のかぎ」の主人公のその後の物語でした。
 でも、前作とは違ってファンタジーではありません。
 「学校」という集団になじみきれないように感じている主人公が、
 学校でおきた事件をきっかけに、友人との一つひとつのつながりを
 あらためて見直していくというような、成長の物語。
 事件そのものはちょっと過激だけれど、
 こういう作品は心に染みて、とても好き。



 12月2日
 スパイガール  作:アリー・カーター

 スパイ候補生の女の子が普通の男の子に恋をしたら・・・?
 スパイの情報網を駆使してでも、彼のことは知りたい!
 でも、私は自分のことも、家族のことも、
 学校のことも(スパイ養成学校だし)、全部ウソ。
 恋の行方も気になるけれど、
 スパイになるための授業がとても楽しい作品でした。



 11月29日
 シャーロック・ホームズの愛弟子 公爵家の相続人  作:ローリー・キング

 最近のミステリの中ではこのシリーズは気に入っている。
 今回は凝った変装の場面はほとんどなくて、調査、調査の物語。
 イギリスの古い貴族の屋敷がすばらしく、
 私も機会があったらぜひ行ってみたいと思っている。



 11月20日
 砂漠の歌姫  作:村山 早紀

 舞台となる町とその周辺国の歴史を背景にして、
 主人公の少女と、物語にかかわりを持つ登場人物たちが
 それぞれに背負う悲しみと未来への希望を描いている。
 シェーラ姫シリーズの原案のようなイメージがあった。



 11月17日
 都会のトム&ソーヤ 5 上・下 作:はやみね かおる

 おもしろすぎて読むのが止まらない!
 シリーズも5巻くらいになると多少のマンネリが感じられそうだけど、
 この作品にはそれがなくて、さらに長編というところもよかった。
 内人と創也の役割分担がますますはっきりしてきて、
 何でもできる風の創也が内人にまかせきりにする場面も楽しい。



 11月14日
 扉のむこうの物語  作:岡田 淳

 主人公のユウが学校の倉庫にあった不思議な扉から
 不思議な世界へと迷い込む物語。
 過去と現在、空想と現実が入り混じって、最後にどうなるのか
 とても楽しみだった。
 もの悲しい雰囲気がほどよく漂っているところもいい感じ。



 11月11日
 ドルオーテ はつかねずみは異星人  作:斉藤 洋

 斉藤洋さんの作品は、どれを読んでも楽しくて、
 同時に思いやりがたくさんつまっているところがとても好きです。
 主人公のタツロウと宇宙から来たドルオーテは、
 年齢も科学文明の差も乗りこえて友だちになっていきます。
 タツロウの生活も元気で楽しく描かれていておもしろくて、
 できれば続編が出たらいいのに・・・と思ってしまいました。



 11月10日
 シャーロック・ホウムズ 最後の事件  作:コナン・ドイル

 岩波少年文庫版で読みました。
 今までに読んだ子ども向けのホウムズのシリーズの中で、
 一番読みやすく、物語のおもしろさも十分だと思います。
 ワトスン氏が描写するホウムズ氏の性格や部屋の中の様子も楽しく、
 また、最後にモリアーティー教授と対決したと思われる場所で
 悲しみにくれるワトスン氏の心情が伝わってくるようでした。



 11月8日
 世界でたったひとりの子  作:アレックス・シアラー

 老化と病気がなくなって人間が2百年以上生きるようになった世界を
 舞台にした物語。長寿と同時に子どもが生まれにくくなる現象がおこ
 り、“めずらしい”子どものレンタルやショービジネスが行われている。
 中にはP・Pと呼ばれる成長を止める手術を受けた子ども(?)もいて、
 彼らは何十歳になっても少年・少女の姿でお金を稼いでいる。
 主人公は本当の子どもなのだけれど、連れに金儲けの手段にされ、
 “幸せな子”を演じながら、本当の子どもの幸せを知らないでいる。
 ひとさらいやP・Pの恐怖におびえながら、
 自分の居場所を探し求める少年の物語。



 11月5日
 おばちゃまはアラブ・スパイ  作:ドロシー・ギルマン

 警察に追われながらモロッコの中を旅するスリル満点の物語。
 西洋の人でありながら、他の宗教にも深い理解を示すところが
 ミセス・ポリファックスの素晴らしいところで、
 私もこのシリーズを通して学んだことがたくさんあると思っている。



 11月1日
 おばちゃまはアルペン・スパイ  作:ドロシー・ギルマン

 スイスの景色が美しく、のんびりと語られながら、
 非日常な“悪”と対決する緊張感が一本の芯となっている。
 このシリーズではミセス・ポリファックスと登場する人々との
 会話がひとつの楽しみで、何度読んでもおもしろい。



