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虹の谷つうしん

2010年1月〜12月



 12月3日
 友情リアル
      作:はやみねかおる 立石彰 福田隆治 坂本純

 友情をテーマにした作品を4編収録。
 すがすがしいもの、ちょっと悲しいもの、色とりどりです。
 どの作品もよかったです。



 12月2日
 青い城  作:L・M・モンゴメリ

 おもいっきり浸れる本が読みたくなって、今年2度目のこの本。
 期待どおりでした!
 忙しかった疲れがとれました。



 11月20日
 建具職人の千太郎  作:岩崎 恭子

 建具職人に弟子入りした千太郎の物語。
 姉に叱られながら、地道にがんばる姿がいじらしい。
 若旦那のやさしさを引き出した実直さは、千太郎の宝物ですね。



 11月18日
 もつれた蜘蛛の巣  作:L・M・モンゴメリ

 ふたつの一族の、家宝の水差しをめぐるさまざまな騒動。
 すれ違う愛情とか、変わり者と呼ばれる人とか、真実の愛とか、
 盛りだくさんの物語です。
 私は最後に騒ぎを解決に導いた“月の男”が、はじめからずっと
 気に入っていました。



 11月9日
 ロンド国物語 2  作:エミリー・ロッダ

 誰を信用したらよいのかわからない旅。
 ものすごくストレスがたまりそうです・・・。



 11月4日
 ロンド国物語 1  作:エミリー・ロッダ

 オルゴールの中の世界の冒険物語。
 魔法の世界を舞台にしたファンタジーを読むのは久しぶりです。
 レオとミミの2人が反発しあいながらの旅が始まりました。
 これからの展開が楽しみです。



 10月28日
 ダイナマイト・パーティへの招待  作:ピーター・ラヴゼイ

 スコットランド・ヤードの刑事がテロリストの組織と対決。
 主人公のクリッブ部長刑事の性格が、ほどよく不真面目さを持ち合
 わせていて、楽しみながら読めました。
 最後のオチが気が利いていて、「金一封くらい出ないのかよ!」と
 いう主人公の声が聞こえるような気がしました。



 10月23日
 ネバーランド  作:恩田 陸

 冬休みの寮に残った生徒たちに起こるできごと。
 他人との共同生活は、面倒なこともあるけれど、何かをきっかけに
 絆が生まれることもある。この物語では、4人の少年が抱える傷を
 一夜ごとに順に語ることから、お互いへの気持ちが変化していく。
 語る夜と次の朝の対比が、大人の一歩手前という年齢をくっきりと
 浮かび上がらせているように感じました。



 10月21日
 チャンドラー短編全集4 トラブル・イズ・マイ・ビジネス
                   作:レイモンド・チャンドラー

 短編とエッセイ集。
 探偵フィリップ・マーロウを読むのは初めてでしたが、表題作のマー
 ロウは、途中から1杯ひっかけどおしで常に酔っ払っているようだし、
 あまり大活躍の様子ではなくて、ちょっと意外でした。 解説に、あ
 あとから探偵の名前を変えたと書いてあり、この短編は本来の性格
 とは少し違うのかも。 「マーロウ最後の事件」の方が抱いていたイ
 メージに合っていました。
 エッセイ「むだのない殺しの美学」には、ミステリー小説の犯罪の嘘
 っぽさの一例に、読んだばかりのドロシイ・セイヤーズの作品が含ま
 れていて、偶然に感謝しながら楽しく読みました。



 10月19日
 ハリスおばさんニューヨークへ行く  作:ポール・ギャリコ

 大好きな「ハリスおばさん」シリーズをまとめて購入しました!
 どきどき、ハラハラ、くすくす、そして最後はじーんとくる、何度読ん
 でも素敵なおはなしです。



 10月8日
 レモネードを作ろう  作:ヴァージニア・ユウアー・ウルフ

 私としては珍しく、新聞に載った紹介記事を見て選びました。
 大学進学の資金のためにベビーシッターをする少女ラヴォーンと、子
 どもたちの17才の母親ジョリーが、ケンカや笑いを通して変わって
 いく様子を描いています。
 “ レモネードを作る ” エピソードを知って、ジョリーが感動し
 ている場面がとても印象深かった。



 10月7日
 狐狸の恋 お鳥見女房  作:諸田 玲子

 本屋さんでこのシリーズをよく見るので、図書館で探して借りてみま
 した。
 とても優しい雰囲気の作品で、子どもたちが大人になったら、自分も
 こんな母親でありたいと思いました。



