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虹の谷つうしん 2015年




 12月31日
 トロール・フェル 上 作:キャサリン・ラングリッシュ

 みなしごになった主人公が欲深い双子の伯父に引き取られ、彼
 等の恐ろしい計画に巻き込まれる。
 伯父たちがあまりにも悪者すぎて、救いが無いような気がして
 きます。下巻でちゃんと片が付くのか見届けたいです。



 12月30日
 火星年代記  作:レイ・ブラッドベリ

 地球人が火星に移住していく経過を描いた短編集。
 火星に住む人々が地球からの調査団をどのように扱ったかから
 始まり、移住した地球人に起こった不思議なできごと、そして
 最後は……。
 SF小説であるのは確かですが、幻想的な不確かさや美しさを
 感じます。ゆらりゆらりと波に揺られているような読み心地。



 12月15日
 神々と戦士たち1 青銅短剣 作:ミシェル・ペイヴァー

 「クロニクル千古の闇」シリーズの作者の新しいシリーズ。
 地中海沿岸の古代を舞台にした少年ヒュラスの戦いと成長を描
 く。
 逃亡と妹を探す不安な旅と親友や旅で出会った相手への疑念と
 いう苦しみの中、一頭のイルカとの絆が輝いてみえる。
 ヒュラスの出自もまだ謎のままで、第二巻が楽しみ。



 12月3日
 少年少女飛行倶楽部  作:加納朋子

 中学に入学した海月が、親友に誘われて入ってしまった飛行ク
 ラブ。変人の部長と頼りにならない部員に囲まれて奮闘しなが
 ら、みんなが少しずつ成長してゆく物語。
 わかっているつもりでも、自分では見えていないことがある。
 それを教えてくれる誰かがいることは、とても有り難いことな
 のだとあらためて思いました。



 11月28日
 弓弦城殺人事件  作:カーター・ディクスン

 『盲目の理髪師』の作者が別名で書いた作品ということで読ん
 でみました。
 大きくて薄暗い古城で起きる連続殺人事件を解き明かすミステ
 リー。古城に似合う静かな重々しい雰囲気の作品でした。
 どちらの作品も事件の起きた場所の性質と登場人物がうまく組
 み合わされていて、ドラマか映画を見ているような気分で楽し
 めました。



 11月29日
 空へ  作:いとうみく

 父親を亡くした少年が、母親と妹を守りながら成長する物語。
 主人公が「自分がやらなければ」と懸命になる姿に何か手助け
 できないものかと思ってしまう。
 幼いと思っていた妹がいつの間にか成長していたことに気付い
 たときの主人公の複雑な心境がせつない。



 11月18日
 影なし山のりん  作:宇佐美敬子

 誰も訪れることのない影なし山でふしぎな歌を聞いた少女 りん
 が活躍するファンタジー。
 山を大切に思うりんの気持ちが素直に発揮されて幸せを呼ぶ。
 ピンチにもあきらめないりんの強さが印象に残りました。



 11月17日
 盲目の理髪師  作:ディクスン・カー

 ほかの本で見た作者の作品を選んでみました。推理小説です。
 タイトルから陰うつなイメージを抱いていたのですが、予想と
 は違うドタバタな成り行きをちりばめた楽しい作品でした。
 混乱した状況の中、後半で披露される探偵の推理はシンプルか
 つ一直線で、とても小気味良かったです。



 11月7日
 王のしるし 上・下  作:ローズマリ・サトクリフ

 古代のイギリスを舞台にした歴史小説。
 信仰の違う氏族間の争いを描いているので、きちんと歴史や地
 理を知らないわたしには戸惑う場面もときどきあった。
 けれど、逆にそこに神秘的で不可思議な魅力を感じるし、古代
 の荒々しい勇猛さに心が惹きつけられる。
 最初は違和感のあった挿し絵が、いつの間にか物語と一体とな
 って語りかけてくるようだった。