 10月26日
 月の巫女  作:浜 たかや

 この作者の作品を読むのは2作目。
 前回の物語の方が、わたしは好きかな。
 各民族ごとに特有の宗教や習慣などがみごとに創りだされていて、
 物語がリアルに感じられる作品だった。



 10月23日
 人生は回転木馬  作:O・ヘンリー

 子どもが読みやすいサイズで新しく編集されたシリーズの1冊。
 短編集。
 O・ヘンリーの物語は素朴なやさしさを持っていて好きだ。
 詐欺師のような悪役にもどこか憎めないところがあって、
 作者が人間を好きだったんだなあ・・・と思えてくる。
 この巻の中では「ジミー・ヘイズとミュリエル」という物語が
 特に心にじーんときた。



 10月19日
 海賊ジョリーの冒険 3 深海の支配者
                   作:カイ・マイヤー

 完結編でした。
 敵の手先だと思われていた<大渦潮>の正体と本当の目的は?
 煮ても焼いても食えない存在の木食い虫が繭で眠ったあとは?
 ジョリーに心を閉ざしてしまったムンクはどうなるの?
 などなど、たくさんの疑問がなかなか解決しなくて、
 最後まで心配してしまいました。
 物語の中ではグリフィンと鯨の心が通じ合うエピソードが
 とても気に入りました。



 10月15日
 おばちゃまはサファリ・スパイ
 おばちゃまはシルクロード   作:ドロシー・ギルマン

 行きたくても簡単には旅行に行けないので、
 大好きなシリーズで擬似旅行。
 将来、サファリに行くとしたら、絶対にザンビア!
 物語としては「シルクロード」の方が
 思いがけない展開でおもしろいように思う。
 もう新刊が出ないようなので残念・・・。



 10月6日
 アルテミス・ファウル オパールの策略  作:オーエン・コルファー

 アルテミス・ファウルシリーズの4作目。
 登場人物はほぼ出そろったかんじなのだけど、
 4作目にしてストーリーにマンネリ感がないところがとてもいい。
 主人公には次々と困難がおそいかかり、ハラハラしどおし。
 最後にホリーが妖精の警察をやめて探偵になったところで、
 次回作からは新たな展開が予想されるのも楽しみ!



 10月2日
 くたばれスネイクス!  作:アンダースン&ディクスン

 トーカという惑星のホーカという種族の巻き起こす騒動を描いた
 SFコメディの2作目。(新しくはありません。)
 このシリーズは大好きで、古本屋さんで買いました。
 地球産の物語やシチュエーションを真似するのが大好きなホーカが
 それぞれの役になりきって大騒ぎになりつつ、事件を解決してしまう。
 中でも今回は「ジャングル・ブック」を演じたお話が特に面白かった!



 10月1日
 プリンセス・プロジェクト  作:ケイト・ブライアン

 ヨーロッパの小国の王女が、大好きなバンドのコンサートに
 行くために、女子高生を身代わりにする物語。
 主人公は王女と女子高生の2人。
 どちらも普段の生活に大きな悩みをかかえていて、
 どうにかしてそこから抜け出すための努力をしている。
 それぞれの家族も素敵で、問題の解決のしかたもよかった。
 こういう作品はとても好き。


 9月25日
 新シェーラ姫のぼうけん 天と地の物語  作:村山 早紀

 このシリーズもとうとう終わってしまいました。
 大人になった前シリーズの仲間と、今回の仲間たちがそろって
 世界を救う戦いへとおもむきます。
 最終的には、物語の中に完全なる悪はなく、愛情と義務から
 誤った方法に頼ってしまった過去の姫君の悲しみが明らかになり、
 この作者さんの人間への信頼がつらぬかれている気がした。



 9月21日
 トゥモロー・ワールド  作:P・D・ジェイムズ

 この作者の作品は探偵ものしか読んだことがなかったので、
 この本を読み始めて、そのSF的な設定にとても驚いてしまいました。
 初めの部分は少し単調な感じがするけれど、
 中盤からの逃亡劇は、どうなることかとドキドキの連続。
 ジョージ・オーウェルの「1984年」を思い出すような作品でした。



 9月16日
 ママが6人???  作:大海 赫

 私が小学生の頃にとても魅かれていた作者さんの作品の復刊。
 独特の絵は、ほかの児童書では決してお目にかかれないと思う。
 ストーリーも面白いようで悲しく、少し恐ろしい不思議な世界。
 だれでもが好きになる作者さんではないと思うけれど、
 気に入る人には忘れられなくなると思います。



 9月13日
 ローラローズ  作:ジャクリーン・ウィルソン

 くじで当たったお金で、暴力を振るう父から逃れて、
 名前を変えて新しい生活を始めたローラローズと母と弟の物語。
 美しいけれどお酒と男に弱い母と、5才でいたずら盛りの弟の間で
 家族への愛情と心配でいっぱいになりながら頑張るローラローズが
 危うくて、けなげで、心配しながら一気に読みました。
 今年、おすすめの一冊。