 10月5日
 忙しい蜜月旅行  作:ドロシー・セイヤーズ

 ずいぶん前にウィムジー卿のシリーズは読み終わったと思っていた
 ら、続きがありました!
 ハネムーンで殺人事件に出くわしてしまうなんて気の毒だけど、人々
 の混乱した思惑をあざやかに解いていく2人は、お見事。
 結婚しないと気付かない2人の違いを、思いやりをもって解決してい
 こうとするところもよかった。



 10月2日
 つくもがみ貸します  作:畠中 恵

 古道具を扱う店にやってくる不思議な事件を、つくも神たちと一緒に
 解決する。
 ほんわかと楽しい作品でした。


 9月29日
 時をかける少女  作:筒井 康隆

 (の)が「話はおもしろいけど、ちょっと古い」と言っていた意味が
 なんとなくわかりました。 名前とことば遣いのせいかな。
 中学生向けの雑誌に連載されていたそうで、そう言われると、その
 雰囲気を感じます。 私もそのくらいの世代ですし。
 主人公の少女のさわやかな心の揺れが、いつまでも変わらず人気
 がある理由なのでしょうね。



 9月27日
 龍のすむ家4 永遠の炎  作:クリス・ダレーシー

 3巻まで読んだはずなのに、ものすごく忘れていました。
 ずいぶんたってしまったので、読みなおさなくてはなりません。
 ファンタジーとSFと環境保護が入り混じった感じ?



 9月20日
 アリバイのA  作:スー・グラフトン

 ハードボイルドって、こんな感じのことを言うのかな…と思って
 読んだら、解説に “女性版ハードボイルド” と書いてありま
 した。 当たった!
 探偵 キンジー・ミルホーン、かっこいい女性です。



 9月15日
 三姉妹探偵団  作:赤川 次郎

 赤川次郎さんの作品を読んだのは20年ぶりくらいでしょうか。
 「ああ、この感じ。」 と思いだしました。
 そのいきおいで、犯人も当たってしまい、びっくりしました。



 9月6日
 時をかける少女  作:筒井 康隆

 ストーリーはおもしろかったけど、なんとなく古い感じがする。
                             by(の)



 9月5日
 あんじゅう  作:宮部 みゆき

 新聞に連載されていたときも楽しみでしたが、本で一気読みするのは
 全然違うおもしろさでした。
 毎日ついていた挿し絵もたくさん収められていて、くろすけやお白様
 にまた出会えたのがうれしかった。



 8月24日
 三姉妹探偵団  作:赤川 次郎

 おもしろかったので、続きを読んでみたい。
 でも、帯にネタばれ的なことが書いてあったのがちょっと・・・。
                             by(の)



 8月24日
 夜の静寂に  作:ジル・チャーチル

 リリーが村での新しい生活に馴染んでいく様子に好感がもてる。
 仲良くなれる娘さんに出会えたこともよかった。
 シリーズものには常のことだけど、事件が起こりすぎでは?
 と、思ってしまいつつも、おもしろかった。



 8月17日
 ビルマの竪琴  作:竹山 道雄

 誰でも知っているのではないかという作品ですが、読んだことが
 なかったので、終戦の月でもある今月に読んでみました。
 戦争に関係する物語というと、“苦しみ”とか“つらい体験”を
 思い浮かべてしまいますが、この物語は友情や人間愛をうたって
 います。 中でも歌によって、敵軍との戦いが避けられる場面は
 感動的でした。



 8月13日
 源平絵巻物語 第十巻 衣川のやかた
                 文:今西 祐行 絵:赤羽 末吉

 とうとう最終巻です。
 義経の無念の最期が描かれています。
 弁慶をはじめとする家来たちの忠誠心が胸を打ちます。
 このシリーズは物語も絵もどちらもすばらしくて、家に揃えたいです。



 8月12日
 風の向くまま  作:ジル・チャーチル

 生活に困っていたロバートとリリーの兄妹が、莫大な遺産を堂々と
 相続するために、大伯父死亡の謎を解明する。
 軽くて楽しいミステリーでした。
 こういう感じの作品は久しぶりに読んだような気がします。



 8月8日
 マーシーの夏  作:ドロシー・ギルマン

 ヨーロッパの家庭用人形劇の展示を見る機会があり、この本を思い出
 して読み返してみました。
 展示されていたのは家庭で楽しむものなので小さいのですが(といっ
 ても、人形劇場はけっこう大きいです。)、こちらは90cmくらいの
 人形で演じる本格的なものです。
 ヨーロッパでは、今でも人形劇がポピュラーな楽しみとして続いてい
 るらしいので、もし行くことがあったら、ぜひ見たいです!