 10月27日
 凍りのくじら  作:辻村深月

 浮遊感、とでもいうような所在無さを感じている主人公が、ひ
 とつの出会いから、自分の望みや存在の意味に気付いて行く。
 今まで読んだこの作者さんの作品は、どれも物語のうしろに作
 者さんを感じる。(気のせいかも知れないけれど。)
 読みながらところどころで気になる小さな違和感や疑問が最後
 に一気にほどける爽快感はクセになりそう。



 10月13日
 カブキブ! 1〜4  作:榎田ユウリ

 しばらく前から気になっていた文庫本を買って一気読み。
 歌舞伎が大好きな主人公が、入学した高校で歌舞伎部をつくろ
 うと奔走する物語。
 大好きなことをみんなで楽しみたい、という真っ直ぐな気持ち
 と、彼を囲むメンバーの楽しい個性、そして歌舞伎の面白さと
 いう三つが土台となり、メインのストーリーを支えている。
 第四巻の帯が良かった!



 10月4日
 アラルエン戦記6 攻城  作:ジョン・フラナガン

 やっと続きが読めました。
 北国の味方を得たウィルたちの戦いがとても勇ましい。
 仲間たちがそれぞれに活躍する場面があり、固唾をのんで読み
 ふけりました。



 10月2日
 鏡の中、神秘の国へ  作:ヨースタイン・ゴルデル

 重い病気の少女と天使の会話から、生きることについて考察す
 る作品。
 死に向かう少女から見た家族の様子を描いている部分がつらい
 です。



 9月26日
 走れ、走って逃げろ  作:ウーリー・オルレブ

 第二次世界大戦の戦時下、収容所から逃げ出したユダヤ人の少
 年のさすらいの旅を描いた物語。
 何もわからない幼い子どもだった主人公が、逃げることとひと時
 の休息を繰り返す日々のあいだに、家族の記憶やユダヤ人とし
 ての信仰もあいまいになってしまう。迫害によって失うものの
 重さを思うと、そんなことはあってはならないと思います。



 9月15日
 はじめての相対性理論 アインシュタインの不思議な世界
                       監修:佐藤勝彦

 小学校高学年から中学生くらいを対象にした入門書のようなも
 のです。
 イラストをふんだんにつかってあり、二つの相対性理論のイメ
 ージをつかむことができます。
 証明された理論が実用化されている例も紹介されていて、物理
 学の大きな可能性を感じられるような本でした。



 9月7日
 時速47メートルの疾走  作:吉野万理子

 この作者さんの作品を読みたくなって選びました。予想に違わ
 ず良い作品でした。
 特に、自分の想いや行動が周囲には違うように受け取られてい
 た、という部分と、それを知ったときのせつない気持ちが自分の
 経験とだぶって深く心に残りました。



 9月5日
 神の一球  作:七原七典

 天才的な野球少年に野球を続けさせるため、主人公が野球の神
 様から無理矢理、誰も打てない球を授けられる。
 「誰も打てない球」そのもののアイデアが面白い。確かに、挑戦
 するものがあるからこそ、頑張りたくなるのだと思います。



 8月29日
 マハラジャのルピー  作:フィリップ・プルマン

 「ライラの冒険」シリーズと同じ作者の作品。
 古い時代のロンドンを舞台にした十七歳の少女の冒険。
 父親の死の謎を追ううちに自分の生い立ちの秘密にぶつかる。
 血のつながりのない人々が次第に家族のようになっていくスト
 ーリーが良かったです。



 8月26日
 時をかける少女  作:筒井康隆

 久しぶりに読みました。
 読み始めは言葉遣いが少しばかり時代を感じさせるのですが、
 ストーリーが進むにつれて引き込まれて、気にならなくなりま
 す。主人公がしっかり者の分、じっくり読める感じです。



 8月25日
 龍馬伝 青春篇  作:つか こうへい

 幕末ものを何か読んでみようと思って選びました。
 でも、かなり人物の脚色が強くて、予想していたものとはずい
 ぶん違っていました。



 8月20日
 こちら『ランドリー新聞』編集部 作:アンドリュー・クレメンツ

 おとなしい転校生 カーラが作った壁新聞が、生徒と担任の先
 生の助けで次第に広がって行く。やがて・・・。
 児童書ではありますが、教育とはどういうものか、を問いかけ
 る作品です。
 一つのきっかけで、子どもたちがそれぞれ自分なりの決心をし、
 それが周囲を動かす力となっていく。思いがけない反応に戸惑
 いながらも前に進んでいく子どもたちを応援したくなります。



 8月17日
 不思議の扉 時間がいっぱい  編:大森望

 「時間」をテーマにした短編集。
 星新一、谷川流、フィッツジェラルドなど、ラインナップがと
 ても面白いと思いました。
 読んでみて、各作家さんのアイデアと個性の多様さに感心しま
 した。満足!