 9月9日
 ピョンとおばけん  作:山中 恒

 おばけが大好きな小学4年生の男の子“おばけん”と、
 お転婆なゆうれいピョンの物語。
 とにかく可笑しかった!
 この作者さんのお話は、どれもナンセンスで楽しい。
 私の一番のお気に入りは『背後霊倶楽部』です。



 9月6日
 龍のすむ家 炎の星  作:クリス・ダレーシー

 最終巻のはずだったので謎解きが中心になると思っていたら、
 今回も途中まではさらに新しいメンバーや謎の出来事が加わり、
 残ページを数えながら、次巻へ続くのかとハラハラしてしまった。
 前半、主人公の恋人のザナがなんだか不気味で、おそろしかった。
 大急ぎで読んでしまったので、近いうちに1巻からもう一度
 じっくり読み直したいと思っている。



 9月1日
 バーティミアス V プトレマイオスの門  作:ジョナサン・ストラウド

 2巻をとばして3巻を読んでしまったようです。これが完結編でした。
 誤った価値観を学んできたために、鼻持ちならない閣僚になって
 しまったジョナサンが、自分の孤独に気付き、大切にしなくては
 いけないものに気付いて、思いやりの心を取り戻します。
 バーティミアスとプトレマイオスとのつながりも優しくてせつなく、
 完結編としても、とてもよかったと思います。



 8月27日
 風神秘抄  作:荻原 規子

 笛と舞という技芸をとおして不思議な力を生み出す二人の物語。
 好きになった相手を一途に想い、相手を助けるためには
 自分の命と引き換えでもかまわないと覚悟できるほどの人は、
 悲しいけれど、そんな相手に巡りあったことで幸せなのかなぁ。
 相手がこの世から失われてしまうのは絶対に阻止したい。
 それが自分にできることなら、命を捨ててもかまわない。
 でも、そのあとはもうその人を守ることができなくなってしまう。
 ・・・けど、今、必要ならやるしかないよね。
 もし自分だったら悲しんでではなく、希望を持って立ち向かいたいな。



 8月24日
 無実はさいなむ  作:アガサ・クリスティー

 一人ひとりの人間性を読み解くことによって、
 犯人を推理するというクリスティー女史らしい作品だと思う。
 中でも印象に残ったのは、自分の恋人の不安定な性格から彼女が
 犯人だと思い込み、「真実を告げてくれれば結婚して君を守る」と
 告げた若い医師のこと。これは疑っているのではなく、完全に
 犯人扱いしている言葉で、それがわからない彼はふられて当然だ。



 8月19日
 魔性の子  作:小野 不由美

 十二国記の、泰麒が裏切りに遭って日本へ戻ってしまっていた間の
 できごとを描いている。
 十二国記を知らなくても、ホラーとして楽しめると思う。
 でも、麒麟が仁の生き物だということや、
 王以外には頭を下げられないことを知らないと、
 理解できない部分もあるかな。



 8月18日
 The MANZAI 3  作:あさの あつこ

 自分の本当の気持ちを表さないことが日常だった歩が
 仲間と一緒に過ごす時間が増えるにつれて変わっていく。
 思わず言葉が口をついて出てしまって焦ったり、
 それを警戒して緊張していたときは疲れていたなと思ったり。
 大人になって長い私にはぜったいに取り戻せない時間ばかりで、
 (の)と(ゆ)には今の時間を十分に楽しんで欲しいと思う。



 8月15日
 死への旅  作:アガサ・クリスティー

 素人の女性がスパイとして秘密の研究施設に乗り込む冒険物語。
 ポアロやミス・マープルなどの探偵ものもおもしろいけれど、
 素人の女性が活躍する物語もとても気に入っている。
 前にも読んだことがあり、結末も知っていたのに、
 夢中になってしまって電車を乗り過ごしてしまった・・・。



 8月6日
 おばちゃまはサーカス・スパイ  作:ドロシー・ギルマン

 ミセス・ポリファックスの上司カーステアーズが
 CIA本部を出て活躍する場面のある唯一の作品。
 前半の旅回りサーカスの寄せ集めの雰囲気が一つのおもしろさで、
 後半、事件が一気に解決に向かうスピード感がもう一つの楽しさ。
 このシリーズは何度読んでも小気味よくて満足する。



 8月4日
 おばちゃまはヨルダン・スパイ  作:ドロシー・ギルマン

 おばちゃまスパイのミセス・ポリファックスが
 砂漠の国 ヨルダンで活躍する物語。
 このシリーズで、私はミセス・ポリファックスの目を通して
 世界の景色や人々の生活を見ています。
 いつか実際に自分の目で直接、いろいろなものを見て、
 彼女の気持ちに心から同感することができたらいいと思います。