 8月5日
 アメリア・ジョーンズの冒険  作:ドロシー・ギルマン

 『悲しみは早馬に乗って』を読んだので、ギルマンさんの作品を続け
 て読みたくなりました。
 この本はあまり読み返していませんでしたが、他の作品に劣らず、と
 ても面白かったです。
 他人とかかわることが苦手な女性が、思わぬことから隠された犯罪を
 暴いていくことになるストーリーそのものにも惹き付けられますし、
 アメリアが勇気と自信を得ていく過程には、読んでいるわたしも勇気
 づけられます。
 自分も(この年齢でも)これから何かできそうだと、背中を押しても
 らった気持ちになりました。



 8月2日
 銀のほのおの国  作:神沢 利子

 図書館に行くたびにこの本を見かけて、ずいぶん前に読んで感動し
 たことを思い出していました。 でも、自分が子どものころに読ん
 だのか、息子が小学生のころに読んだのか思い出せなくて、あらた
 めて借りてきました。
 やっぱりすばらしい物語でした!
 内容をほとんど覚えていなかったので、たぶん、これは自分が子ど
 ものころに読んだのだと思います。 記憶にあるのは表紙とタイト
 ルと作者だけでした。
 感動した記憶というものは、こんなふうに残っているのだなあと、
 しみじみ感じました。



 7月31日
 闇に消えた子供たち  作:ジェニー・キャロル

 落雷で特殊な能力を得た少女ジェスの活躍を描く物語。
 アメリカで人気のあるドラマの原作だそうです。
 ジェスが閉じ込められた研究所から脱出するシーンが、一番の見ど
 ころでしょうか。ドラマでもきっとドキドキの脱出劇だと思います。
 タイトルがちょっと暗い感じがしますが、読むと(悲しい要素もあ
 りますが)かなり元気なストーリーです。



 7月29日
 源平絵巻物語 第九巻 安宅の関
                 文:今西 祐行 絵:赤羽 末吉

 兄 頼朝に追われ、平泉へと向かう義経一行のものがたり。
 弁慶の忠誠心と機転がなければ無事に逃げ切ることはできなかった
 と思うと、若いころの弁慶が諸国を渡り歩いていたことが運命のよう
 に感じます。
 八巻で静御前が亡くなった話があり、今回は妻が一緒に逃げたとなっ
 ていて混乱しましたが、正室はここで一緒の方なのでした。
 勉強にもなりました!



 7月27日
 サラシナ  作:柴田 勝茂

 大好きな人に会いたい気持ちが、現代の少女を平城京の時代へと
 導く。
 佐竹美保さんの絵も、かわいらしく、力強く、物語にぴったりです。
 あまりにも恋する少女の気持ちが素直に描かれているので、
 作者さんはもしかして女性? ・・・と、思いましたが、
 やっぱり男性のようでした。
 (公式ホームページがありました。)
 ひさごの歌がのどかな雰囲気をつくりあげて、のびやかな物語でし
 た。



 7月26日
 星野道夫の世界  編:朝日新聞社文化企画局

 アラスカに生きた写真家 星野道夫氏の写真集です。
 クマをはじめとして、カリブーやムース、そのほかの動物や鳥たちが
 北の大地を背景に、一つの世界として写真に収められています。
 どの生き物もその場所に属するものだと、1枚1枚の写真が教えてく
 れるようです。人間も例外ではないと。
 植物の写真も美しく、説明の文章とともに、星野氏の想いが伝わって
 くる写真集でした。



 7月22日
 悲しみは早馬に乗って  作:ドロシー・ギルマン

 この作家さんの最後の翻訳作品集だそうです。
 初期のころにいろいろな雑誌に掲載されていた作品を集めたとの
 こと、出版にかかわられた皆様に感謝したいです。
 若い女性のみずみずしさ、人がピンチに陥ったときに発揮する勇気、
 人を観察する人の賢さ、信じられる人を見分ける直感。
 そういったものはみんなミセス・ポリファックスやほかの物語にも
 受け継がれていると感じられました。
 もう終わりだと思うと、とても残念です。



 7月20日
 黒後家蜘蛛の会 T  作:アイザック・アシモフ

 このサイトのお客様に教えていただいた作品です。
 会のメンバーの会話がいろいろなジャンルの知識に通じていておも
 しろく、また活気があるところが楽しい。
 謎解きも、わたしでもそれなりに楽しめました。



 7月18日
 ガイコツになりたかったぼく  作:ウルフ・スタルク

 おもしろかった!
 ほかの作品でも感じたことですが、思春期の男の子の行動を、こんな
 に上手に描ける作家さんは多くないのではないかと思います。 
 ご自分の経験を生かして書かれているそうですが、どれを読んでも
 やっぱりおもしろいです。