 8月15日
 「もしも?」の図鑑 ピラミッドの建て方 監修:中川武

 ピラミッドや万里の長城などの建設方法を、ユーモラスな仮定
 を取り混ぜて、やさしく解説している。
 色鮮やかなイラストも多くて読みやすいです。
 わたしは大きな遺跡に興味があるので、とても楽しく読みまし
 た。



 8月13日
 時をかける眼鏡  作:椹野道流

 タイトルに惹かれて手に取りました。
 ヨーロッパの小国にタイムスリップした青年が、医学の知識を
 用いて事件を解決する。
 中世の町や城の様子が楽しめました。



 8月11日
 いのちのパレード  作:恩田 陸

 下の作品と同じタイトルで、好きな作家さんだったので読んで
 みました。短編集。
 幻想的だったり、笑わせてくれたり、ぞっとしたり、こんなに
 いろいろなジャンルの物語を生み出せる才能に感動しました!
 一作ずつ、その世界にすっぽりとはまりながら楽しみました。



 7月30日
 いのちのパレード  作:八束 澄子

 親友が妊娠!? というショックな出来事から始まる、中学三
 年生の少女の動揺と命を見つめる心を描いた物語。
 思いがけない出来事に驚いて何もできなくなってしまう主人公
 と、単なる事件として現実的に対処しようと動き出す友人たち。
 その受け止め方の差がわたしにはショックだったような気がし
 ます。



 7月27日
 敵は海賊・不敵な休暇  作:神林 長平

 休暇を取った海賊課のチーフ、その代理を命じられた主人公チ
 ーム。けれど、その休暇は仕組まれたもの…?
 ごちゃごちゃで、ふざけているみたいなのだけど、その中に鋼
 のように硬く輝く芯が通っていることをときどきふと感じさせ
 る。そのバランスがとても好きなシリーズです。



 7月25日
 兄妹パズル  作:石井 睦美

 おしゃべりで明るい性格の次兄が突然、家出をした。その事件
 に自分も戸惑いながら、愛情とともに家族を見つめる妹。いろ
 いろな記憶が浮かび上がる中から見えてくる真実は―。
 家族それぞれのやさしさと、その後ろに隠された葛藤。あたた
 かくてせつない物語でした。



 7月22日
 モギ 小さな焼きもの師  作:リンダ・スー・パーク

 身寄りのない少年モギがあこがれの陶器職人のもとで働きなが
 ら、ひとの温かさや努力を知り、成長していく。
 ひとつひとつの問題をじっくり考えて最善の道を行こうとする
 モギの純粋な心が幸せを呼ぶ、やさしい物語でした。



 7月18日
 マンゴーのいた場所  作:ウェンディ・マス

 文字に色が見えたり、音で図形が見えたりする少女が、他人と
 は共有できない苦しみを秘めながら、猫のマンゴーと暮らした
 一年の物語。
 「共感覚」という言葉と状態を初めて知りました。
 自分の状態を知ったときの主人公のほっとした気持ちがひしひ
 しと伝わってきました。



 7月14日
 風味さんじゅうまる  作:まはら みと

 和菓子コンクールのために商品開発に取り組む家族を、中学生
 の少女 風味の目をとおして描く。
 一つの目標に向かうチームであっても、メンバーそれぞれが抱
 く思いや感情はひとつではない。そのことに時間をかけて気付
 き、勇気を出して自分の問題も解決する風味の成長にほっとし
 ました。