 7月29日
 おしどり探偵  作:アガサ・クリスティー

 トミーとタペンスの元気いっぱいの短編集。
 有名な推理小説の探偵をまねて事件を解決していく二人の
 仲のよい会話や冴えたひらめきがとても楽しい。
 実は、この中に登場する探偵を私は知らなくて、
 いつも「今度は読んでみよう」と思うのだけれど、
 図書館や書店ではどの作品か忘れているのがくやしい・・・。



 7月22日
 魔女の宅急便 その5  作:角野 栄子

 19歳のキキの物語。キキの物語はこれで最後のよう。
 自分の仕事や能力に自信を持てるようになってきたけれど、
 その一方で、なんとなく不安・・・。
 好きな人に会いたくても、さびしくても、
 言葉で伝えられなくて、一人でイライラしてしまう。
 読む人がそれぞれに自分の気持ちと重ね合わせながら読める作品。
 最後は静かなハッピーエンドで、思わず涙が出ました。。



 7月20日
 幽霊派遣会社  作:エヴァ・イボットソン

 掲示板でご紹介いただいた作品。
 幽霊の一家とさびしい孤児の少年の交流が
 やさしく、楽しく描かれている。
 幽霊の友だちや、少年の欲張りな親戚など、
 ほかの登場人物も個性的で楽しい。
 幽霊一家のピンチには、ほんとうにハラハラした。



 7月18日
 ラビリンス<迷宮>  作:新井 素子

 先日「ディアナ・ディア・ディアス」を読んで
 懐かしくなったので、図書館で借りてきた。
 ずいぶん前に書かれた作品だけれど全然古臭くなく、
 思っていたよりも哲学的な部分もあったりしておもしろかった。
 以前に読んだときとは違う出版社の本で、ティーンズ向けに
 描かれた挿し絵が私の中のイメージと違っていたのが残念。



 7月15日
 飛ぶ教室  作:エーリヒ・ケストナー

 子どものときの気持ちを忘れないで! という
 ケストナー氏のメッセージが静かに、深く残る物語だった。
 少年たちの日常の暮らしにちらばるさまざまなできごとを通して
 大人が陥りがちな教育の誤りに警鐘をならし、
 子どもの立場に立った正義や幸せを見せてくれた。
 読み終わったあとに、なつかしくて温かい気持ちになった。



 7月12日
 かまいたち  作:宮部 みゆき

 (の)のお誕生日に買ってあげた青い鳥文庫。
 江戸を舞台にした犯人探しの短編集。
 もとは子ども向けに書かれたわけではないということで、
 なるほど、本当におもしろかった!
 絵をつけて、漢字を少なくしただけで、
 こんなに子どもが読みやすい物語になるなんてびっくりだけど、
 作者さんの文章がきっと洗練されているからなのでしょうね。



 7月7日
 ぼくらの七日間戦争  作:宗田 理

 読み終わってスカッとした!
 とにかくテンポがよくて、おもしろい。
 本当にこんなことはできないかもしれないけれど、
 子どもたちの鮮やかなお手並みが小気味よい。
 自分はこんな親にはなりたくない、と思っても、
 実際はなっているのかもしれないな・・・。



 7月5日
 薄紅天女  作:荻原 規子

 勾玉をテーマにした作品の3作目。
 いかにもたおやかな女性のようなタイトルなのに、
 男らしい男の子が中心の物語のところがおもしろい。
 「更級日記」を読んでみたくなりました。



 7月2日
 十二国記 東の海神 西の滄海  作:小野 不由美

 この巻もおもしろく読めました。
 読んでないのは、あと2冊かな。



 7月1日
 白鳥異伝  作:荻原 規子

 勾玉をテーマにした作品の2作目。
 この作者さんの作品は、恋愛も重要な要素となっていることが
 多いのかな。 そういうところにもけっこう魅かれてしまう。
 それにしても、なんてすがすがしい恋でしょう!


 6月14日
 空色勾玉  作:荻原 規子

 古事記の世界を舞台にしたファンタジー。
 神話の世界には、日本に限らずいつも魅かれてしまう。
 神々と人間が同じ場所にいて、同じことばを話す。
 それが当たり前に描かれている物語を読むと、
 自分の周りにももしかしたら・・・などと考えてしまう。



 6月9日
 十二国記 図南の翼  作:小野 不由美

 商家の娘 珠晶が、王のいない自国の荒廃を憂えて、
 単身、王が選ばれる蓬山をめざして旅に出る。
 珠晶の性格がきっぱりしていて元気なので、
 このシリーズの中では比較的軽い感じがする。
 それでもやっぱり読み応えのある物語だった。