 6月27日
 おしどり探偵  作:アガサ・クリスティ

 トミーとタペンスが探偵事務所を運営する短編集。
 ブラウン神父は、トミーが服装をまねていました。
 人が音を聞いたときにおこる勘違いを、みごとに推理するところな
 どは、ブラウン神父風のような…? 本当のマニアの人には、はっ
 きりとわかるのでしょうけれど。
 そのお話の最後にはタペンスが「ブラウン神父風の事件ではなかっ
 た」と言っているので、そうなのかも。
 推理小説は好きなのですが、謎解きは作者にまかせて物語を楽しむ
 読者なので、ドラマティックなクリスティ作品は、何度読んでも
 おもしろいです!



 6月21日
 星新一ショートショートセレクション4 奇妙な旅行  作:星 新一

 7月の更新に使おうかと思って、久しぶりに読みました。
 (旅行以外の内容も多いので今回は見送りです。)
 ユーモアと皮肉がブレンドされた短編は、肩の力が抜けてほっと
 します。



 6月14日
 ブラウン神父の醜聞  作:G・K・チェスタトン

 1人の早とちりの新聞記者のために広まってしまった、ブラウン神
 父の聖職者にあるまじき行いのウワサの真相を含む9編。
 表題作はちょっと楽しいおはなしでした。
 ほかはブラウン神父のひらめきと小さなことも見落とさないこと、
 そして人間をよく知っていることが魅力的です。
 次はクリスティーの『おしどり探偵』で、ブラウン神父がどう語ら
 れていたか確認しようと思います。



 6月12日
 モスフラワーの森  作:ブライアン・ジェイクス

 レッドウォール伝説第2巻。
 次の更新のために久しぶりに読んでみたら、やっぱり面白かった!
 読むチャンスがない人が気の毒になってしまうほどです。
 残虐なヤマネコの女王率いるコター砦軍団と、
 森に平和を取り戻したい動物たちとの壮絶な戦い。
 厳しい戦いの中に、小さな動物のかわいらしさや、運命に立ち向か
 う強さも盛り込まれています。
 斎藤敦夫さんの『冒険者たち』と同じくらい心を揺さぶられる物語
 です。



 6月3日
 ようこそ、おまけの時間に  作:岡田 淳

 授業中に12時のサイレンが聞こえると…、という設定がいい
 ですね!
 小学校から高校生まで、お昼の12時は授業中ですよね。
 「お腹すいたな〜」とか、「もうお昼だな〜」とか、
 思っている人はたくさんいると思います。
 その一瞬を、別な世界への入り口に使うなんて、とてもおもし
 ろいです。



 6月1日
 妖怪アパートの幽雅な日常 H I  作:香月 日輪

 とうとう終わってしまいました。
 普通の人生を送ることを目標にしてきた夕士が、まわりの人と
 違う運命を与えられた感じの高校3年間。
 まわりの人と違っても、その人たちと一緒に過ごしながら幸せ
 でいられることを知った、大切な3年間だったと思います。
 普通と違う夕士には、それを生かせる人生が用意されていて、
 それもよかったと思いました。



 5月26日
 青い城  作:L・M・モンゴメリ

 角川文庫から出ていたこの作品、大好きなモンゴメリなのに、
 タイトルも初めて見ました。
 始まりは少し陰気だけど、主人公のヴァランシー(素敵な名前だ)
 が自分の好きなようにしようと決心してからはテンポが良くて
 とても楽しい。 あっという間に読めてしまった。
 最後の3つのサプライズのうち2つまでは、かなり早いうちに
 予想ができてしまったけれど、読みながら泣いたり笑ったり、
 心ゆくまでどっぷりと楽しみました。



 5月25日
 中世ヨーロッパの説話 東と西の出会い  著:松原 秀一

 ヨーロッパ各地とアジア地域に残る伝説や昔話を、共通する部分を
 軸に比較・解説しています。
 専門的なところは斜め読みですが、宗教的な逸話がまた別な宗教で
 伝えられていたり、言葉を翻訳する人によっていろいろに変わった
 らしいということは興味深く読みました。
 「シンデレラ」と日本の「落窪物語」はどうなのでしょうね。



 5月21日
 雨月・春雨物語  著:松崎 仁

 ポプラ社の古典文学全集。原作は上田秋成。
 怪談といっても、どこかあわれを誘う物語ばかりです。
 『春雨物語』からの「樊?(はんかい)」がおもしろかったです。
 乱暴で考えなしの大蔵が、自分勝手に生きながらも次第に何かを
 悟っていくさりげない筋立てが心に残りました。