 7月10日
 サースキの笛がきこえる 作:エロイーズ・マッグロウ

 “とりかえ子” として妖精の世界を追い出されたサースキが、つ
 らい現実の中で家族を大切に思う心を知り、自分の居場所を見
 出すまでの物語。
 サースキの抑えられない情熱が表に出てしまう場面がとても切
 なくなります。サースキの幸せを願わずにいられない最後でし
 た。



 7月1日
 二年間の休暇 上・下  作:ジュール・ヴェルヌ

 無人島に漂着した十五人の少年たちの二年にわたる開拓生活を
 描いた物語。
 それぞれの少年たちがいろいろな葛藤を抱えて、反発と協力を
 繰り返しながら生活していきます。その中にいつの間にか引き
 込まれていました。
 この作品を、登場する少年たちと同じ年齢のときに読んだら、
 もっと楽しめただろうな、と、少し残念に思いました。



 6月23日
 狛犬の佐助  作:伊藤遊

 神社の狛犬に宿った作り主の魂が、お参りに通う青年の願いをか
 なえるために頑張る物語。
 表紙の人の良さそうな狛犬が、物語にピッタリ。
 主人公の石工の弟子と、もう一体の狛犬に宿る親方との掛け合い
 も楽しい。



 6月19日
 猫色ケミストリー  作:喜多喜久

 ネコと人間二人の間で起こった「魂の移動」という事件を土台に、
 大学の研究室で行われている謎の実験を探る。
 化学の研究というもの自体が、わたしにはとても興味深かったで
 す。文章で書かれただけの作業手順をたどるだけでも、なんだか
 わくわくしました。



 6月17日
 ブロード街の12日間  作:デボラ・ホプキンソン

 「青い恐怖」と恐れられていた伝染病コレラが発生したロンド
 ンを舞台に、スノウ博士の助手として、発生の原因を追及する少
 年イールの活躍を描いた物語。
 自分自身も困難な状況にありながら、友人や弟を思いやるイー
 ルが健気です。



 6月13日
 敵は海賊・短篇版  作:神林長平

 おもしろかった! このシリーズは大好きです。
 キャラクターと会話のバランス、アイデアや遊び心、緊張と肩
 の力が抜ける瞬間などの混ざり具合が絶妙です。



 6月8日
 ハムレット  文:斉藤洋 原作:シェイクスピア

 斉藤洋さんの文章は、とても読みやすいです。
 シェイクスピアの作品は軽いものは読んだことがあるのですが、
 「ハムレット」は初めてです。
 いつかは、お芝居で見てみたいです。



 6月7日
 絶体絶命27時間!  作:キース・グレイ

 主人公の少年が、転校してきた学校を仕切るグループの罠には
 まり、進路がめちゃくちゃになる危機に陥る。
 前半は、まるで泥沼にはまり込むようで、読むのが憂うつにな
 るほどでした。でも、終盤、反撃が始まると期待感が高まり、
 クライマックスでは胸がスカッとしました。



 6月6日
 新選組ござる  作:高橋由太

 新選組に入隊した少年が、新選組がなくなったあとに、土方た
 ちの遺志を継いで沖田総司を守るシリーズ一作目。
 能天気なもののけや犬が物語全体をやわらげて、読みやすい幕
 末ものです。



 6月4日
 秋期限定栗きんとん事件 上・下  作:米澤 穂信

 ひとつの大きな事件を追いながら、小鳩くんと小山内さんの周
 囲の変化が気になる第三作目。
 ひと段落して落ち着いた二人にほっとしました。
 最後の小山内さんの言葉を聞いた小鳩くんは何を思ったのだろ
 うと、ずっと考えてしまいました。



 6月2日
 鹿の王 上・下  作:上橋菜穂子

 ファンタジーは、こういう物語が読みたかった! と、心から
 思いました。
 さすが、上橋菜穂子さんです。
 堅固な世界とそこにいる人びとの生きる背景を、これほど<当
 然>であるように創りあげ、描けることが、やはりすごいと思
 います。
 子ども向けではありません。