 6月5日
 十二国記 月の影 影の海 上・下  作:小野 不由美

 このシリーズの1作目。
 普通の女子高校生が、理由もわからないままに異世界に運ばれ、
 人々に追われたり、魔物に襲われたりしながら、
 たった一人、帰る方法を求めて旅をする・・・という物語。
 かなりグロテスクだったり、血なまぐさいシーンもあるけれど、
 主人公 陽子の心の変化に感嘆しつつ、あっという間に読んだ。



 5月31日
 ミルクウィード 天使の羽のように  作:ジェリー・スピネッリ

 第二次世界大戦中のドイツを舞台にした、孤児の少年の物語。
 5才〜8才くらいの間のことなのだろうか、
 初めは街の浮浪児グループ、その後はゲットーでの持ち込み屋。
 そんな荒れた生活をしていても、誰かを信じ、何かを信じ、
 そして助け合って生きていく。
 飾らない言葉で淡々と語られる物語は、温かくて胸を打つ。



 5月29日
 かかしと召し使い  作:フィリップ・プルマン

 『黄金の羅針盤』から始まるライラの冒険シリーズが
 とても気に入っているので、同じ作者さんの作品を借りてみた。
 こちらはもう少し小さい子どもたち向けの作品で、
 かかしの勘違いや、鳥たちとのやりとりが面白い。
 召し使いの少年 ジャックとの、笑えるけれど心温まる関係は
 最後まで裏切られずに安心して読めた。



 5月27日
 ブック・フェスティバルの殺人  作:キャロリン・G・ハート

 ミステリ専門書店主のアニーと彼女のハンサムな夫 マックスが
 活躍するシリーズの一冊。
 個性的な登場人物とブック・フェスティバルの雰囲気がとてもいい。
 でも、解決の糸口を探すためとはいえ、
 あんなことしたら自分が容疑をかけられてあたりまえでしょう?
 ・・・と、ツッコミたくなってしまったのは私だけかしら・・・。



 5月26日
 十二国記 黄昏の岸 暁の天  作:小野 不由美

 図書館で予約するのが面倒で、棚に戻っている作品から借りて
 来るのだけれど、偶然にも初めに読んだ戴国の物語に続いていた。
 「この先はどうなるの!?」という思いで一気に読んだのに、
 問題の解決が半分で終わってしまったような気がする・・・。
 続きは出ていないみたいだけど・・・。



 5月22日
 十二国記 華胥の幽夢  作:小野 不由美

 十二国のそれぞれの王や麒麟を題材にした短編集。
 短編とはいえ、どれも厚みのある物語で、十分に楽しめる。
 私はまだ2作目しか読んでいないので、1つの国の事情しか
 わからないけれど、順番に読んできた読者には、
 それぞれの物語の後日譚として楽しめるようになっているのかな。



 5月15日
 ひと夏の旅  作:ドロシー・ギルマン

 家にあった本を再び。
 古いスクールバスを改造したキャラバンで、
 長いこと別に暮らしていた父と娘、
 雇い主から逃げてきた少年、元芸能エージェンシーの美女、
 売れない絵描き、という寄せ集めで旅をする物語。
 彼らが次第にお互いを大切に思うようになる過程が
 優しい目線で描かれていて、私の心もほっこりと暖かくなる。



 5月10日
 リアル鬼ごっこ  作:山田 悠介

 (ゆ)のおすすめの本。
 物語のはこびがとてもスピーディでどんどん読めた。
 ただ、新井素子さんの直後に読んだためか、
 読みながら、文章が味気ないような気がしてしまった。



 5月8日
 ディアナ・ディア・ディアス  作:新井 素子

 新井素子さんは私が10代のころに夢中で読んでいた作家さんの
 1人です。
 この作品は当時読んだ『扉を開けて』『迷宮―ラビリンス』の舞台と
 隣り合った国の物語で、ちょっと懐かしくなりました。
 背景だけでなく、この方の独特の文体に
 “あ〜、そうそう、これよ!” と感激ひとしお。
 『扉・・・』と『迷宮・・・』をもう一度、読みたくなりました。



 5月6日
 風の海 迷宮の岸 上・下 十二国記 作:小野 不由美

 ずいぶん前に掲示板で紹介していただいた十二国記を
 やっと手に取ることができました。
 これはシリーズの2つめの物語のようですが、
 独立した物語なのでまったく気になりませんでした。
 噂どおり、とてもおもしろくて一気に読んでしまったので、
 上・下巻一度に借りられてラッキーでした♪



 5月3日
 スタイルズ荘の怪事件   作:アガサ・クリスティー

 この本も久しぶりでした。
 ポアロの片言英語の話し方が面白いと同時にとてもやさしい感じで、
 ユーモアと思いやりがあふれているようだった。
 ストーリーはうろ覚えだったので、
 ヘイスティングス氏と一緒に煙に巻かれて楽しみました。