 5月19日
 チェラブ mission1 スカウト  作:ロバート・マカモア

 親を亡くした少年ジェームズが、スパイとして訓練を受ける物語。
 「チェラブ」はこどもスパイの組織名。
 子どもを楽しませるために書いた作品だそうで、
 本当に楽しく読むことができました。
 子どもの世界の厳しさも、子どもだからこその楽しさも盛り込まれ
 ていて、読者がジェームズと一体になるような気分を味わえそう。



 5月16日
 ブラウン神父の秘密  作:G・K・チェスタトン

 ブラウン神父が自分がどのようにして犯人を特定したかを語ります。
 キリスト教の司祭であることが、人間を深く観察することにつながって
 いるようです。
 物証によって推理ではなく、誰かの性格や行動から推理する方法は、
 クリスティーの名探偵ポアロと似ているのかな、と思いました。



 5月11日
 源平絵巻物語 第八巻 静御前
                 文:今西 祐行 絵:赤羽 末吉

 源義経の妻となった美しい女性の悲しい物語。
 亡くなったとき19歳だったそうで、
 静御前が幸せにくらせたのは本当に短い間だったのだなあ、と
 しみじみと悲しく思いました。



 5月9日
 迷宮のミノア文明 事実になった神話
                 著:ルイズ・スティール

 ミノタウロスの伝説がある地中海のクレタ島の遺跡の解説。
 陽光に照らされたクノッソスの宮殿跡の写真がとても美しいです。
 解説もわかりやすくて、考古学初心者のわたしでもじゅうぶんに
 楽しむことができました。
 地中海周辺には伝説や遺跡がたくさんあって、
 時間とお金があれば、絶対に行ってみたいところです。
 宝くじでも買わないとダメかな・・・?



 5月6日
 青い図書カード  作:ジェリー・スピネッリ

 何も書いていない青いカード。
 でも、それは間違いなく図書館のカードです。
 カードのあらわれ方も、そのカードを見て案内してくれる図書館の
 職員も、ちょっと不思議。
 主人公の名前がタイトルの短編が4作収録されています。



 5月4日
 バカなおとなにならない脳  著:養老 孟司

 子どもたちの質問に養老先生が答えてくださっています。
 印象的だったのはあとがきです。
 「笑って答えるのと、怒って答えるのと、半々くらい」
 と、おっしゃっています。
 子どもの質問にではなく、そういう質問をする子どもに育てた大人
 に対して怒った、と…。
 このくらいはっきりと物を言える人物が教育現場にもっといたら、
 今の社会そのものが違っていたかもしれませんね。
 子供を教育する先生や親の世代が、その上の世代から引き継げな
 かった何かがあるのかな。それは何なのでしょうね。



 4月29日
 王国の鍵 4 戦場の木曜日  作:ガース・ニクス

 物語も佳境に入った感じです。
 サーズデーはとても恐い人ですが、悪い人ではなかったみたい。
 それよりも、サタデーとサンデーはどれほど強大なのでしょう。
 訳者さんのあとがきによると、英語圏の国ではすでに完結編(7巻)
 が刊行されたとのこと。
 日本では秋に第5巻が出る予定だそうなので、しばらくは我慢
 ですね…。



 4月27日
 王国の鍵 3 海に沈んだ水曜日  作:ガース・ニクス

 アーサーの学校の友達 リーフが巻き込まれてしまいました。
 よくわからない状況の中で機転を利かせて生き残った勇気と才能は
 すばらしいです!
 バラバラにされてしまった「遺書」には何が書かれていたのか、
 とても気になってきました。



 4月25日
 源平絵巻物語 第七巻 壇の浦のたたかい
                 文:今西 祐行 絵:赤羽 末吉

 平家が滅亡した壇ノ浦の戦いの激しさが伝わってくるようでした。
 攻め込む道筋が地図で描かれていて、興味深く見ました。
 人と人とが切り結ぶいくさはなんとも悲しく、あわれです。
 幼い安徳天皇が時代に翻弄されて命を失ったことも悲しいことでした。



 4月20日
 告白  作:湊 かなえ

 誰でも仮面をかぶっている。
 そして、誰にでも仮面をかぶせている。
 人と人の関係には「こう見せたい」という意思と、「こう見える」
 という判断が必ず存在している。
 その判断から感情が生まれる。愛情、友情、憎しみ、嫌悪。
 その感情はどれも、何かのきっかけで狂気につながることがある
 ・・・と、この物語は伝えてくる。
 これほど残酷になる前に、人を信じてみてほしかったと思ったけ
 れど、もうその段階を過ぎてしまった結果なのかな・・・。