 5月31日
 夏期限定トロピカルパフェ事件  作:米澤 穂信

 美味しいものがたくさん出てくる第二巻。
 大事件とその真相が、小鳩くんと小山内さんに予想外の決断を
 させてしまいました……。
 気になるので、次へ急ぎます。



 5月28日
 春期限定いちごタルト事件  作:米澤 穂信

 この作者さんの作品は初挑戦。
 男子高校生の一人称で語られる文章に、ときおりひょいと古風
 な言い回しがはさまれています。そこに主人公の理屈っぽい賢
 さを感じつつ、作者さんが言葉を大切にし、研究されている姿
 勢も垣間見える気がして、読みながらふと、我に返ります。
 学校を舞台にした軽いなぞ解きの雰囲気で始まり、後半に小鳩
 くんと小山内さんの隠された性格が顔を出したところで次へ。



 5月22日
 勇者ライと3つの扉 1 金の扉 作:エミリー・ロッダ

 久しぶりにエミリー・ロッダの冒険物語を。
 「デルトラ」シリーズ、「ローワン」シリーズを思い起こさせ
 る、ワクワクする物語です。
 物語の舞台になっている世界にもまだ謎が多く、これからの展
 開が楽しみです。



 5月19日
 Zの悲劇  作:エラリイ・クイーン

 エラリイ・クイーンの作品を読んでみようと思い、図書館で
 『Xの悲劇』が貸し出し中のようだったので、「Z」を借りて
 きました。
 本来の名探偵はドルリー・レーン氏なのですが、この巻では元
 警視の娘ペイシェンスが前半の探偵役として物語を引っ張りま
 す。
 レーン氏の活躍があまり見えないので、やっぱり『Xの悲劇』
 を読もうと思いました。



 5月11日
 帰宅部ボーイズ  作:はらだみずき

 希望に燃えて中学で野球部に入部するも、活動の理不尽さから
 退部してしまった主人公と、自由に生きている同級生のカナブン
 の交流を軸にした、中学生の男の子たちの物語。
 とてもキラキラしていて、ときどきせつない。



 5月9日
 バンパイア・ガールズ 2  作:シーナ・マーサー

 チアガールのオリビアとバンパイアのアイビーの双子が活躍す
 る物語、第2巻。
 二人の秘密を知る仲間ができ、別々に養子にだされた理由と両
 親の謎を求めて第3巻へ。



 5月6日
 三日月少年の秘密  作:長野まゆみ

 とても不思議な物語です。深く読み解かず、景色を見るように
 読みました。
 行方不明の三日月少年はどこに?
 読み終わってからも、しばらく気になってしまう物語でした。



 5月5日
 学ばない探偵たちの学園  作:東川篤哉

 学校で起きた密室殺人事件を、探偵部の三人組が解決しようと
 する。
 学園ものらしい軽いタッチの明るい探偵小説でした。
 三人の性格がほどよくミックスされて、楽しく読めました。



 5月3日
 部活魂!  編:岩波書店編集部

 岩波ジュニア新書。
 中高生が自分の所属する部活の紹介や、部活に対する思いをつ
 づった作文(?)集。活動内容だけではなく、その先にあるも
 のをそれぞれに感じていることが伝わって来て、読んでいると、
 なんとなくほっとします。
 有名人の体験も紹介されていて、それも興味深かったです。



 5月2日
 死神の追跡者  作:クリス・プリーストリー

 「トム・マーロウの奇妙な事件簿」第一巻。
 18世紀のロンドンを舞台に、少年 トムが不思議で恐ろしい
 事件に巻き込まれる。
 当時のロンドンの喧噪と怪しさがとてもリアルで、事件ともど
 も、その場面を見ているような気がしました。
 第二巻も読んでみたいです。



 4月29日
 夜は短し、歩けよ乙女  作:森見登美彦

 混沌の中を淡く光る真珠玉がふわふわと抜けて行く――という
 映像が頭の中に浮かびました。その真珠玉=純粋無垢な少女と、
 彼女の姿を求めてさまよう今一つ自信のない「私」の不可思議
 な体験とすれちがいの物語。
 読んでいるあいだにこの混沌とした世界に巻き込まれていく自
 分が楽しくなりました。