 4月30日
 羅生門・鼻   作:芥川 龍之介

 以前から持っている新潮文庫版を久しぶりに読んだ。
 芥川龍之介の作品は、こんなふうにたまーに読み返したくなる。
 今回はなぜか、いつもよりも「邪宗門」に引き込まれて、
 未完に終わってしまったことがとても残念に感じた。



 4月19日
 ダレン・シャン 2  作:ダレン・シャン

 1巻だけ読んで、それ以降はなかなか読もうという気持ちに
 なれなかったけれど、人気のある作品なので読んでみました。
 でも、やっぱりちょっと気持ちが悪かったな・・・。ちょっと苦手かも。
 3巻を読むのは、またずっとあとになりそう。



 4月16日
 海辺の王国   作:ロバート・ウェストール

 なんというか、せつない物語でした。
 12歳の少年ハリーが、空襲で家族を失った悲しみを胸に旅に出て、
 いろいろな出会いを通して、つらいことや楽しいことを経験する。
 やっと自分が幸せになれる場所を見つけたと思ったら、
 家族が生きていることがわかり、そこから離れなくてはならない。
 しかも、旅で成長したハリーにとって、家族は以前と同じように
 安らげる存在ではなくなっていたなんて、・・・悲しい。
 なかなか手が出せなかった作品ですが、読んでよかった。



 4月13日
 バッテリー Y  作:あさの あつこ

 文庫本で最終巻が出ました!
 主人公の巧がまわりの人たちの気持ちや価値観に気付き始めて、
 まわりの人たちは巧の存在によって、自分の中にある何か(願望?
 それとも隠しておきたいもの?)をあらためて発見する。
 人と人とはこうやって、自分と他人を認めたり再発見したりして
 関係を築いていくものなんだね・・・と、再認識しました。



 4月12日
 マーリン 5 失われた翼の秘密  作:T・A・バロン

 マーリン・シリーズ完結編。
 今までの中で、この巻が一番気に入った。
 マーリンが、人を許すこと、憐れみの心を持つようになり、
 それこそが一番尊いものだと、最後にやっと気付いた。
 今までは、こういう心を持っていないために、
 私がマーリンのことを好きになりきれなかった気がする。



 4月5日
 ランプの精 3 カトマンズのコブラキング
                     作:P・B・カー

 3部作ということで、ジョンとフィリッパの双子の冒険談はこの巻で
 終わりということなのだけれど、まだ続きそうな終わり方に思えた。
 1巻はおもしろくて笑えて、2巻はドキドキ、ハラハラ、
 3巻は謎解きの要素が加わって、それぞれにとても楽しめた。
 登場人物の個性も話し方によく現れていたけど、
 これは翻訳された方のうまさなのでしょうか・・・。


 3月30日
 魔法つかいのチョコレートケーキ  作:マーガレット・マーヒー

 まるで、アイシングとドライフルーツで飾ったお菓子を
 「さあどうぞ」 と差し出されたような気がした。
 作者のやさしいまなざしが感じられる、かわいらしい短編集。



 3月29日
 バレエダンサー 上・下   作:ルーマ・ゴッデン

 何年かぶりに徹夜しそうになる作品に出会った!
 止まらなくて、上・下巻とも1日ずつで読んでしまった。
 前半は、親にかまわれない末っ子のデューイが哀れなのだけど、
 後半は、自信と不安の間でもがいているクリスタルが哀れ。
 それぞれの問題を乗り越える強さが、夢へつながる道だと感じた。



 3月27日
 どろぼうの神様   作:コルネーリア・フンケ

 久しぶりに読んで、堪能しました。 この本、大好き!
 幸せは一人ひとり違う。
 みんな、自分の幸せを探しながら暮らしているんだよね・・・。
 見つかったら本当に幸せになるのだろうけど、
 見つからなくても、探しているときも幸せなのではないかな。



 3月15日
 キャノン姉妹の一年   作:ドロシー・ギルマン

 ギルマンさんのおばちゃまシリーズ以外の作品の中で、
 一番好きな作品。
 この物語を読むと、すがすがしい気持ちになれる。
 「最低限必要なものをどうやって得るか?」という問題を
 アイディアと “1,2の3!” という潔さで解決していく2人が
 とてもうらやましく感じてしまう。
 こんな風にシンプルな暮らしは逆に心が豊かになるような気がする。



 3月12日
 スープ   作:ロバート・ニュートン・ペック

 「わんぱくでもいい。 たくましく育ってほしい。」
 という昔のCMのセリフそのままの少年2人のわんぱく物語。
 どのイタズラも今の日本ではありえないと思うけれど、
 やってみたらおもしろいだろうな・・・とも思う。
 でも、見つかったらムチでお仕置きされるのもあたりまえの時代
 だったから、逆にそこまでやる勇気が出たのかも。