 4月15日
 王国の鍵 2 地の底の火曜日  作:ガース・ニクス

 第2巻も快調でした♪
 “無”から生まれる怪物がとても独創的で気味が悪いのは
 もちろんのこと、アーサーがあくまでも普通の子どもであるまま
 なところが好きです。
 3巻も買いに行かなくては…。



 4月13日
 ネクロポリス 上・下  作:恩田 陸

 死者が一時的に実体化できる街、ネクロポリスで起きる奇妙な
 できごとの謎をとく物語。
 日本とイギリスの文化が混在する街という設定がまず興味深く、
 次々と起こる事件とその街独自の行事や解決方法が、薄気味悪
 さをいっそう盛り立ててきます。
 最終的に、謎解きを魔法的な方向に持ち込まず、人間的に解決
 しているところが、読み終わった後にすっきりしてよかったです。



 4月7日
 魔女の宅急便 その6 それぞれの旅立ち  作:角野 栄子

 去年発行された『魔女の宅急便』完結編です。
 購入後、時間が経ってしまいましたが、やっと読むことができました。
 「全巻買ってよかった〜。」というのが、一番大きな気持ちです。
 キキの成長物語は、私の大好きな『赤毛のアン』にも匹敵するのでは
 ないかと感じています。
 娘にも、いえ、10代の女の子みんなに読ませてあげたい物語です!
 本棚にあれば、いつでも娘にすすめることができるのでいいですよね。
 角野栄子さん、すばらしい物語を本当にありがとうございます!



 4月4日
 ココ ゴリラと子ネコの物語
            文:フランシーヌ・ペニー・パターソン 写真:ロナルド・H・コーン

 紹介している絵本『ゴリオとヒメちゃん』のモデルになったと思われる
 実話の記録です。
 手話を覚えたメスのゴリラ ココが子猫のマンマルボールと出会い、
 かわいがるようすを、子ども向けに写真と文章で紹介しています。
 ココはマンマルボールを「アカチャン」と表現することがあり、ゴリラの
 母親がするように抱いたり、背中に乗せたりしてかわいがります。
 でも、相手はネコであり、ゴリラではないこともわかっています。
 ココはマンマルボールのことを、人間がペットをかわいがるのと同じよ
 うにかわいがっていたのでしょうか?
 機会があったら、もう少し詳しく知りたいと思います。



 4月1日
 死の蔵書  作:ジョン・ダニング

 刑事をやめて古書店主になった主人公が殺人犯を追うストーリー。
 作者も古書店を経営していたそうで、古書の魅力や苦労話などが
 リアルで興味深かったです。


 3月31日
 あのころ、先生がいた。  著:伊藤 比呂美

 小・中・高校で著者が出会った先生たちの思い出。
 「こんなに素敵な先生がいた!」というお話ではないところが
 よかった。
 わたしも高校のときのある先生のことを思い出しました。
 若さゆえの浅はかさで軽視していた先生の、困難を乗りこえ教師に
 なれた喜びをつづった文章が新聞に掲載されたのです。
 そのときに、他人の生きる背景を知らずにその人を判断するのは
 傲慢なことだと気付きました。
 その傲慢さを改めるのにはとても時間がかかりましたが、今は
 相手をよく知ることを心がけています。



 3月18日
 王国の鍵 1 アーサーの月曜日  作:ガース・ニクス

 わたしのお気に入りの作家ガース・ニクスの作品です。
 曜日ごとの敵と戦いながら進む物語のようなので、7巻まで続くの
 でしょうか。この巻はまだ序の口…という印象かな?
 でも、この作者さんが創りだす異形の者たちはとても恐ろしいです。



 3月15日
 まんまこと  作:畠中 恵

 新しいシリーズの1巻目。
 主人公は放蕩息子・・・という設定ですが、なんとなくのんきで
 人好きのする性格です。人情話なところもわたし好みでした。
 親たちの勢いで決まっていく縁組も、先が楽しみです。



 3月12日
 神々の午睡  作:あさの あつこ

 面白かった。CLANPの表紙が特に好き。
 ギリシャ神話を読んでみたくなりました。
                             by(の)



 3月12日
 さびしさの授業  著:伏見 憲明

 孤独な「自分」を意識したときから新しい道が見えてくる。
 著者から若い人たちへのエールが、
 丁寧に、シンプルに語られています。
 生きることに迷っている誰にでも、ヒントをくれる本だと思いました。



 3月11日
 こそあどの森 霧の森となぞの声  作:岡田 淳

 いつも不思議で素敵な物語をありがとうございます!
 あんまり人付き合いに積極的ではない主人公はもちろん、
 不思議に惹かれやすいスミレさんも私のお気に入りです。
 大人になっても、感じたことを素直に心の中で温めてみる
 ということができると、世界にたくさんの素敵なことが
 見つかるかもしれないですね。