 4月26日
 バンパイア・ガールズ 1  作:シーナ・マーサー

 明るさの代表ともいうべきチアガールのオリビアと、ゴスの衣
 装に身を包んだアイビーが活躍する物語。事件も面白いけれど、
 アメリカのティーンエイジャーの日常そのものも楽しめる。
 二人の家族も良い感じです。



 4月24日
 神の守り人 下  作:上橋菜穂子

 一気に読み終わり、満足のため息をつきました。
 二木真希子さんの力強い絵もとても好きです。



 4月17日
 フレンズ・ツリー  作:アン・ブラッシェアーズ

 高校入学を控えた三人の少女のそれぞれの夏休みの物語。
 中学で三人三様の価値観を育ててきた「元」親友同士が、本当
 の友情について学んでいく。
 苦しくて、爽やか。制度や習慣は日本とは違うけれど、何かを
 感じる心は世界共通だと思います。
 『トラベリング・パンツ』の姉妹編。



 4月10日
 神の守り人 上  作:上橋菜穂子

 久しぶりに手に取りました。
 バルサの強さ――悲しみに裏打ちされたとでも言うべきやさし
 さと《短槍使い》としての強さが冴えわたる。
 何度読んでも、読み始めると止まりません。



 4月4日
 ミヤマ物語 第三部 偽りの支配者 作:あさのあつこ

 主人公の勇気が試される最終章。
 主人公の母親が自らの目を背けていた事実を認め、大切なこと
 に気付く展開に、ほっとしながら読み終わりました。



 4月2日
 トレマリスの歌術師 3  作:ケイト・コンスタブル

 三部作の完結編。
 戦いの中、主人公の恋が物語をけん引する感じ。
 最後に新たな祭りが生み出される場面が印象的でした。



 3月30日
 トレマリスの歌術師 2  作:ケイト・コンスタブル

 歌術の才能を持つために連れ去られた子どもを助けるために、
 主人公カルウィンたちが宮廷に乗り込む。
 陰謀と歌術師の謎、仲間どうしの信頼と不和、すれ違う恋の
 行方。悩みともどかしさに満ちた第二巻でした。



 3月29日
 誰がコマドリを殺したのか 作:イーデン・フィルポッツ

 『赤毛のレドメイン家』の作者の作品ということで手に取りま
 した。「コマドリ」と呼ばれる女性の死をめぐる推理小説。
 探偵役の青年が動き出す後半は、展開が速くて面白かった。
 最後の追跡もスリリングでした。



 3月20日
 ランチのアッコちゃん  作:柚木 麻子

 持参のお弁当と上司のランチを取り換えっこすることで、見え
 てきたものは…。
 気になったメニューは鍋に残ったカレーで作るドライカレーで
 す。



 3月19日
 トレマリスの歌術師 1  作:ケイト・コンスタブル

 歌で魔法の力を引き出す世界を舞台にしたファンタジー。
 旅、仲間、謎、そして圧倒的に強い敵、と、冒険物語の要素を
 すべて備えていて引き込まれます。
 謎を追って第二巻へ。



 3月14日
 静おばあちゃんにおまかせ  作:中山 七里

 元裁判官の静おばあちゃんが、孫娘が持ち込む事件を解決する
 連作短編集。
 重苦しい事件も、爽やかで優しい登場人物の間でさくさくと解
 決される感じ。とても読みやすい本でした。



 3月11日
 キリエル  作:A・M・ジェンキンス

 地獄の仕事に飽きた悪魔が、地獄を逃げ出して、男子高校生の
 体を乗っ取って現世の生活を満喫する物語。
 初めて生身の体を持ったキリエルの感動が印象的。
 「悪魔イコール堕天使」であるために生まれる感情がときどき
 切なくて、自分の周囲のことも再認識する思いでした。



 3月3日
 くるくるコンパス  作:越谷 オサム

 中学生の男の子3人組が京都の修学旅行を抜け出して大阪へ!
 パッとしない3人と極端な先生、同級生の女の子たち登場人物
 が実際にいそうで可笑しい。
 抜け出した結末も、3人のその後も爽やかで良かったです。