 3月10日
 マーリン 時の鏡の魔法  作:T・A・バロン

 マーリンもいろいろな経験をして、ずいぶん謙虚になっている。
 将来の自分に会うのは、楽しい反面、おそろしい気もする。
 アーサー王やマーリンの伝説は詳しくは知らないので。
 ニムエとの戦いの深い意味がつかめなかったことが心残り。
 そのうち、そちらのほうも勉強してみよう。



 3月6日
 リズム  作:森 絵都

 “どうしたらいいのかわからなくなったときは、
          自分のリズムを思い出すといい。”
 いろいろな環境の中で、
 いろいろな人たちに囲まれて生きていく私たちにとっては、
 こんなメッセージがとても必要なのではないかな。
 つらいとき、自分のリズムを思い出して、
 自分のペースでもう一度やり直してみよう。



 3月4日
 海賊ジョリーの冒険2 水上都市エレニウム  作:カイ・マイヤー

 やっと2巻が読めた。
 この作者さんが考え出す生き物と世界は独特だと思う。
 ちょっと、ほかでは出会えないというか、
 もしほかの方が考え出したとしても、
 こんな風にはならないだろうという気がする。
 ジョリーと仲間たちが、みんな颯爽としていて爽快。



 2月25日
 シュトルーデルを焼きながら   作:ジョアン・ロックリン

 あたたかくて優しい、家族の歴史の物語。
 と言っても悲しみの歴史ではなく、
 とっさのひらめきでピンチを乗り切ったお話や不思議な話など、
 一族の伝統的なお菓子シュトルーデルを作りながら
 大人から子ども達に語られた物語集。



 2月22日
 つきのふね   作:森 絵都

 “おせっかい”なのか、“友だち思い”なのかは
 どこで決まるんだろう。
 親友なのか、普通の友だちなのかは、
 どうすればわかるのかな?
 もしも、大切な友だちがピンチのとき、
 私は助けることができるのだろうか?
 「空色の地図」に続いて、友達との関係を問いかける作品に出会い、
 自分の中で、たくさんの疑問が渦巻いている。



 2月20日
 かかし   作:ロバート・ウェストール

 怖くてなかなか手を出せなかったけれど、やっと読みました。
 やきもちからの小さな憎しみが昔の憎悪を呼び起こして、
 だんだんと大きくなっていく過程が、不気味に描かれている。
 何より恐ろしいのは、信じていた家族の言葉や態度さえも
 その後ろに怒りや憎しみが潜んでいるように感じてしまうこと。
 児童文学として、「よくぞここまで」と思うくらい怖かった。



 2月17日
 空色の地図   作:梨屋 アリエ

 人と人との関係は目に見えないものだから、
 友だちが自分をどう思っているのかと悩んでしまうことは、
 きっと誰にでも経験があると思う。
 そんなときに、思いがけないところで手が差し伸べられたり、
 ほっとできる相手が見つかったりするかもよ。
 それは、あなたがその人の心に何かを残してきたからなんだよ
 ・・・というメッセージが込められているような気がした。



 2月15日
 ドミノ   作:恩田 陸

 バラバラのできごとがだんだんと大きくなり、
 終盤には人質たてこもり事件まで起きてしまう。
 その中にひとすじ通っているのが、“ 保険会社の一支社の
 成績をかけた契約が、締め切りに間に合うかどうか ”だ。
 途中までのそれぞれの経過も一つひとつ丁寧に描かれて面白く、
 それらが混じりあって同じ場面に立ち会っていても、
 そのまま個人の立場で描かれているところが贅沢な作品だと思う。



 2月12日
 イワンの馬鹿   作:レフ・トルストイ

 子どものころに読んで知っていると思っていたのだけれど、
 改めて読んでみて、作者の平和への呼びかけが聞こえてくるよう。
 昔読んだのは、子ども向けに編集された本だったのかも。
 今回読んだのは理論社から2006年に刊行された
 「トルストイの散歩道」というシリーズの2巻目で、
 小学生高学年から大人まで楽しめそうな作品が集められている。
 物語の素朴さとわかりやすい文章がマッチして、
 楽しく、どんどん読めてしまう一冊。



 2月9日
 トラベリング・パンツ セカンドサマー   作:アン・ブラッシェアーズ

 1本のジーンズを軸にした、レーナ、ブリジット、カルメン、ティビー
 の4人の女の子たちの青春物語。
 夢を追いかける、恋をする、本当の自分を探す。
 それぞれが失敗したり、後悔したり、自信を失ったりしながらも、
 お互いのことを心配して、勇気づけるやさしさを失わない。
 そして彼女たちの決心を後押しするおまじないのようなジーンズ。
 一つひとつのできごとは日本では起きそうにないけれど、
 どの世代の女性でも、どこか共感できる部分があるのではないかと
 思う。