 3月7日
 ねずみとり  作:アガサ・クリスティー

 これはぜひ、本当の舞台を見てみたい!
 ロンドンで見るのが一番の希望なのですが、
 とりあえず日本でもいいから見たいな〜。



 3月7日
 ギリシア神話 オリュンポスの書  文:斉藤 洋

 女神アテナが語る、という手法でギリシア神話が紹介されて
 いきます。
 斉藤洋さんの文章は歯切れよく、楽しくて、
 また佐竹美保さんの絵が神の威厳を持ちつつちょっとお茶目な
 雰囲気で、親しみやすい神様たちになっていました。
 神話は子どものころから好きなので、
 今後、ギリシア以外も出版されないかしらと期待しています。



 3月3日
 新ヨーロッパイラスト紀行2 ヴァンパイアラプソディー
              著:ひらい たかこ、磯田 和一

 『ヒストリアン』を読んで、東欧の建築物を見たかったのですが、
 うっかりイラストの本を借りてしまいました。
 でも、美しいカラーイラストがたくさんあり、
 お店の看板の写真はとてもユニークかつかわいらしかったので、
 とても楽しく読めました。



 3月2日
 レッドデータガール2 はじめてのお化粧  作:荻原 規子

 泉水子が一生懸命で、とてもけなげです。
 なんとなく、勾玉シリーズの現代版のような印象を受けました。
 この作者さんらしい雰囲気がたっぷりです!
 第3巻が待ち遠しい…。



 3月1日
 ふしぎなやどや  文:はせがわ せつこ 絵:井上 洋介

 (ゆ)が小さいとき(もう15年くらい前?)に読んであげた絵本が
 懐かしくなって借りてきました。
 中国の古い物語をもとにして創られています。
 井上洋介さんの絵が不思議な物語にぴったりで、大好きです。



 2月28日
 源平絵巻物語 第五巻 ひよどりごえ
                 文:今西 祐行 絵:赤羽 末吉

 義経軍のいさましい崖下りがあざやかに描かれていて、
 馬のひづめの音が聞こえてくるような気がしました。
 愛馬をめぐる2つの逸話も収められ、
 いくさの中でも人としての心を失わない時代であったのだと
 しみじみと感じました。



 2月27日
 壬生義士伝 上・下  作:浅田 次郎

 新撰組の義士 吉村貫一郎の物語。
 明治維新から約50年後に、本人を知る人々が作者(?)に
 語っている部分と、本人が死に際して思っている部分を
 交互に、方言をとりまぜた文章で表現しています。
 いちばん心に残ったのは斎藤一氏の話で、
 「憎い」と言った同じ口から「まことの侍」という言葉が出た
 ところでした。
 それにしても、全体の物語の運びがさすがですね!
 (わたしがこんなこと言ったら失礼ですが…。)



 2月25日
 聊斎志異  作:蒲 松齢

 中国の奇譚集。岩波少年文庫で読みました。
 子ども向けなので簡単なものが中心ですが、不思議な話や伝説が
 好きなので、とても楽しめました。



 2月22日
 流れ行く者 守り人短編集  作:上橋 菜穂子

 13歳のバルサが、養父ジグロと一緒に旅をしていたころの物語。
 男の子のような見かけで、闘犬のように怖いもの知らずのバルサ。
 ジグロの強さと正しさをひたすらに信じて、
 自分もそうなりたいと願い、日々稽古に励む姿は、
 『闇の守り人』を思い出すと、なんとなく悲しくなってくる。
 けれど、両親を失い、追われる身となっていても、
 ジグロが家族のいる幸せを与えてくれたことは間違いないと思う。



 2月13日
 源平絵巻物語 第四巻 木曽義仲
                 文:今西 祐行 絵:赤羽 末吉

 絵本で歴史を追っていくというのもよいですね!
 特に美しい絵と文ならなおさらです。
 源氏の血を引き、大きな手柄を立てながら、
 源頼朝の命令で討たれてしまう義仲は悲しい運命の人。
 でも、勇敢で信頼できる妻とともに出陣できたことは
 とても幸せだったのではないかと思いました。



 2月10日
 ヒストリアン 2  作:エリザベス・コストヴァ

 おもしろかった!
 歴史をもとに創られた物語を読むといつも、
 創作と本当にあったことを見極めたくなってしまいます。
 でも、実際に調べたりしたことは一度もなくて、
 謎は謎のまま、わたしの中に残っています。
 今回は歴史だけではなく建築物にも興味がわいたので、
 それについては図書館で探してみようかと思っています。