 2月28日
 ジェーン・エア 下  作:シャーロット・ブロンテ

 幸せになるのかと思ったら、恐ろしい事実が発覚。それに続く
 不運のあと少しずつ良いことが訪れて、最後は幸せに。華やか
 さは無いけれど、ジェーンの意志の強さに惹かれて、幸せを願
 いながら読み切りました。



 2月20日
 その本の物語 上  作:村山 早紀

 病院でずっと眠ったままの親友に本を朗読する少女の物語。
 朗読される本は「魔女のルルー」のシリーズ。この作者さんの
 作品に同じ名前のシリーズがあります。
 この上巻では、本編の物語よりも、「魔女のルルー」の方がペ
 ージ数が多く、世界でたった一人残された魔女の子ルルーが出
 会う悲しみや喜びの物語が紹介されています。
 ルルーの物語はいかにもこの作者さんらしい作品で、悲しみを
 体験したからこそ分かる幸せに切なくなります。
 この物語が下巻でどう生きてくるのか楽しみです。



 2月15日
 ジェーン・エア 上  作:シャーロット・ブロンテ

 名作を読んでみよう! の一環で選びました。
 身寄りのない少女の淋しい子供時代と、家庭教師としてやとわ
 れた家の主人に恋をする過程が語られる。
 頑なな性格がその生い立ちをとおしてよく伝わって来て、身分
 違いの恋がどうなるのか、とても気になります。



 2月12日
 負けない パティシエガール  作:ジョーン・バウアー

 お菓子作りの得意な少女が、パティシエになる夢に向かって努
 力しながら、自分や家族の問題と向き合っていく。
 自分の好きなことに自信を持つことの大切さをあらためて考え
 ました。
 主人公が作るカップケーキは、文字だけでもとても美味しそう。



 2月8日
 深く、暗く、冷たい場所  作:メアリー・D・ハーン

 怖かった!
 悪意のある子どもの霊のホラーって、とても怖いです。



 2月6日
 ヘラクレスの冒険  作:アガサ・クリスティ

 名探偵ポアロの短編集。
 一つ一つの作品が、短いながらもドラマティックに楽しくて、
 大満足の一冊でした。



 1月26日
 ストローガール  作:ジャッキー・ケイ

 父親を亡くした少女が、麦わらの少女 ストローガールに助け
 られ、新たな一歩を踏み出す。
 ストローガールの不思議さと、主人公が自信を得て学校や母親
 を変えていく強さが印象に残る物語でした。



 1月24日
 僕らはまだ、恋をしていない!  作:中村 航

 青春物語かと思ったら……、いえ、ちゃんと青春物語なのです
 が、異世界トリップファンタジーとして展開するのかな?
 第2巻を読まなくては。



 1月19日
 いなくなれ、群青  作:河野 裕

 階段島という、世界と切り離された島を舞台にした物語のはじ
 まり。
 主人公を囲むキャラクターはとても個性的。なのに非常に落ち
 着いた静かな文章で、それが主人公の個性なのだと読み進むう
 ちに気付きました。続きが気になります。



 1月15日
 クローディアの秘密  作:E・L・カニグズバーグ

 久しぶりに読んでみました。
 家出の楽しさいっぱいの前半と、クローディアが秘密にこだわ
 る理由が深く読み解かれていく後半。
 子どもでも大人でも持っている「自分」という存在への疑問や
 葛藤に寄り添ってくれる物語だと思います。



 1月8日
 五匹の子豚  作:アガサ・クリスティ

 名探偵ポアロのシリーズ。過去の殺人事件を、関係者全員の面
 接と手記を通して再調査していく。
 それぞれの性格と主張から犯人を割り出すという推理は、いか
 にもポアロらしいと思います。景色が目に浮かんできて、まる
 でドラマを見ているような気持ちになりました。



 1月2日
 ラモーゼ プリンス・イン・エグザイル 下
            作:キャロル・ウィルキンソン

 人々の本当の幸せについて考えるように成長したラモーゼと、
 強い権力を求める王宮の人々との攻防とその行方。
 さまざまな圧力に悲しい思いを抱きながら、信じる道を進もう
 とするラモーゼの力強い一途さに引かれて読み切りました。
 実在した人物であるところも、想像の余地があって面白いです。





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