 2月7日
 トムは真夜中の庭で   作:フィリパ・ピアス

 名作と言われている作品は、心に感じる深さが違うように思う。
 物語の中の出来事にドキドキ、ハラハラする高揚感よりも、
 登場人物の心に自分の心が同調して、喜びやさみしさをたどっていく。
 柱時計の呼び起こす不思議と日常の世界を絶妙にミックスした
 いつまでも心に残る物語だと思う。



 2月4日
 バーティミアス サマルカンドの秘宝  作:ジョナサン・ストラウド

 スピーディで派手な戦闘場面が繰り広げられるファンタジー。
 主人公の魔法使い見習いの少年のしたたかさが
 これからどう変わっていくのか気になるシリーズ。
 戦いは魔法というよりも肉弾戦で、いつも建物がこわれてしまう
 ところが今までの魔法使いものとはちょっと違うと感じた。



 2月2日
 空を駆けるジェーン  作:アーシュラ・K・ル=グウィン

 「空飛び猫物語」というシリーズの4作目。
 羽が生えている猫というファンタジー的な設定ではあるけれど、
 物語は幻想的ではなく、現実的で素朴な印象。
 絵が精密で美しくて、猫の性質まで写しとっているみたい。
 未知の世界に心惹かれるジェーンの冒険に、
 自分も未来を切り開いてみたいと思ってしまう。



 1月30日
 ランプの精2 バビロンのブルー・ジン  作:P・B・カー

 もしかすると1巻よりも面白かったかも!
 子どもたちも含めて、ジンの魔力をむやみに使わないところが
 物語に無理がないように感じる理由なのかな・・・。
 全体的に人と人とのいろいろなつながりが登場して、
 気の毒だったり、感動したり、感心したりしながら、
 楽しくて一気に読んでしまった。



 1月26日
 マーリン V 七つの魔法の歌  作:T・A・バロン

 事件が起きるところまでは、マーリンの行動にちょっとイライラ。
 逆にリアのひたむきさや真実を感じ取る直感にほっとする気がした。
 最後に真実があきらかになってみると、あらためて
 自分の出自を知っていたリアの勇気とやさしさに感動する。
 この経験を経て、次の巻ではマーリンが
 もっと大人になっているといいなあ、と思っている。



 1月22日
 不思議を売る男  作:ジェラルディン・マコーリアン

 年末から今月にかけて、図書館の棚にはめずらしいことに
 気になっていた本があれもこれも戻ってきて並んでいる。
 この作品もそれらの本の一冊で、
 「見つけたからには借りなくちゃ!」と、借りてきた。
 この中の登場人物が物語を語るというつくりになっていて、
 その一つひとつの短編もテーマはさまざまで、
 まるでサクマのドロップを取り出しているみたい。
 佐竹美保さんの挿し絵がまた美しくて、
 (版画のようなのだけど、それにしては繊細すぎるような・・・。)
 特に柳の皿の絵が私は気に入ってしまいました。
 この本も、そのうち我が家の本棚にも並ぶ日が来そうです。



 1月21日
 古王国記T サブリエル  作:ガース・ニクス

 一度読んで、ものすごく気に入ったので買ったシリーズ。
 初めに読んだときには、先が気になって大急ぎで読んだので、
 今回はじっくり読もうと思ったのに、
 やっぱり止まらなくなって、また大急ぎで読んでしまった。
 主人公のサブリエルはとても魅力的だし、相棒の猫 モゲットが、
 本当は猫ではないのにいかにも猫らしいところがいい。



 1月18日
 死が最後にやってくる  作:アガサ・クリスティー

 クリスティーの作品の中でも、特に好きな作品の一つ。
 主人公の言葉遣いが未熟さと純粋さを感じさせるところは、
 原作そのものなのか、翻訳のうまさなのかといつも考えてしまう。
 何度も読んでいるので、もちろん犯人はわかっているけれど、
 読んでいると目の前でドラマが展開されているようでドキドキする。



 1月11日
 おばちゃまはイスタンブール  作:ドロシー・ギルマン

 大好きなおばちゃまスパイシリーズの中でも一番好きな作品。
 どんなときにも機転を働かせること、そして、あきらめないこと。
 それがミセス・ポリファックスの大きな武器ではあるのだけれど、
 それだけではなく、人や状況に対する勘が鋭くて、
 自分の受けた印象を頼りに行動するという大胆さにあこがれてしまう。



 1月3日
 盗神伝 X 新しき王  作:M・W・ターナー

 Wの後編だったので、気になって結局、買ってしまった。
 今回の物語で、私はジェンもアトリアの女王のことも
 ますます好きになった。
 どんなに大きな財産や権力も、人として生きていく限り
 心から信頼できる友や家族にはかなわない、
 ということが物語の中にちりばめられていて、
 そういうところも私は気に入っている。





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