 2月7日
 ぼくの羊をさがして  作:ヴァレリー・ハブズ

 わたしは犬を飼いたいとずっと思っています。
 第一候補はボーダーコリー、この本の主人公です。
 でも、わたしが飼っても幸せにしてあげる自信がないので、
 今は飼いません。
 『牧羊犬シェップ、がんばる。』という本も思い出して、
 やっぱりボーダーコリーが一番だな〜、としみじみと思いました。 



 2月5日
 図書館戦争  作:有川 浩

 こんなことになったら本当に悲しい! と、思いながら読みました。
 作者さんは国や地方の組織や法律のことなど、
 よく調べているなあと、感心してしまいます。
 文章に読点(、)が少なくて、はじめは読みにくかったのですが、
 慣れると会話のようなスピード感があって、
 ストーリーによく合っているように感じました。



 2月3日
 若おかみは小学生!  作:令丈 ヒロ子

 人気のあるシリーズのようなので読んでみました。
 主人公のおっこはもちろん、彼女を囲む人々がみんな素敵で
 人気があるわけがよくわかりました。
 ライバルの少女とおっこがこれからどうなるのかが、
 わたしには一番気になるところです。



 2月1日
 巷説百物語  作:京極 夏彦

 この作者さんの作品は初めて読みました。
 ホラーはかなり好きなのですが、
 怖すぎるのは苦手なのでずっと避けてきたのです。
 (装丁がなんとなく苦手・・・。)
 でも、百物語というタイトルに惹かれて読んでみたところ、
 とても好きになりました。
 個性豊かな又市たちに、一般人の百介が一枚かむのも面白いです。



 1月29日
 ヒストリアン 1  作:エリザベス・コストヴァ

 吸血鬼伝説にまつわるものがたり。
 主人公である現代の少女の視点と、歴史学者である彼女の父が語る
 体験談と、彼女の父が恩師から聞いた恩師の体験談で構成され、
 文章が3つの時代を行き来します。
 ヨーロッパの歴史や地理に疎いので、はじめは煙にまかれたようでし
 たが、だんだん場所や歴史上の人物に慣れて、後半はスピードアップ
 してきました。
 読んでいるだけで、中世東欧の歴史がすこしずつ沁みこんでくるよう
 な気がしました。
 いいところで終ってしまったので、急いで2巻を借りなくちゃ!



 1月17日
 教室の祭り  作:草野 たき

 小学校高学年向けの作品。
 作者さんは、この年代の女の子たちのことをよく知っているなあ
 と感心しました。
 読んでいると自分の記憶も呼び覚まされてきて、
 自分がその場にいるような気持ちになってきます。
 (同じことがおこったわけではないけれど。)
 子どもたちに勇気をくれる作品だと思います。



 1月16日
 オバケちゃんとはしるおばあさん
                作:松谷 みよ子 絵:いとう ひろし

 オバケちゃんの本、久しぶりに読みました。
 純粋に、素朴におもしろくて、癒された気がします。
 小さいお子さんのために書かれた作品は、読み終わった後に
 楽しくてしあわせな気分になれるところがいいですね!



 1月15日
 ゆきむすめ  絵:赤羽 末吉 文:今江 祥智

 ちょっと悲しくてやさしい、雪女の物語です。
 赤羽末吉さんの描く雪女たちは、本当に雪から生まれたように
 空をわたって行きます。
 その一方、雪女たちとたたかう決心をした村の女たちの
 決意にみちた顔もとても好きです。
 物語も美しくて、何度でも読み返したい絵本でした。



 1月14日
 レッドデータガール はじめてのお使い  作:荻原 規子

 熊野の山の神聖さが感じられる作品です。
 おさげ髪で内気な主人公 泉水子に秘められた力が何なのか、
 泉水子を守りつつも、危険も感じさせる山伏たちの目的は何か。
 勾玉シリーズを現代に持ってきたようなイメージも感じましたが、
 もう少しふんわりした優しさを持つ物語だと思いました。
 2巻を図書館で予約しました!



 1月11日
 獣の奏者 闘蛇編・王獣編  作:上橋 菜穂子

 図書館でなかなか借りられないでいたら、友人が貸してくれました。
 この作者さんはやっぱりすごいです!
 国の歴史や生き物の在りようなど、
 まるで本当に存在するかのような存在感です。
 あとがきに、ここで終わりにするつもりだったけれど、
 続きを望む声がたくさんあって…というお話がありました。
 わたしもエリンやセィミヤが幸せになれたのかどうか、とても
 気になるので、続編が出てよかったです。





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